銚子電鉄、10年間にわたる経営改善計画を策定
自主再建を断念し、経営立て直しに取り組んでいる銚子電鉄が、千葉県中小企業再生支援協議会の支援を受けて、2014年度から10年間にわたる経営改善計画をつくりました。
計画では、保有車両を現在の4編成から2015年度に3編成に減らし(3編成あれば、1時間に1本の運転は可能です)、運転士も2014年に5人から4人に減らします。給与制度の見直しも行い、人件費を年間300万円削減します。昔からいる取締役2人に退陣を求め、前社長名義の株式を消却するなどして経営の刷新を行います。
収益源はまたもやぬれせんべい。この経営改善計画を承認したメインバンクから1億円の融資を受け、その一部で新工場を建設します。これにより、現在年間約3.6億円のせんべい収入ですが、さらに5000万円の売上増を狙います。一層、鉄道業から菓子製造販売業にシフトするのです。
運賃も値上げします。銚子電鉄は1997年以来値上げをしていませんが、電気代の上昇や消費税率の引き上げのため、2014年6月までに値上げを行います。現在150円の初乗りは170~180円、銚子-外川間の全線は310円から350~360円に値上げするようです。そのほか企画切符や貸切列車のPRを行い、現在年間約8700万円の鉄道収入を東日本大震災前の1.3億円程度に改善させます。
また、2014年度からの10年間に約8億円の設備投資が必要となります。車両の更新、レールや信号機の改修、変電装置の交換を行います。銚子電鉄だけでは払うことができず、国、千葉県、銚子市に補助を求めます。負担割合は国が1/3、千葉県と銚子市がそれぞれ1/6、銚子電鉄が1/3です。千葉県と銚子市には総額で約1.1億円の支援を求めることになりますが、2014年度の補助額は千葉県と銚子市ともに865万円ずつです。
ただし、銚子市の財政事情はかなり厳しいのです。2013年度決算で赤字になることが見込まれ、大盤振る舞いはできません。市長や市議会などは銚子電鉄は重要な観光資源なので、支援には前向きですが(年明けには方針を決めます)、市行財政改革審議会長の伊永<これなが>千葉科学大副学長は、厳しい見方をしています。一方、千葉県は経営合理化を行うか否かで銚子電鉄に補助するかどうかを決めるということです。
なお、現在社長を務めている竹本氏は、株主総会が開かれる2014年6月に社長を退任します。
(参考:東京新聞ホームページ http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20131221/CK2013122102000131.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/20131227/CK2013122702000126.html、千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/news/local/171700)
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