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埼京線にもATACS

 現在の列車制御システムは、レールを一定間隔で区切り、そこに電流を流して列車が在線する位置を検知し、信号機によって後続列車の運転士に対して走行可能な区間と速度を指示しています。このため、列車は信号機で区切られた1区間(閉塞区間)に1列車しか運転できません。しかも、線路の周りには軌道回路、信号機、ATS、ケーブル類などの多くの地上設備を設ける必要があります。

 それを解決するためにJR東日本が開発しているのがATACSです。列車位置検知を軌道回路によらずに、走行する列車自らが在線する位置を検知し、無線を使って車上、地上間で双方向に情報通信を行うことによって列車の間隔制御を行います。この新しい方式により、各種設備のスリム化、信頼性の向上、コストダウンなどを図ります。

 JR東日本は2011年から仙石線(あおば通-東塩釜間)においてATACSを導入していますが、大きなトラブルなく、安定した状況であることから、本命の首都圏にも導入することにしました。以前にも触れましたが、2017年秋に埼京線(池袋-大宮間)に導入します。2013年度から工事及び試験を始めます。

(追記1)
 埼京線はE233系を投入して205系を置き換えましたが、ATACS導入に伴い車両改造を要します。車両不足になることもあるため、205系を1編成のみ予備車として残しています。

(追記2)
 埼京線の205系で唯一残っていた川越車両センター所属の205系ハエ28編成ですが、2016年11月に先頭車等4両に続いて中間車6両も廃車のために長野に配給輸送されることになりました(ただし、先に送られた先頭車等4両は富士急に譲渡する予定です。すでに富士急で走っている車両同様、3両編成に改造されるようです)。これで埼京線の205系は全編成が消滅することになりました。

(追記3)
 埼京線池袋-大宮間のATACSの使用開始日が2017年11月4日に決まりました(11月3日の終電後に切り替えを行います)。なお、踏切の制御機能は2019年度以降に導入する予定です。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2013/20131005.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2017/20171004.pdf、「鉄道ジャーナル」2014年8月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ジャーナル」2017年3月号 鉄道ジャーナル社、railf.jp http://railf.jp/news/2016/11/09/163000.html、http://railf.jp/news/2016/11/11/160000.html)

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 埼京線への無線式列車制御システム(ATACS)の導入について [PDF/293KB]|JR東日本:プレスリリース [Read More]

Tracked on 2013.10.13 09:37 AM

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