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February 2014

大阪バス、1月14日から大幅に縮小、「高松特急ニュースター号」は運行休止

 かなり遅くなりましたが、備忘録として書きます。

 大阪などから東京、名古屋、高松、高知方面に運行している大阪バス「ニュースター号」ですが、1月14日から大幅な減便を伴うダイヤ改正を行っています。

 東京方面への「東京特急ニュースター号」については、1月14日から2往復中1往復が休日等特定日のみの運行となります。名古屋方面への「名古屋特急ニュースター号」については、1月14日から休日等特定日のみ最大4往復運行となります。高知方面への「高知特急ニュースター号」については、休日等特定日のみ1往復運行となります。そして、高松方面への「高松特急ニュースター号」については、1月14日から休日等特定日のみ1往復運行になったのち、2月1日から運行を休止します。なお、京都方面への「京都特急ニュースター号」については変わりません。

 大阪バスはもともとツアーバスとして新規参入した会社ではないのですが、新しい業者であることから、ダイヤ改正の激しいところです。東大阪-京都間という小さいながらもある程度需要を独占できる「京都特急ニュースター号」を除いては、他社との競争が激しかったのでしょうか?

(追記1)
 また、大阪バス「ニュースター号」は、4月1日にもダイヤ改正を行うようです。

(追記2)
 「高知特急ニュースター号」も、5月8日から運行を休止しました。
(参考:大阪バスホームページ http://www.osakabus.jp/2013/12/326114.html、http://www.osakabus.jp/2014/01/20140127.html、http://www.osakabus.jp/2014/03/post-8.html、http://www.osakabus.jp/2014/04/post-18.html)

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JR東海、2015年春から時速285キロ運転

 以前に書いた記事の続報です。

 JR東海はこれまで試験車両を用いた確認試験を行ってきました。このほど必要な試験を終え、車両や設備の安全性、沿線環境、乗り心地などの面で良好なデータを得ることができたため、鉄道事業法に基づいて、最高速度の向上に関する事業基本計画変更の認可申請を国交省に対して行いました。

 予定では、2015年春から東海道新幹線でも最高速度が時速285キロとなります。東海道新幹線の速度が上がるのは、1992年に「のぞみ」が登場し時速270キロ運転が始まって以来のことですから、23年ぶりです。この速度引き上げにより東京-新大阪間は2~3分短縮され、2時間22分程度で結ばれる見込みです。時速285キロを出すのはN700A及び改造されたN700系です。車体を傾斜させてカーブでも速度を落とさずに走る車両が導入されたので、最高速度の引き上げができるようになったのです。2015年春の時点では、おおよそ毎時1本が時速285キロ運転をしますが、車両更新と改造工事の進展に合わせて、段階的に拡大するようです。また最高速度引き上げにより、列車が遅れたときには遅れを取り戻すこともできるようです。遅れがあるときはこっそりと時速285キロ運転をするのもあるのかもしれません。

(追記)
 これまでN700系は、半径2500メートルのカーブでのみ車体を傾斜させてきましたが、最高速度を向上させるため、半径3000メートルから4500メートルのカーブでも車体傾斜装置を使うことになりました。半径2500メートルのカーブは時速275キロで、半径3000メートル以上なら時速285キロで走ることができます。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/nws001382.html、NHKホームページ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140227/k10015581091000.html、乗りものニュース http://trafficnews.jp/post/38243/)

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札幌市交通局の路面電車、上下分離方式へ

 新車が入り、わずかながら路線も伸びる札幌市交通局の路面電車、しかし経営は厳しいようです。2012年度は2850万円余りの赤字となり、8年連続の赤字決算となっています。累積欠損金は1.07億円です。

 そこで札幌市は将来にわたって路面電車を存続させるため、どのような経営形態が適切か検討を続けてきましたが(車両の運行の民間委託、完全運営化、上下分離の3案がありました)、このほど考えがまとまったようです。21日の札幌市議会で上田市長が発言したところによれば、路面電車の経営を、軌道や車両は札幌市が管理し、経営は民間が担う上下分離方式にするようです。完全民営化は軌道や車両の老朽化で更新や改修に多額の経費がかかることから、実現可能性は低いとしています。

 札幌市は今後、安全に運行するためのノウハウを継承することなど、路面電車を運行する業者の条件を検討し、民間での運行を実現したい意向です。国に対しては経営形態の変更について特許(認可)を申請します。上下分離は2018年以降を予定しています。

(追記)
 札幌の路面電車の上下分離は2020年度に行う予定です。市営地下鉄の駅の管理業務などを行っている一般財団法人札幌市交通事業振興公社に委託します。実は路面電車の運転士は、1年契約の非常勤職員が大半です。40代以下は全員が非常勤職員です。非常勤職員だとほかの交通事業者に移る危険性もあります。そこで人件費をあまりかけずに正職員化する方法として、公社を使う方法が浮上したのです。なお、正職員となっている運転士は、身分を保持したまま公社に出向するというかたちを取ります。
(参考:NHKホームページ http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20140221/5391441.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG2P641FG2PIIPE02H.html、北海道新聞ホームぺージ https://www.hokkaido-np.co.jp/article/240559、https://www.hokkaido-np.co.jp/article/240926)

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気仙沼線に電気BRT車両

 気仙沼線と大船渡線のBRTについての話題をいくつか。まずは車両から。

 気仙沼線には、国交省「地域交通グリーン化事業」の支援を受け、環境負荷の小さい電気BRT車両を1両導入します。充電式リチウムイオン電池を搭載し、電気によりモーターを回転させて走行するもので、本吉-気仙沼線21.5キロを1回の充電(36分で充電します)で走行します。20キロを超えて電気で運行する定期路線バスの事例は珍しいようです。屋根上には太陽光パネルを設置し、車内照明やUSB充電用に使用します(車内にはモバイル充電用USBコンセントを設置します)。また、災害時には100ボルト電源の供給が可能なコンセントを5口装備しています。外装デザインはBRTをイメージする赤をベースにしていますが、エコをイメージする緑を入れ、EVであることを示すため、電池のデザインも施しています。内装はエコをイメージするため緑をシートの色に採用しています。定員は運転士を含めて49人、うち座席は20席です。営業運転を行いながら、将来の本格的導入に向けて、様々な技術的課題の検証を行います。

