JR東日本等、バンコク北部の都市交通システムに参画、205系はジャカルタへ
JR東日本に関連する、海外の話題を二つ。
JR東日本グループは「グループ経営構想V ~限りなき前進~」のもと、国内外の企業と協力し、海外に向けた鉄道車両製造事業を展開するとともに、オペレーション&メンテナンス分野を含めた海外鉄道プロジェクトへの参画を目指しています。まず最初はバンコクの事例から。
バンコク北部で建設中の都市鉄道路線、パープルライン(約23キロ、16駅、2016年ごろ開業見込み)を運営するバンコクメトロとの契約により、JR東日本、丸紅、東芝は鉄道車両や各種地上設備(信号、軌道、電力、ホームドア、自動運賃収受システム、鉄道車両基地等のメンテナンス)についてトータルで10年間のメンテナンス業務を行います。JR東日本、丸紅、東芝の3社によりつくられる新たなメンテナンス会社は、12月にバンコクで設立される予定です。会社名は決まっていません。
丸紅、東芝は、鉄道システム一式の供給契約をバンコクメトロから調達の委託を受けたチョーカンチャン社(タイの大手建設会社)と締結しています。そして、この路線用の車両63両(3両編成21本)を、JR東日本グループの総合車両製作所(J-TREC)がつくります。バンコクの都市交通に日本製の鉄道車両が初めて採用され、また日本の鉄道事業者を含めた企業連合が海外でのメンテナンス事業に参画する初めてのケースとなります。政府は交通インフラ輸出を成長戦略の柱の一つとしていますが、これにかなった事業と言えます。
次はジャカルタ。これまで埼京線、川越線で活躍してきた205系180両(10両編成18本)を、2014年3月までにジャカルタのジャカルタ首都圏鉄道会社に譲渡します。譲渡額は非公表です。これに合わせて、205系のメンテナンスを実際に担当している車両センター等の技術者十数人程度をインドネシアに短期派遣し、現地で技術支援を行います。現地に運ばれた車両の整備・試運転・機能確認業務の支援や定期検査業務の支援を行う予定です。車両の譲渡とあわせて、その譲渡された車両を保守している社員を派遣して技術支援を行うことは、JR東日本として初めてです。
(追記)
パープルライン(正式名称:チャローン・ラチャタム線)は、2016年8月6日に開業しました。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2013/20131105.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2013/20131104.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2016/20160803.pdf、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD060OF_W3A101C1TJ2000/、Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/business/news/131107/bsd1311070500001-n1.htm)
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