長野のハイブリッドディーゼルカーに乗る(2013年年末旅(3))
乗り換えるのが面倒なので千葉から総武線に乗ったが、この時間帯の総武線は御茶ノ水止まり。御茶ノ水で向かいの中央線各駅停車に乗り換える。
今晩の宿は「ムーンライト信州81号」、新宿から白馬への片道だけの列車だ。新宿発は23:54。中央線特急ホームに行き、列車が来るのを待つ。発車20分ほど前に「ムーンライト信州81号」がやってきた。189系6両編成、「あさま」色である。全車指定席で指定券は売り切れている。ほかの線からの接続を取って、日付が変わってから出発。
気がつくと、満席のはずだった車内がかなり空いている。隣の人もいつの間にかいなくなった。信濃大町でその残っていた客が降りる。信濃大町から大糸線で北に向かうのだろう。ふと駅を見ると、自動改札機がある。「Suica」が導入されるわけではないが、首都圏からの利用者のためという目的のほか、高校生の定期券のチェックという目的もあるだろう。終点の白馬に到着。ここで降りた客も大半が大糸線で北を目指すのだろう。南小谷まではともかく、キハ120が走る南小谷以北はこの鉄道ファンを乗せることができるのだろうか?
「ムーンライトながら」で一緒だった友人も「ムーンライト信州」に乗っていたので、その友人がさらに列車を乗り継ぐまでの間、待合室で話をして過ごす。友人が信濃大町行きの列車に乗った後(途中で折り返して糸魚川方面に行くようだ)、駅前を歩いてみる。外はまだ暗いが、そば屋はすでに営業している。立ち食いそばではない、本格的な店だ。もっと早く気づいていたら、ここで朝御飯にしたかもしれない。駅の隣で湯気が立っているところがあった。足湯があるのだ。無料で使えるので、入ることにする。
そうこうするうちにバスが発車する時間(6:30)になった。白馬からまっすぐ長野に向かうバスだ。鉄道だと三角形の二辺をたどるように遠回りするのだが、バスはまっすぐ結ぶ(オリンピック道路経由)。長野新幹線開業以来、重要性が高まったルートだ。バスが駅前のロータリーにやってきた。2階建みたいなハイデッカー構造で、白馬駅前から乗った数人と合わせると、十人余りがバスに乗っている。外国人の姿も見られる。バスの切符は白馬駅で買ったが(案内は英語で書かれていた)、乗るときに現金で払ってもよい。1500円だ。
バスは発車した。いったん南のほうに向かって走る。西側にはスキー場の明かりも見える。神城のあたりから東に向かい、山に入る。白馬エリアを出たらノンストップかと思ったら、途中2か所で乗降ができる。美麻ぽかぽからんどと千見だ。このうち千見からひとり乗ってきた。トンネルだけの白馬長野有料道路を通り抜け、バスは長野駅の東口に7:30のほぼ定刻に着いた。
次に乗る「リゾートビューふるさと」の発車まで1時間半ほどあるので、少し列車に乗る。2015年の北陸新幹線金沢開業によりJRから分離される信越線だ。しなの鉄道北しなの線になる。ちょうど次の列車が長野8:12発「妙高1号」なので、それに乗る。名前のついている列車だが、終点の直江津まで通過駅がひとつもない各駅停車。ただ、新幹線からの乗り継ぎ客を狙ってか、189系車両が使われ(「あさま」色)、6両中1両が指定席である。さすがに新幹線が開業して第三セクターになると、このような長編成の列車は廃止されるだろう。新幹線が到着したのか、発車時間が近づくと乗る客が増える。座席の半分ぐらいが埋まった格好か?