 そして、乗車することが目的となる、乗って楽しい観光型BRT車両を、気仙沼線(柳津-気仙沼間)と大船渡線(気仙沼-盛間)に1両ずつ導入します。車両はBRT暫定運行時のものを再利用しています。デザインはそれぞれ違い、気仙沼線は「おでかけ『旅』」を、大船渡線は「三陸の『海』」をテーマにしています。気仙沼線の外装デザインは山々の緑色を基調とし、沿線で目に入る魚や植物などをパッチワーク柄にまとめ、ピクニックのような楽しさを感じることができるようにしています。内装デザインは床を芝生をイメージする緑とし、シートはピクニックシートのようなカラフルな色、バスでは珍しいボックスシートもあります。大船渡線の外装デザインは三陸の海をイメージした濃い青色を基調に、白波を想像させる白、BRTの赤を入れています。海沿いの岩、鳥、魚をモチーフに加えています。内装デザインは海の青をベースカラーに、海をイメージさせる岩や船、鳥や魚のデザインを取り入れたシートを配置しています。車窓が目の前に迫る窓向きシートも採用します。そのほか、大きな眺望を確保するための大きな窓、車両の特徴や沿線の観光情報を紹介するための車内のモニターやパンフレットの設置、また臨場感ある映像をモニターで放映するための運転席に設置したビューカメラがあります。

 電気BRT車両、観光型BRT車両の運行開始日及びダイヤは未定ですが、電気BRT車両は2月28日に納車され、3月上旬から走行試験及び試運転等を行う予定です。JR東日本は、電気BRT車両の運行状況を見ながら、大船渡線などほかの路線にも導入するかを検討します。

 車両以外にも変更点があります。JRのダイヤが変わる3月15日からBRTもダイヤ改正を行います。気仙沼線は夕方に本吉発気仙沼行き1本を増発するほか(本吉19:21発、平日のみ)、大船渡線列車のダイヤ改正に合わせて、気仙沼発本吉行き最終BRTなどを繰り下げます。志津川行き最終は気仙沼発19:55(従来より10分繰り下げ)、本吉行き最終は気仙沼発21:10(従来より25分繰り下げ)です。大船渡線BRTも、大船渡線列車のダイヤ改正に合わせ、時刻を変更します。盛行き最終は気仙沼発21:59(従来より30分繰り下げ)です。このほか陸前矢作-陸前高田間について、陸前矢作行きが1本増え20本となりますが、盛方面行は1本減って18本となります。

 4月1日からは消費税率引き上げ等に伴い、運賃も値上げされます。柳津-気仙沼間1140円、気仙沼-盛間840円などです。これまで、碁石海岸口駅の運賃については、外方の隣接駅を基準とした運賃を適用してきましたが、同日から同駅発着の新たな運賃を適用します。碁石海岸口を発着する乗車券類(乗車券、回数券、定期券)は、4月1日から発売されます。

 陸前高田市からの要望を受け、2013年7月から11月まで臨時停車していた奇跡の一本松駅への停車も再開します。3月1日から当分の間、停車します。奇跡の一本松駅は、運賃計算上、陸前矢作-竹駒間に設置された駅とし、外方の隣接駅を基準とした運賃を支払います。すなわち、気仙沼方面からは竹駒までの運賃を、陸前高田、盛方面からは陸前矢作までの運賃を支払います。

 そのほか、年度末及び年度初は定期券の購入で窓口の混雑が予想されるため、3月1日から4月10日の間に新規に購入される場合に限り、定期券の発売日を14日前からとします。BRTと鉄道線を乗り継ぐ定期券も同様です。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1392950749_1.pdf、http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1392885866_1.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG2P4FJ6G2PUNHB00G.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20140226-OYT8T01461.htm)

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E3系「こまち」型車両は残った

 2014年3月ダイヤ改正の時刻表が発売され、新たな事実が判明しました。

 これまで秋田新幹線「こまち」用の車両として使われてきたE3系ですが、このダイヤ改正で新型に置き換えられてしまいます。E3系「こまち」型車両もこれで引退するのではないかと思われましたが、そうではないようです。ダイヤ改正以降もE3系「こまち」型車両は残るのです。

 E3系「こまち」型車両が走るのは、「やまびこ」2往復と「なすの」2往復、いずれもE5系とセットで走ります。いつまで残るのかわかりませんので(一部は「つばさ」用に改造されます)、乗りたい人は早めに乗っておいたほうがよさそうです。

(追記1)
 秋田新幹線用のE3系は23編成がつくられましたが、4編成は外装や車内設備を改良して山形新幹線用に転用し、一部は外装を変えずに東京-盛岡間で「やまびこ」「なすの」として運行します。

(追記2)
 山形新幹線用に改造されるのは秋田新幹線用E3系のR23~26編成。秋田新幹線2編成で山形新幹線1編成をつくります。1編成から先頭車を含む5両(4M1T)、もう1編成から中間車2両(1M1T)を取り出し、山形新幹線用の7両編成(5M2T)をつくります。2014年度中に行い、山形新幹線のL51、L52編成を置き換えます。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG3C7S12G3CUBUB01J.html、「鉄道ファン」2014年8月号 交友社)

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山田線の無償譲渡を地元拒否

 東日本大震災以降運休したままの山田線について、三陸鉄道に運行を移管するがありますが、雲行きが怪しくなっています。JR東日本は11日の沿線4市町の首長会議で、軌道など地上設備と用地を自治体に無償譲渡する案を提示していましたが、岩手県、沿線4市町、三陸鉄道は21日、JR東日本に対して、設備や用地の保有継続などを求める7項目の統一要求を出しました。軌道などの維持管理や設備更新に多額の費用がかかるからです。当たり前のことですが、自治体が自ら保有するので、これまでJR東日本から入ってきた固定資産税が入らなくなります。

 また、JR東日本は10年間で生じる赤字(5億円)を一括して一時金というかたちで補てんする案も示していますが、それについても、持続的に鉄路を維持するため、さらなる延長を要求しています。赤字想定額の算出根拠となる費用の開示を求めています。三陸鉄道に移管された場合には、運賃の上昇や自治体の負担増が見込まれます。それについてもJR東日本の負担を求めています。一定期間JRの運賃と同じにするための補てん、三陸鉄道が運行することに伴う沿線自治体負担分の肩代わりを求めています。

 はっきり言って、地元の要求は、(とても鉄路を維持しないといけないレベルとは言えない)山田線の現状を見ていない過大な要求でしょう。山田線は利用者がバスでも対応できるレベルの利用者の少ない路線であり、しかも将来の望みはありません。宮古-釜石間の1日平均利用者はJR東日本が発足した1987年は1719人でしたが、2010年は693人と4割にまで減少しています。JR東日本が140億円をかけて原状復帰をしてくれるだけでもありがたい話です。JR東日本は何の収入にもならない金を出しているのです。口悪く言えば、140億ものお金を捨てるわけです。

