三陸鉄道、4月6日に全線復旧!
三陸鉄道の全線での運転再開日が決まりました。
運転再開日は南リアス線が4月5日(吉浜-釜石間15キロが復旧します)、北リアス線が4月6日(小本-田野畑間10.5キロが復旧します)です。以前に記事にした2014年4月に復旧することになります。東日本大震災から3年ほどで復旧することになります。
三陸鉄道は東日本大震災により317か所が被災しました。復旧に要した費用は約92億円です。当初の予定は約180億円でしたので、約半額です。費用が大幅に減った理由は、沿線市町村や自衛隊の協力でがれきの撤去にお金がかからなかったこと、資材費や人件費が高騰する前に復旧工事が進んだこと、ゼネコンも想定より安値で受注してくれたことです。復旧費用は全額国が負担します。
運行再開後の運転本数は以前にも書いたとおり、南リアス線盛-釜石間が9往復(現在は盛-吉浜間で7往復)、北リアス線宮古-久慈間が11往復(ほかに区間運転あり。現在、宮古-小本間で7往復、田野畑-久慈間で10往復)です。現状よりは増えますが、震災前よりは少ないです。厳しい現状をうかがわせます。当然ながら南北リアス線に挟まれたJR東日本の山田線はつながっていません。三陸鉄道の望月社長はJRも復旧することを求めていますが(山田線が鉄路として復旧しないと、約3000~4000万円の減収となるようです。震災前の運賃収入の約1割に当たります。山田線が鉄路として復旧しないと、夏に期間限定で仙台-八戸間(三陸経由)を走る「リアス・シーライナー」は運転できません)、三陸鉄道とは違って(いくらか補助があるとはいえ)自前でやらないといけないですし、再開しても赤字疑いなしなので、正直言って厳しいです。JR東日本から買い取って三陸鉄道が運営したほうが話は早いかもしれません。赤字でも岩手県や沿線自治体からの損失補てんが見込めますから。
これまた以前に書きましたが、全線復旧に合わせて新たに5両の使用を開始します。昨年、南リアス線の運転再開に合わせて導入した車両と同じように、クウェート国からの震災復興の支援の一部を活用したものです。新車両は3月20日ごろに納入される予定です。
まずひとつは、新型お座敷車両(36-Z1形)1両、北リアス線で企画列車、団体貸切列車として使用します。「Z」はお座敷(「OZASHIKI」)から来ています。このお座敷車両のテーマは「三陸の技 まるごと博物館」、岩手の古民家のイメージでまとめています。愛称は後日公募する予定です。ふたつ目は、新レトロ車両(36-R3形)1両、今現在あるレトロ調車両と同型ですが、色やデザインを一部変更しています。「R」はレトロ(「RETRO」)から来ています。南リアス線で休日などに定期列車として運転するほか、団体貸切列車として使用します。のこり3両は新一般型車両(36-700形)です。北リアス線の老朽化した車両の置き換え用です。南リアス線で使用中の車両と同じものです。なお、新型お座敷車両はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でも使われた「お座敷列車北三陸号」の後継ですが、今年引退予定だった「お座敷列車北三陸号」も1年程度は走ります。
また、運転再開に伴い、運転再開記念式典等が開催され、記念乗車券が発売されます。
(追記1)
新型お座敷車両の愛称は公募の結果、「さんりくはまかぜ」に決まりました。「さんりくはまかぜ」は4月6日に全線運行開始記念列車として運転を開始し、4月26日から「お座敷列車北三陸号」としてレトロ調車両「さんりくしおさい」と連結して運転されます。
(追記2)
南リアス線を走る新しいレトロ車両は、紫色をしています。車内はソファ型でテーブルのついたボックス席が12席並んでいます。通常より座席の間隔が約10センチ広くなっています。車内の照明はLEDシャンデリアで、宴会にも使えるようにカラオケや配膳棚もあります。
(参考:三陸鉄道ホームページ http://www.sanrikutetsudou.com/2014/01/%e4%b8%89%e9%99%b8%e9%89%84%e9%81%93%e5%85%a8%e7%b7%9a%e9%81%8b%e8%bb%a2%e5%86%8d%e9%96%8b%e7%ad%89%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6.html、http://www.sanrikutetsudou.com/2014/03/%E4%B8%89%E9%99%B8%E9%89%84%E9%81%93%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%81%8A%E5%BA%A7%E6%95%B7%E8%BB%8A%E4%B8%A1%E6%84%9B%E7%A7%B0%E6%B1%BA%E5%AE%9A%EF%BC%81.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140127/biz14012720520027-n1.htm、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/20140128t35019.htm、http://www.kahoku.co.jp/news/2014/01/20140128t32004.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20140127-OYT8T01402.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG3R3W61G3RUJUB005.html、「鉄道ジャーナル」2014年6月号 鉄道ジャーナル社)
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