大阪府都市開発の売却は提案内容より価格を強く重視
以前書いた記事の続報です。大阪府は、泉北高速鉄道等を運営する大阪府都市開発の売却について、アメリカの投資ファンドのローンスター(株式会社ローン・スター・ジャパン・アクイジッションズ)に優先交渉権を与えたのですが(12月の府議会で承認を得られれば契約し、2014年1~2月に株式を一括売却します。外資やファンドが国内の鉄道会社の半数以上の株式を持つのは初めてです。松井大阪府知事によれば、売却益は都市インフラ再構築のための基金とします)、その詳細が明らかになりました。
参加意欲(事業の継続意思)及び財務能力(資産状況等)を確認する資格審査は、ローンスターや南海など6社が通過しました。そこから本審査に入るわけなのですが(最終審査の段階では3社が残りました)、価格点(70点。提案価格が一番高かったところが満点となります)と提案点(30点。内訳は経営方針が10点、鉄道利便性向上が15点、トラックターミナル等運営方針5点)との合計により総合評価されます。価格のウエートが大きいわけです。事実、ローンスターは提案点が14.4とそれほどでなかったものの、781.04億円という提案価格がものをいい(価格点は70点満点)、84.4の合計点を得て、優先交渉権者となりました。次点の南海は提案点は27.4とよかったものの、提案価格が720億円のため、価格点は40.2、合計点は67.6となりました。
ローンスターは、通学定期の約12%引き下げや高齢者割引(65歳以上の人を対象に、泉北線の乗車区間にかかわらず、1乗車160円の企画割引回数乗車券を導入します)などを提案しました。南海との乗継割引は現行の10円から20円に拡大します。バス会社に対しては、夜間のサービス向上に向けて申し入れをします。しかし、難波への運賃が10円しか下がらないので、どうしても不満の残る内容です。竹山堺市長も指摘しているように、沿線住民の期待にこたえるものでは到底ありません。期待はずれです。
こうなったら、提案点で27.4もの高得点を挙げた、南海のものをみてみたいです。中百舌鳥で直通運転をしている、南海と一体化するのは自然な形ですから。
(参考:大阪府ホームページ http://www.pref.osaka.jp/hodo/attach/hodo-15018_4.pdf、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNASHC2602Q_W3A121C1AC8000/、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/OSK201311260101.html)
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