 そこまで過大な要求をされるのなら、JR東日本が運営できるよう、BRTにすればいいでしょう。地元自治体は拒否し続けていますが、それなりに速く評価できる交通機関です。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140222t35008.htm、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140222/iwt14022203150001-n1.htm、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140221_2、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20140221-OYT8T01460.htm、毎日jp http://mainichi.jp/feature/20110311/news/20140202k0000m040025000c.html)

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長野電鉄、定期特急の1両貸切サービスを開始

 長野電鉄でも、ほかの鉄道会社と同じように、貸切列車を運行することができますが、3月1日から定期運行の特急列車の一部だけを貸し切ることもできます。

 対象となるのは、毎日運行しているA特急列車、5往復。長野-湯田中間のみの貸切で、途中駅での乗降には対応していません。貸切ができるのは、1000系「ゆけむり」が一番前の先頭車両(座席定員46人、うち展望席14人)、2100系「スノーモンキー」が個室のある1号車(座席定員44人、うち個室4人)です。料金は、「ゆけむり」「スノーモンキー」いずれの場合でも40000円です。

 申し込みは原則として7日前までにFAXで申し込みます。貸切料金は事前に振り込むか、当日現金で払います。クレジットカードでの支払いはできません。キャンセルした場合は、キャンセル料がかかる場合があります。また、車内に飲食物の持ち込みは可能で、別途料金で弁当の手配をすることもできます。

 当然ながら、貸切となった場合は、一般の乗客はそれ以外の車両に乗ることになります。
(参考:長野電鉄ホームページ http://www.nagaden-net.co.jp/webstation/kashikiri.html#20140214_2)

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JR東日本など5社、新規の定期券を14日前から購入可能に

 JR西日本は新規、継続の定期券ともに利用開始日の14日前から購入することができます。しかし、それ以外のJR5社は継続定期券は利用開始日の14日前から購入できるものの、新規の定期券は利用開始日の7日前からしか購入できません。

 ところが、JR東日本など残るJR5社も、新規の定期券を利用開始日の14日前から購入することができるようにします。4月1日から有効の定期券は、これまで3月25日からしか購入することができなかったのですが、これからは3月18日から購入できるようになります。これまでのケースなら4月8日~14日利用開始分の定期券でも、3月中に買うことができます。

 4月1日から消費税率が上がり、多くの鉄道会社で運賃や定期券などの値段が上がります。JR東日本の場合、定期券は2.68%、それ以外の運賃や料金は2.96%上がります。しかし、4月以降に使う切符であっても、3月までに購入すれば、値上げ前の値段で購入することができます。値上げ前の3月末は定期券やゴールデンウィーク期間中の乗車券等を買い求める人で窓口が混雑するとみられています。窓口の人員を増やすなどの対策をとるようですが、それでも窓口が混むということは考えられるようです。
(参考:朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://www.asahi.com/articles/ASG2N52ZXG2NULFA028.html)

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山陰線園部-綾部間の複線化、JR西日本に負担求めず

 京都府にあるJR西日本の路線は複線化が遅れていましたが、徐々に進みつつあります。奈良線の一部が複線化され、嵯峨野線(山陰線京都-園部間)も複線化されました。

 複線化は、JR西日本が全額お金を出して行われているのではありません。京都府や沿線自治体もお金を出しています。2001年3月に完了した奈良線1期工事ではJR西日本の負担は1/2、2010年3月に完了した嵯峨野線京都-園部間ではJR西日本の負担は1/3~1/2だけです。残りは京都府や沿線自治体が出しています。しかし、今年度始まった奈良線2期工事(JR藤森-宇治、新田-城陽、山城多賀-玉水間合計14キロの複線化)では、採算性が低いため、JR西日本の負担は1/4になっています。

 前置きが長くなりました。京都府は山陰線園部-綾部間(約42キロ)を複線化する構想を持っています。実際に着手するのは奈良線2期工事が完了する2022年度以降になりますが、距離がある分費用も掛かり、少なくとも840億円が必要とされています。本来ならJR西日本も一定の負担をするべきところでしょうが、山田京都府知事は18日の京都府議会一般質問で、JR西日本に負担を求めないことを表明しています。採算が悪くJR西日本の負担が見込めないためです。その代わり、複線化の費用負担を国にも求めるとしています。国に複線化の費用負担制度の構築を促し、事業費の確保を目指します。

 国も一定の割合で複線化の費用を負担してもらうという考えは妥当でしょうが、山陰線がそれに値するのかは難しいところです。山陰線園部-綾部間の利用者は奈良線の1/15にとどまり(それが故にJR西日本には負担を求めることができないのです)、特急と普通が1時間に1本ずつ走るだけの路線です。大都市近郊なら普通列車の利用者にも配慮しないといけませんが、ローカル区間のため、そのような配慮も特に必要ありません。山陰線が複線化されるに越したことはありませんが、それよりも複線化が急がれる路線はたくさんあります。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20140218000156)

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明知鉄道のSLがリニア駅に乗り入れる?

 17日、リニア中央新幹線の活用策を検討する「リニア中央新幹線活用戦略研究会」が岐阜県庁で開かれました。ここで出てきたのが、明知鉄道から(リニア中間駅に近い)中央線美乃坂本駅まで直通させる案です。明知鉄道は恵那駅で中央線と接続していますが、線路はつながっていません。そこで新たにポイントを入れ、線路をつなげます。明智駅近くにある日本大正村などへの誘客を狙います。

 明知鉄道については、地元住民団体が蒸気機関車を走らせる計画を立てています。この蒸気機関車も、中央線美乃坂本駅に乗り入れることを考えているようです。JR東海をどうやって説得するかは課題ですが。

 今回の研究会で出てきた活用案はほかにも、リニアの走行を鑑賞できる公園の整備、車両基地の一般公開をJR東海に求めること、岐阜駅-美乃坂本駅間の直通列車の運行(岐阜市から中津川のリニア駅を使う需要がどれぐらいあるのでしょうか?)、リニア駅からのバスネットワークの整備などがあります。リニアの走行を鑑賞できる公園は中津川市のリニア車両基地近くに設けられます。リニアはほとんどがトンネルの中を走り、地上部分も大半が防音壁で覆われます。(高速走行しないため防音壁で覆う必要のない)基地への引き込み線ぐらいしかリニアを見ることができないのです。今後、パブリックコメントを経て、3月末までに正式決定されます。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20140217-OYT8T01560.htm、Sponichi Annex http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/02/17/kiji/K20140217007609860.html、岐阜新聞ホームページ http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20140218/201402180944_21990.shtml)