「妙高1号」は走り出した。長野新幹線の回送線と並行する。北陸新幹線の開業後はここに北陸新幹線が走るのだ。北長野のあたりでは首都圏を追われた205系(埼京線用)や211系が停まっていた。改造されてどこかのローカル線か海外で「第二の車生」を過ごすのか、それとも廃車になってしまうのか? 豊野で折り返す。帰りは飯山線からのディーゼルカーだ。
長野からはハイブリッドディーゼルカーの「リゾートビューふるさと」、松本経由の南小谷行き。観光列車だから成り立つルートで、遠回りのため実用的ではない。HB−E300系は新青森で見たが、実際に乗るのは初めてだ(ハイブリッドディーゼルカーそのものは、小海線で乗っている)。2両編成の列車は発車した。客はパラパラとしか乗っていない。ハイブリッドとは言え、ディーゼルなので、うるさくはないがディーゼルエンジンの音はする。モーターと併用しているのだ。
「リゾートビューふるさと」に使われているHB−E300系は、座席が少しかさ上げされていて、窓が大きい。景色がよく見えるようになっている。さらに、運転室の後ろにはちょっとしたスペースがある。前方も左右も、こちらのほうがよく見える。稲荷山を過ぎると坂を登っていく。どんどん高度を上げ、眼下に善光寺平が見えてくる。
列車はスイッチバックで駅に入った。姨捨だ。姨捨は通過するならスイッチバックせずにまっすぐ進めばよいが、停車する列車は必ずスイッチバックしなければならない。駅からは日本三大車窓と言われる姨捨の光景をここでじっくりと見ることができる。松本方面からの普通が駅に入って、スイッチバックで長野方面に出ていった。
ダイヤ通りでも姨捨で下車して写真撮影などをする時間は十分にあるが、反対側の「しなの1号」が遅れているようだ。さらに姨捨の停車時間が伸びる。「しなの1号」の通過を待って10分近く遅れて発車。松本に向かって再び走り出す。車内販売があったのでアイスクリームを買う。後の接続が気になったが、松本には3分遅れで済んだ。
松本から塩尻までは普通列車でつなぐ。松本10:40発の高尾行き。115系の6両固定編成。いくら高尾まで行くとは言え、昼間に6両編成の普通が走るのは意外だ。大糸線の接続を待って5分ほど遅れて出発。
塩尻では別料金で「しなの8号」。高尾行きの普通列車では接続時間が短いということで急かされたが、特急も遅れて来たため、駅弁(「山菜釜めし」)を買う時間は十分あった。中央線、篠ノ井線は単線区間が多く、名古屋に着くまで乗った列車はことごとく数分遅れて走ることになる。「しなの8号」は振り子式の特急らしくカーブの多い線路もスムーズに走り抜け、30分弱で次の停車駅、木曽福島に着いた。
「しなの8号」は途中で普通列車を追い越していた。木曽福島からはこの普通列車に乗ることにする。実はこの列車、松本を「リゾートビューふるさと」が着く5分前の10:24に出ている(今回は先ほど書いたように、「リゾートビューふるさと」は3分遅れで松本に着いたが、ダイヤ上では松本に10:29に着くことになっていた)。別料金を払って特急に乗るのはもったいないような気もするが、中央線の普通は少ない。次の普通は2時間以上後なので、1370円払ってワープするだけの価値はある。さてその普通列車、313系の2両編成。転換クロスシートなので(少し前までは313系でもボックスシートだったが置き換えられた)、中央線名古屋口で見かける車両と同じタイプ。普段乗る車両と同じで、旅情は感じられないが、名古屋のと共用できるという意味では実用的である。座席は埋まっていて、「青春18きっぷ」の利用者が多いのか、終点の中津川まで立ち通し。後ろの車両に乗ったが、途中の上松、南木曽、坂下の3駅が無人化されたので、中津川まで扉が開くことはなかった。
中津川で最終ランナーの快速に乗り換え。塩尻で買った駅弁を食べたかったので、横にロングシートの211系が見えたときは焦ったが、前に転換クロスシートの313系があったので安心。転換クロスシートを確保し、駅弁を食べながら、今回の旅を振り返った。
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