信楽高原鐵道、国の起債制度を活用して復旧へ
9月の台風18号で大きな被害を受け、運休したままでの信楽高原鐵道。廃線の話も出ていましたが、どうやら復旧するようです。一番被害が大きかった鉄橋の流出ですが、10億円以上かかるとみられていた全面架け替えまではいらないようで、流出した鉄橋や橋脚を修復すれば運行が可能なのです。
大きいのは、国の起債制度が活用できるようになったことです。鉄道軌道整備法では、自然災害からの復旧にかかった費用は、鉄道事業者が1/2、国と地方が1/4ずつ負担します。信楽高原鐵道は上下分離をしていますので、甲賀市は最大3/4を負担しなければなりません。嘉田滋賀県知事や中嶋甲賀市長は国に国庫補助率の引き上げを求めました。
しかし国も単純に国庫補助金の引き上げをするわけにはいきません。そこで、従来、道路や河川などの社会基盤を対象にした災害復旧事業債を活用することになりました。11月末までに上下分離で運営する鉄道も対象に加えることになったのです。全国初の事例のようです。この方法を使えば、甲賀市が発行した災害復旧事業債については後で、地方交付税で95%が補充されるようになります。たとえ10億円かかるものでも、実質的な負担は4000万円程度で済みます。
甲賀市は復旧にかかる全体の事業費の把握を急ぎ、国や滋賀県と協議を進めていきます。
(追記1)
信楽高原鐵道の復旧費は7億円程度と見積もられています。内訳は、杣川鉄橋の復旧が3億円、のり面や別の鉄橋の補強が3億円、これまでの設計・調査費などが1億円です。国の査定の結果で補助額は変わりますが、甲賀市の負担額は2000万円~1億円となり、財政的にも負担できると判断しました。2014年1月に開かれる臨時市議会で必要な予算措置を講じます。
信楽高原鐵道の運転再開は2014年12月の予定です。
(追記2)
甲賀市は信楽高原鐵道を2014年11月29日に運転再開させることを発表しました。当初の予定から少し早くなったのです。総事業費は5.9億円で、国や滋賀県の補助を除いた甲賀市の実質的な負担は約4000万円となる見通しです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shiga/news/20131203-OYT8T01284.htm、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20131226/CK2013122602000007.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140821/shg14082102060003-n1.htm)
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