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Peach、自己都合でキャンセルしても航空券代金が戻る保険サービスを開始

 JALやANAなどの大手の航空会社では、何らかの事情で予約をキャンセルした場合、手数料を差し引かれてお金が戻ってきます。しかし、LLCだとキャンセルしても原則としてお金が戻ってきません。

 ところが、Peachはそういう場合でも、航空券代金全額を払い戻す保険サービスを始めました。国内の航空会社では初めてのサービスです。その名前は「Peachチケットガード」、東京海上ホールディングスグループの保険会社、チケットガード少額短期保険が提供する少額短期保険の枠組みを活用しています。国内に住む個人客が対象で、国内空港を出発するすべての路線で使えます。離陸後のキャンセルにも対応します。航空券を購入してから7日以内にPeachのホームページで申し込みます。保険料は航空料金の1割程度で、航空料金が5000円の場合、保険料は560円です。なお、審査のため、医療機関の診断書や遅延証明書が必要となります。

 この「Peachチケットガード」で払い戻しが認められる理由としては、本人や家族の病気、けがによる入院、通院、本人の急な宿泊出張、空港に向かう交通機関の遅延、本人や親族の死亡など。同行者がこれらの事情で行くことができなかったときも、払い戻しの対象となります。

 どうしてもLCCは本数が少なく、急なキャンセルにも対応できなかったので、ビジネスには使いづらいです。依然としてタイトなスケジュールのため、遅延が生じるリスクが高いという側面はありますが、予定変更に柔軟に対応することができるサービスの導入を通じて観光客以外にも使ってもらおうとしているようです。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG2G554NG2GPLFA00B.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140215/wec14021509400004-n1.htm、Peachチケットガードホームページ https://www.tgssi.jp/portal/peach.html?landing_page)

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つくばエクスプレス、守谷駅改良

 つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道は、さらなる安定輸送の確保と利便性向上を図ることを目的に、守谷駅と総合基地を結ぶ入出庫線の複線化及び守谷駅の追越設備新設工事を行います。まずは守谷駅と総合基地を結ぶ入出庫線の複線化から。

 守谷駅と総合基地を結ぶ入出庫線(約1.4キロ)は単線となっています。もしこの区間で車両故障等が発生した場合、総合基地から列車の入出庫ができなくなり、大規模な運休等につながる恐れがあります。そこで、この入出庫線を複線化することで、大規模な運休等の発生の可能性を減らすことにしました。2013年度から2015年度にかけて土木工事、2015年度から2016年度に軌道、電気工事、2016年度に線路切替工事を行い、2017年度に供用開始する予定です。

 また、守谷駅は2面4線の駅ですが、快速が普通を追い越すことができません。内側の副本線からは入出庫線につながるだけです。つくばエクスプレス全20駅のうち、追越設備があるのは、八潮、流山おおたかの森の2駅のみです。そこで、守谷駅も渡り線を挿入することにより、追越設備を新設します。乗り換えを含めた所要時間の短縮や運転間隔の均等化が可能となります。2013年度から2014年度にかけて土木工事、2014年度から2016年度に軌道、電気工事、2016年度に線路切替工事を行い、2017年度に供用開始する予定です。

(追記)
 2017年3月19日から入出庫線が複線になります。
(参考:つくばエクスプレスホームページ http://www.mir.co.jp/company/release/2014/post_27.html、http://www.mir.co.jp/company/release/2017/29319.html)

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JR四国の定期券を持っている人、2440円で全線乗り放題!

 JR四国の定期券を持っている人に大きなプレゼントです。JR四国は、定期券を持っている人を対象に、便利でお得な特別企画乗車券「定期券de乗り放題きっぷ」を2月15日から発売しました。

 このきっぷは、利用日(3月15日または16日)において有効なJR四国の定期券(他社とまたがるもの、特急用定期券「快てーき」を含みます)を持っている人が(値段の制限はないようですので、極端なことを言えば初乗り区間でもいいようです)、利用日の1か月前から前日までに購入すれば(当日は購入不可)、JR四国全線(児島-宇多津間を含みます)の特急自由席が1日乗り放題となります。土佐くろしお鉄道線やジェイアール四国バスなど他社線は含みません。グリーン車や普通車指定席を利用する場合は、乗車券部分のみ有効です。「サンライズ瀬戸」には乗車できません。0時を過ぎても降りなければ、その乗車している列車の終着駅まで乗車することができます。

 気になる値段はたったの2440円です(子供は半額)。驚きの安さです。しかも、定期券に記名された本人以外でも、同一行程で旅行するなら、「お連れ様用」として1枚の定期券につき3枚まで購入できます。「お連れ様用」の値段もたったの2440円です(子供は半額)。家族でのお出かけにも使えます。

(追記)
 この1日JR四国全線乗り放題の「定期券de乗り放題きっぷ」は9月6日と7日も利用できます。値段は消費税増税の影響により少し上がり、大人2500円です(子供は半額)。「お連れ様用」も大人2500円です(子供は半額)。すでに8月6日から発売を開始しています。利用日の1か月前から前日まで発売しています。

 次回の利用期間も決まっています。11月29日と30日です。ただし、発売条件や効力等を変更する場合もあります。
(参考:JR四国ホームページ http://jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-02-14/03.htm、http://jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-08-05/01.htm)

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大阪府、大阪府都市開発を南海に750億円で売却へ

 大阪府は泉北高速鉄道などを運営する第三セクター、大阪府都市開発の株式を売却して民営化する計画です。公募の結果、781億円を提示したアメリカ投資ファンド、ローンスターに売却することになりました。ただ、大阪府都市開発の株式を売却するためには、大阪府議会で可決されないといけません。しかし、ローンスターが優れているのは価格面だけで、内容については次点の南海に比べて大きく劣っていたために、与党の維新の中からも造反議員が出て、議案は否決されました。維新は造反した4人を除名し、大阪府議会で過半数割れしました。

