岩泉線、廃止届を提出
JR東日本は2012年3月に、岩泉線について「鉄道による復旧を断念し、バスにより地域の交通を確保する」という方針を打ち出し、これまで岩手県、宮古市、岩泉町と協議を行ってきました。その結果、岩泉線の廃止及びそれに伴う代替輸送について、関係者間で合意に至りましたので、11月8日、JR東日本は国交相に鉄道事業廃止の届出を行いました。2010年7月の脱線事故以来、列車が走らないまま廃線を迎えます。
鉄道が廃止になった後は、代替バスを運行します。代替バスの運行開始は2014年4月1日なので、岩泉線は2014年3月末で廃止になるということになります。JR東日本は代替バスの運行確保に責任を持つ立場ですが(代替バスの運行によって年間約4000万円の赤字が見込まれますが、その赤字をJR東日本は負担します)、実際の運行は地域密着・地元雇用促進の観点から地元バス事業者である東日本交通が行います。代替バスのサービス内容は現行の鉄道の基準を基本に関係者と協議を進めます。すなわち、本数は現行鉄道水準の1日4往復を基本とします。代替バスの運行区間は現行の岩泉線(茂市-岩泉間)の区間を基本とします。停留所は現行の岩泉線各駅を基本に設置することとしますが、地元の要望を受け、大川集落付近及び岩泉町市街地(岩泉高校等)については路線の延伸を行います。現行の代行バスのルートから大川集落付近に片道約1.4キロ、岩泉町市街地に約1キロ延伸します。茂市-岩泉間の運賃は現行鉄道水準としますが、茂市駅における山田線との乗継運賃は打ち切り計算となります。ただし、通学定期運賃については激変緩和措置として3年間の差額補助を行います。
岩泉線廃線後の鉄道施設・用地については、押角トンネル(2987メートル)を岩手県へ、茂市-岩手和井内間(約10キロ)を宮古市へ、浅内-岩泉間(約7.4キロ)を岩泉町へ無償譲渡します。残る岩手和井内-浅内間(押角トンネルを除く約18キロ)については、JR東日本が継続して保有します。また、JR東日本は、岩手県が計画している国道340号線の道路改良事業に要する費用の一部について資金提供を行います。押角トンネルの道路化は2014年度に着手します。片側1車線の道路となります。総事業費は約70億円と見込まれますが、JR東日本は20億円を上限に負担します。
余談ですが、10月の代行バスの利用状況を見ると、一番利用者の多い4便(岩泉7:45発)でも平均乗車人数は11.9人(平日)、全便平均だと平日は6.4人、休日は3.6人です。1年半ほど前とほぼ同じです。
(追記)
JR東日本は2014年1月8日、岩泉線の廃止日を2014年4月1日に繰り上げる旨の届出を行いました。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/railway/pdf/iwaizumi_20131107top.pdf、http://www.jreast.co.jp/railway/pdf/iwaizumi_20131107.pdf、http://www.jreast.co.jp/railway/pdf/iwaizumi_20140108top.pdf、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20131108_3、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/oshikado/)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 中央線のグリーン車は10月13日から(2024.09.11)
- 小田急、新型「ロマンスカー」投入(2024.09.10)
「JR東日本」カテゴリの記事
- 中央線のグリーン車は10月13日から(2024.09.11)
- 北千住の「みどりの窓口」が復活(2024.09.14)
- 田沢湖線に快速(2024.09.01)
Comments