大阪市交通局、地下鉄初乗りを20円値下げ
少し前に取り上げた大阪市営地下鉄の値下げの話ですが、ついに200円の初乗り運賃を20円値下げすることに決めました。正式には今日28日の経営会議で決まりますが(大阪市の条例では運賃の上限だけしか定めていないので、値下げは交通局長の判断でできます)、2014年4月から値下げされる予定です。国交省によれば、過去に値下げした公営鉄道事業者はないとのことです。
初乗り区間以外は消費税増税に伴い、値上げされます。また、民営化すれば2015年10月に2区の一部区間(3~4.5キロ)も値下げして220円とし、そのほかの区間も据え置きますが、民営化できなければ値下げした運賃を元に戻します。
民営化によって大阪市交通局は職員削減などで人件費を削減し、割高とされる運賃の値下げをすることで利用者にも還元する予定でした。しかし、市議会は民営化を行うための条例案を未だに可決する見通しはありません。今回の値下げ決定は市議会に民営化へ圧力をかけるかたちとなります。
橋下市長の姿勢も強引かもしれませんが、市議会も決してほめられたものではありません。今里筋線の延伸や市営バス路線の維持などを求めているのです。民営化したらこれらが白紙になることを恐れているのです。今里筋線はできたらいいかもしれませんが、大多数の利用者にとっては使わない路線です。そんな枝線よりもはるかに重要なのは、大阪の中心部を通る路線です。四つ橋線やなにわ筋線はどうなったのでしょうか? バス路線も使わない路線を無理に維持する必要はありません(民営化したら、一定期間は路線の維持を求める必要はありますが)。必要な路線を決定するのはただ一つ、お金を払って利用する人がどれぐらいいるかです。目先の選挙を恐れて、お金を払って利用する人がいない路線を維持してはいけません。中心部を通る路線の改善ならともかく、枝線の新設や不採算路線の維持のために値下げを拒否するのはいかがなものとも思えます。
(追記)
28日の経営会議では民営化が決まっていない中での値下げに慎重な意見が多かったため、結論は出ませんでしたが、翌29日の経営会議で初乗り運賃の20円値下げは承認されました。
ただ、藤本交通局長は、民営化が決まらなかった場合、運賃を元に戻すという橋下市長の方針については否定的な態度を示しています。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20131026k0000m040111000c.html、http://mainichi.jp/select/news/20131029k0000e040267000c.html)
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