 その後、いずれは民営化されるとはいえ、動きは止まるものだと思っていましたが、想定していたよりも早く事態が動きました。南海と随意契約を結んで、750億円で売却することになったのです。公募の時点では南海は720億円を提示したのですから、ローンスターよりは少ないものの、大阪府などはローンスターの提示額の中間ぐらいの収入を得ることになります。沿線が待ち望んでいた大幅な値下げも実現します。現在、難波-和泉中央間は620円しますが、これが540円に下がります。泉北高速の運賃が高いとよく言われますが、それは泉北高速の運賃水準が高いのではなく、南海などに乗り継がない限り都心に行くことができないからです。仮に泉北高速が南海の一路線ならば、難波-和泉中央間は560円になります(光明池-和泉中央間の加算運賃20円を含みます)。破格の値下げです。なお、今回、大阪府都市開発の株の転売禁止期間は15年に延長されました。

 もちろん、大阪府都市開発の株を南海に売却する話も、大阪府議会の承認を得る必要があります。2014年度の早い段階で議案を大阪府議会に提出しますが、南海はローンスターのような外資ではなく、地元に根付いてきた老舗です。しかも、提案内容は優れています。否決されるようなことはないでしょう。

 もっとも、大阪府都市開発の売却によって多額のお金が入る大阪府ですが、そのお金は(泉北高速以外の部分もあるとはいえ)、泉北高速沿線の人があまり使わないであろうところを中心につぎ込まれます。「戦略4路線」と位置付けられる北大阪急行、大阪モノレール、なにわ筋線、西梅田十三新大阪連絡線の新設、延伸事業につぎ込まれます。なにわ筋線はともかく、あとは使うことの少ない路線です。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140221/waf14022114090020-n1.htm、Bloombergホームページ http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N1C0EE6KLVRG01.html)

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宇高航路、2012年10月からの1年間は3~4割の大幅減

 宇高航路はかつて四国フェリーと国道フェリーの2社が24時間運航をし、合計44便を運航していましたが、このうち国道フェリーが経営悪化などを理由に2012年6月には深夜便9便を廃止、2012年10月には全便の運航を休止し、22便に半減しました。残った四国フェリーも2013年4月に四国急行フェリーに運航を引き継いでいます。

 この1社のみの運航となった2012年10月以降、宇高航路の輸送実績は大幅に落ち込んでいます。2012年10月から2013年9月までの1年間で、前年比3~4割の大幅減となっています。中身を細かく見ますと、輸送人員が46.6万人と前年比40%減、乗用車・バスが11.5万台と前年比36.5%減、トラックが15.9万台と前年比29.4%減です。

 将来の展望も暗いままです。もともと、2008年9月に瀬戸大橋など本州四国連絡道でトラック深夜割引などが始まるまでは、宇高航路は3社体制で1日120便も運航していました。橋の通行料金が異様に高いという敵失に支えられた面がありますが、その後は2009年3月から始まった乗用車などの休日上限1000円など航路に厳しい政策ばかりです。4月には本州四国連絡道の通行料金が一般の高速道路と同水準に引下げられます。
(山陽新聞ホームページ http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2014021007245963/)

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「サンダーバード」等、車内販売廃止へ

 関西と北陸の間を1日23往復走る「サンダーバード」などについて、今年の9月15日をもって車内販売が廃止されます。

 車内販売が廃止されるのは、「サンダーバード」(大阪-金沢間のみ営業)と「しらさぎ」(米原-金沢間のみ営業)。「サンダーバード」は上下46本のうち44本で営業、「しらさぎ」は上下32本のうち14本で営業しています。「サンダーバード」、「しらさぎ」の車内販売はJR西日本のグループ会社である北陸トラベルサービスが担当しています。「サンダーバード」の前身である「雷鳥」、「しらさぎ」がデビューしてから約50年、車内販売をしてきたのですが、これがそっくり消えるわけです。どうやら北陸トラベルサービスは年内に会社を清算するようです。

 車内販売が廃止される理由は、駅構内や周辺にコンビニなどが充実し、割高で品数(「サンダーバード」や「しらさぎ」では約70品目を販売しています)に制約がある車内販売に頼る割合が減ったことです。特に最近の減りは著しく、2012年の売り上げは4年前より約4割も減ったのです。車内販売が廃止されるのは全国的な傾向で、JR東海では2013年3月に、在来線のすべての特急列車で車内販売が廃止されました。JR西日本管内でも2009年に岡山と出雲市を結ぶ「やくも」で廃止され、2011年には「はまかぜ」「北近畿」で廃止されました。「サンダーバード」等の車内販売が消えると、観光列車以外で残るのは「くろしお」のみです。今後は「駅ナカ」や売店の品ぞろえを充実させるとのことです。

 北陸でほかに車内販売をしている特急は「はくたか」と「北越」がありますが、「はくたか」は現在北陸トラベルサービスが担当している便をJR東日本系の日本レストランエンタプライズに変更して車内販売を継続します(10月1日から変更します)。「北越」は全便が日本レストランエンタプライズが営業しているため、影響はありません。もっとも、「はくたか」「北越」が安泰かといえば、そうではありません。北陸新幹線開業により、列車そのものが消える可能性が高いのです。北陸新幹線が開業した段階で、北陸エリアでは新幹線以外の車内販売が行われなくなるとみるのが妥当な見かたでしょう。

(追記)
 日本レストランエンタプライズは、10月1日に金沢市内に「金沢列車営業支店」を開設します。日本レストランエンタプライズは、これまで北陸トラベルサービスが行ってきた「はくたか」での車内販売業務を引き継ぎます。8往復で行い、「Suica」などでも支払いができます。

 また、日本レストランエンタプライズは、北陸トラベルサービスの車内販売員9人を雇用します。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5205.html、北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20140221102.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG2N5RD2G2NPJLB00K.html、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140925-00173114-hokkoku-l17&pos=1)

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仙山線の2駅を廃止

 仙山線には、10年以上列車が停まらない駅が2つありますが、今後の使用見込みがないため、2駅とも3月14日をもって廃止されます。

 その2駅とは、西仙台ハイランドと八ツ森。西仙台ハイランドは2003年10月、八ツ森は2002年12月から全列車が通過しています。西仙台ハイランドは近隣にあるスポーツ公園や遊園地等を利用する人が多かったことから1987年3月に臨時駅として開業しました。当初は週末を中心に定期列車が臨時停車しましたが、道路の整備により鉄道利用者が減ったため、2003年10月から列車が停車しないようになりました。八ツ森は八ツ森スキー場を利用する人のための仮乗降場として1937年11月に開業しましたが、1970年にスキー場が閉鎖されると駅の利用者が減りました。1987年3月には臨時駅になりましたが、2002年12月から列車が停車しないようになりました。

 なお、ホームなどの施設は春以降に撤去する予定です。

(追記)
 仙台ハイランド遊園地は2015年8月30日に閉園することになりました。跡地は売却されます。なお、ゴルフ場の営業は続けます。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jr-sendai.com/wp-content/uploads/2014/02/ekihaishi.pdf、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140215t13004.htm、http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150601_15045.html)

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「イクスカ」と「Suica」(仙台圏のみ)、相互利用実施へ

 仙台市交通局や宮城交通などで使うことができる「イクスカ」についての続報です。

 仙台市交通局、宮城交通、JR東日本はこれまで、「イクスカ」と「Suica」の仙台圏における相互利用サービスについて協議を行ってきました。その結果、2016年春から「イクスカ」と「Suica」の仙台圏における相互利用サービスを実施することに合意しました。

 「イクスカ」エリアの仙台市地下鉄、仙台市営バス、宮城交通バスにおいても、「Suica」(「PASMO」「ICOCA」など相互利用しているICカードを含みます)が使えます。反対に、「Suica」エリアのJR東日本など(仙台エリアに限ります)においても、「イクスカ」が使えます。東京や関西から来たビジネスマンや観光客が手持ちのICカードで仙台市営地下鉄などに乗ることができます。

 しかし、「イクスカ」では、「Suica」エリアでも首都圏エリア、新潟エリアでの利用はできません。当然ながら、「イクスカ」では、「PASMO」エリアや「ICOCA」エリアなど、「Suica」エリア以外での利用はできません。また、「イクスカ」では、「Suica」加盟店での電子マネーの利用はできません。

 なお、「イクスカ」には、「Suica」などにはない、ポイントサービスや定期券機能を持たせます。仙台市営地下鉄などで定期券として使うには、「イクスカ」が必要です。仙台市営地下鉄東西線の開業に合わせ、市営バス、宮城交通の路線バスにも利用範囲を拡大します。

(追記)
 「イクスカ」と「Suica」の相互利用開始が、2016年3月26日に決まりました。ただし、仙台市交通局を「Suica」等で使っても、ポイントはたまりません。
(参考:仙台市交通局ホームページ http://www.kotsu.city.sendai.jp/iccard/news/suica/pdf/140213_goui.pdf、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140214t11019.htm、朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/CMTW1512220400001.html?rm=150)

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新高岡には最速達以外は停車か?

 北陸新幹線の開業が近づく段階で気になるのが、地元の駅にどれぐらいの本数が停まるのかということ。せっかく新幹線が来ても、大半が通過するようではあまり意味がありません。今回取り上げるのは、富山と金沢に挟まれた、新高岡。隣の富山は全列車停車するようですが、新高岡はどうなるのでしょうか?

 まず長野新幹線の現状から考えます。長野新幹線は1日27往復していますが、長野県内の4駅にはほとんどの列車が停車します。それから考えると、各県1駅しか停まらない最速達タイプを除いて、新高岡や黒部宇奈月温泉にも停まるとみています。沿線関係者の予想では、最速達タイプは1日3~4往復しかないと考えており、新高岡に停まるのは残る23~24往復程度とみています(北陸新幹線も1日27往復すると想定されています)。8~9割程度停まるとみているのです。

 富山-金沢間にはシャトル便の「つるぎ」も走ります。1時間に1本程度運転され、大阪、名古屋方面との接続を行います。この「つるぎ」については、新高岡には全列車が停車するとみています。

 以前にも書いたように、新幹線のダイヤは、開業半年前に概要を、3か月前に詳細を発表する予定です。
(参考:富山新聞ホームページ http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20140212101.htm)

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JR東日本、山田線の赤字補てんに5億円、地元も全体的には移管に前向き

 少し前の記事で予告した通り、山田線についての新たな動きについて書きます(元の記事はこちら)。

 JR東日本は11日、宮古市内で開かれた非公開の「JR山田線沿線首長会議」で、沿線4市町に、被災した駅舎やレールを再建したうえで鉄道施設と土地のすべてを自治体に無償譲渡することを提案しました。すでに運行については第三セクターである三陸鉄道に譲渡することを提案しています。上下分離方式となるのです。車両(8両)も三陸鉄道に無償譲渡します。また、譲渡後の支援策として、10年間に限り予想赤字5億円を一括で補てんする考えを示しました。山田線宮古-釜石間の利用者を1日400人として年間5000万円の赤字が生じるとの見積もりで提案したものです。このほかのJR東日本の支援策としては、運行距離が延びる三陸鉄道に対して、乗務員の出向や新人研修などの人的支援も行う予定です。JR東日本は利用が増えれば、黒字に転換することも可能としています。

 このJR東日本の提案に関して、細かいところはともかく(鉄道施設や土地の保有に関して、沿線自治体は慎重的です)、沿線4市町の首長らは一定の評価をしています。今回のJR東日本の提案を基に話を進めることになります。

 ただ、課題がないわけではありません。山田線宮古-釜石間は、戦前の昭和10年代に開業した路線。設備の老朽化が目立ち、踏切が50か所以上あるので、管理コストがかかるようです。三陸鉄道によれば、三陸鉄道には保線作業員が12人いますが、山田線だけでも10人いるようです。運賃の値上げも問題です。通学定期が倍程度になるという試算もあり、沿線4市町は地元負担を軽減するよう、赤字補てん額などをJR東日本と協議します。

 また、岩手県の達増知事は12日の記者会見で、三陸鉄道が山田線を運営することに慎重な姿勢を見せています。JR東日本が運営に苦しんでいる区間なのに、三陸鉄道だとさらに厳しいとしています。この考えは逆でしょう。山田線のような需要の少ないローカル線をJRや大手私鉄に押し付けるのが誤っているのです。第三セクターやローカル私鉄なら、沿線自治体の補助も期待できますが、JRや大手私鉄にはそれがありません。黒字路線で賄うのが当然とされてしまいます。JRや大手私鉄がそういう赤字路線を経営しても、やる気のないものになってしまうのを非難することはできません。正直言って、岩手県内でJRが運営できる路線は、東北線、東北新幹線、田沢湖線ぐらいで、あとは廃止になっても文句は言えません。

 岩手県、沿線4市町、三陸鉄道は2月中にも統一見解をまとめ、JR東日本に回答します。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20140212k0000m040029000c.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140212/iwt14021202380000-n1.htm、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140212t31015.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20140212-OYT8T01705.htm、岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140212_2)

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北海道新幹線開業後も寝台列車は走るのか?

 北海道新幹線が開業して気になることは、寝台列車が走り続けるのかということ。以前には気になる記事も書いています。「カシオペア」はともかく、「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」は老朽化しています。

 これに加えて、北海道新幹線特有の問題として、青函トンネル部分を新幹線と在来線が共有するという問題があります。寝台列車は深夜に青函トンネルを通過するものもあります。しかし、新幹線は0時から6時の間、保守のためまったく運行しません。これがそのまま青函トンネルにも適用されたら、大変です。寝台特急のみならず、貨物列車もその時間を通ることができませんから。JR貨物の試算によれば、0時から6時まで青函トンネルを通過できないとなると、北海道を出た貨物列車が東京や大阪などに着くのが2~10時間遅れるようです。JR貨物にも、(農産物をスムーズに運ぶことができないという意味において)北海道自体にも大きな悪影響を与えます。ただ、青函トンネル内は、新幹線も在来線並みの速度で運転します。開業してしばらくすると高速運行するのも出ますが、1日1本限りです。そのため、保守時間は4時間程度でよい、とする見解もあります。

 それでは、JR北海道は寝台列車について、どのように考えているのでしょうか? 実はJR北海道としては、寝台列車は人気が高いので、できるだけ走らせ続けたいと考えているようです。それなりに収入が見込める寝台列車は存続させる価値があるようです。

 問題は機関車。北海道新幹線開業により、新幹線と在来線の共用区間の電圧が20000ボルトから25000ボルトになります。今までの機関車は使えず、新たな機関車を用意しないといけません。JR貨物はすでにそれに対応する新型機関車を導入する予定で、試作車はすでに完成しています。2016年春までに20両を投入する計画で、検修設備を含めた総コストは190億円となります。この新型機関車をJR北海道も導入することができるかが重要な問題となります。現在、JR北海道が保有する青函トンネル用の機関車は予備車も含めて9両ありますが、「はまなす」を含めて現在あるすべての寝台列車を走行させるには予備車を含めて5両ぐらいは新型機関車を用意しないといけません。約50億円かかります。いろいろトラブル続きのJR北海道ですが、そういう投資をしないとせっかくの寝台列車も走らせ続けることはできません。

 人気の寝台列車が走り続けるのは望ましいことですが、あまり大きくは期待せずにみていきたいと思っています。
(参考:東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/30297)

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名古屋以西のリニア停車駅は亀山と奈良

 1か月半以上前の話ですが、備忘録として書きます。

 リニア新幹線の名古屋以西のルートについてですが、京都に誘致しようとする動きにはすさまじいものがあります。

 しかしJR東海は、奈良市付近を通るとした国が1973年に示した基本計画や、2011年に決めた整備計画に則り、京都を通らずに、奈良を通るルートにする方針です。三重県、奈良県に1駅ずつ設置します。三重県は亀山市、奈良県は奈良市に設置する方針です。奈良は北部の学研都市のようです。なお、三重県は地上駅、奈良県は地下駅となり、駅の整備費それぞれ350億円、2200億円を見積もっています。奈良は遺跡の問題が予想されるため、地下にするのでしょうか?

 これに対応するかたちの動きもあります。仲川奈良市長は、リニア中間駅について奈良市北部のJR平城山駅周辺と、JR奈良、近鉄奈良駅などの市中心部の2案を提示しています。2013年12月の会見では、2014年にどちらかに絞り込む予定でしたが、当面は絞り込まないことにしました。市中心部になる可能性もあるとみているからです。

 それはともかく、亀山と奈良にリニアの駅を置くのは妥当なところでしょう。北に寄り過ぎている京都、南に寄り過ぎている大和郡山は不適切です。リニアの全線開業を図るためにも、早くルートを一つにまとめる必要があるのではないでしょうか?
(参考:中日新聞1月3日朝刊 12版、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140211/nar14021102450003-n1.htm)

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山陰線、山口線は秋ごろ運転再開見込、「やまぐち号」は往復ともに運転

 2013年7月28日未明からの山口県北部と島根県西部における短時間の局地的な集中豪雨により、山陰線と山口線に大きな被害が生じました。集中豪雨から半年以上たった現在においても、山陰線では須佐-奈古間、山口線では地福-津和野間が運休したままとなっています(バス代行輸送を行っています)。

 ところが、その運休している山陰線須佐-奈古間、山口線地福-津和野間についてですが、どちらも2014年秋ごろ運転再開見込となりました。豪雨直後の見通しのように、全線復旧まで1年以上かかることになりますが、それでも運転再開見込が明らかになったのは明るいニュースです。

 そして、山口線といえばSL。今年は、1979年8月1日に山口線小郡(現:新山口)-津和野間で復活運行を始めてちょうど35年です。そんな中、3月から6月までのSL運行計画が発表されました(7月以降については、後日発表されます)。SLが運行されるのは、3月21日から5月6日までの休日、18日間。今回は2013年11月から年末年始にかけて6回運行したときとは違い、復路も運転されます。新山口10:48発地福12:14着、地福16:17発新山口17:30着のダイヤで運行されます。途中、湯田温泉、山口、仁保(地福行きのみ)、篠目、長門峡に停まります。行きはC56、DD51、客車5両の順で走り、帰りはDD51、C56(逆向き)、客車5両の順で走ります。ディーゼル機関車が先頭になって走る復路は列車名がDL「やまぐち号」となります。なお、地福-津和野間については、無料バス「津和野散策バス」を運行します。

(追記)
 「やまぐち号」のSLは7月5日運転分から、C57に変わります。C57がレトロ客車5両を引っ張ります。復路はDD51、C57(逆向き)、レトロ客車5両の順で走り、列車名もDL「やまぐち号」となります。

 なお、山陰線、山口線は、8月中の運転再開見込みとなりました。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5133.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5135.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2014/05/page_5657.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2014/05/page_5676.html)

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気仙沼線、鉄路復旧なら公的支援400億円必要

 BRTで仮復旧している気仙沼線ですが(今は約4割が専用道ですが、将来的には約7割に引き上げる方針です)、地元住民からは鉄路での復旧を求める声があります。

 その気仙沼線について、JR東日本は5日、仙台市内であった復興調整会議において、鉄路復旧をした場合、事業費が700億円にも上るという概算を明らかにしました。そのうち震災前の状態に戻すための費用300億円についてはJR東日本自らが負担し、残り400億円はルート移設などにかかるため公的支援を求めています。ちなみに、運休している距離がほぼ同じ(約55キロ)の山田線宮古-釜石間の復旧にかかる費用は約210億円、気仙沼線はルートの移設が必要なため、約3倍のお金がかかるのです。

 ルートを移設するのは、2013年8月に行われた、前回の復興調整会議で取り上げられた3区間。清水浜-歌津間(2キロ)、蔵内-陸前小泉間(2キロ)、本吉-陸前階上間(7~8キロ)の3区間です。堤防の建設に伴う線路のかさ上げ、橋の架け替え、トンネルの建設を行います。

 山田線についてはJR東日本から切り離す方向で話は進んでいますが(新たな動きについては別記事にて書きます)、気仙沼線については公的支援を求めるものの、JR東日本から切り離すという話はありません。赤字路線疑いなしということはJR東日本も認識していますが、廃止したり移管したりすることはないようです。山田線との違いは何でしょうか?
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2014/02/20140206t73010.htm、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140206/myg14020602190000-n1.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG265JVGG26UNHB00P.html)

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首都圏、阪神圏の高速道路、混んでいたら料金割増?

 以前にも書きましたが、国交省は、都市部の高速道路の渋滞を減らすため、混雑の度合いに応じて料金を設定する制度を2016年度から導入する方針です。

 対象となるのは、首都高速や阪神高速などの都市部の高速道路。2014年度中にも具体案をまとめて、首都圏では2016年度、阪神圏では2017年度からの導入を目指します。特に首都高速は交通量が多く渋滞が慢性化していますが、首都高速中央環状線、外環道、圏央道の3環状道路の整備が進んでいます。今のところ6割程度の整備率ですが、導入目標の2016年度には8割に達します。これら3環状道路を効率的に利用し、渋滞の緩和を図ります。例えば、都心環状線が渋滞している場合、都心環状線経由の料金を割高に、外環道や圏央道経由の料金を割安にして、渋滞の緩和を図ります。国交省の話によれば、首都高速の場合、1車線1時間当たりの走行台数が1400台を超えると渋滞が発生しますが、100台減って1300台程度なら時速70キロ程度ですいすい走ることができます。1割程度を減らしたら十分渋滞は解消できるのです。交通量の多い時間帯を指定して、料金に差をつけることも検討します。

 このような料金体系を実現させることが可能となったのは、高速道路上に約1600基あるITSスポットで自動車の走行経路情報を把握し、このビッグデータとETCから得られるデータを結びつけることができるようになったからです。ルートごとの混雑状況に応じて料金を決め、表示板やカーナビの画面で運転手に伝え、ETCで課金する仕組みを検討しています。
(参考:MSN自動車 http://car.jp.msn.com/news/society/%e9%ab%98%e9%80%9f%e9%81%93%e8%b7%af%e3%80%81%e6%b8%8b%e6%bb%9e%e6%99%82%e3%81%ae%e6%96%99%e9%87%91%e5%89%b2%e9%ab%98%e3%81%ab%e2%80%a6%e7%92%b0%e7%8a%b6%e9%81%93%e3%81%b8%e5%88%86%e6%95%a3%e5%9b%b3%e3%82%8b%e3%80%80%e5%9b%bd%e4%ba%a4%e7%9c%81%e6%a4%9c%e8%a8%8e%e3%81%ab%e7%9d%80%e6%89%8b-1、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140207/plc14020711590008-n1.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atcars/news/20140207-OYT8T00237.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG274DCDG27ULFA00R.html)

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運賃が高い北総線、他線の駅までバス運行へ

 運賃が異様に高いことで知られる北総鉄道。この運賃の高さから逃れるため、駅前にバラ売り回数券の自販機が登場したということも記事にしましたが、新たな動きが出てきました。住民がバスを運行して、北総鉄道を使わずに行くことができるようにしたのです。

 この画期的な活動をしたのは、印西市と隣の白井市の住民約20人。「千葉ニュータウンバス運営会」を結成したのです。2013年10月に1週間、鎌ヶ谷観光バスの中型バス(定員46人)を借り切り、直行バスを1日6便運行しました。このバスには1日平均32人が乗り、好評だったようです。

 この実験的な取り組みが本格的なものになろうとしています。2013年10月に実験に協力した鎌ヶ谷観光バスが、4月からの路線バス運行を計画しています。乗降客が多い千葉ニュータウン中央駅と(北総と新京成の接続駅である)新鎌ヶ谷駅を往復するバスを走らせます。平日に1日23.5往復走らせます(休日は運休します)。30~60分おきに運行します。鉄道で10~11分かかる区間を25分かけて走りますが、運賃はたったの300円(回数券や定期券を活用すればさらに割安になります。しかし、ICカードは使えません)、鉄道だと540円かかるところなので(ちなみに、新鎌ヶ谷と千葉ニュータウンの距離は約11キロあります)、240円も割安です。新鎌ヶ谷からは新京成などを使って、運賃が異様に高い北総鉄道のお世話にならずに、都心などに向かうことができます。鎌ヶ谷観光バスはバス2台を購入し、この間の輸送に充てます。1日400人乗れば採算は取れるとみています。住民らも「友の会」をつくってバス会社を支えます。

 これに対して北総鉄道は、バスの輸送量は小さいので、大きな影響はないとしています。また、各所から強く求められている(ただし、その割には地元自治体は支援を打ち切ろうとしていますが)値下げについては、有利子負債が800億円超あり、しかも耐震補強や車両更新などの設備投資を控えているので、難しいとしています。あっと驚くような値下げをしない北総鉄道と、高い運賃を嫌う住民との駆け引きが続きそうです。
(参考:朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://www.asahi.com/articles/ASG254VDNG25UTIL01W.html、千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/news/local/183218)

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今里筋線延伸、市営、民営いずれも採算は取れず

 大阪市議会で建設を求める声が強い、大阪市営地下鉄今里筋線の延伸計画。今里-湯里六丁目間、6.7キロを建設する計画です。この区間の着工の可否について、「市鉄道ネットワーク審議会」(有識者で構成)が検討していますが、交通局がまとめた延伸区間の収支見通しでは、公営、民営のいずれの方法でも採算が取れないようです。

 交通局は、公営で建設した場合、民営化して建設は大阪市の第三セクターが行う公設民営のふたつのケースについて想定しました。開業を2025年とします。建設費は公営で1380億円、民営で1293億円です。この状態で開業した場合、40年後はどうなるのでしょうか? 公営のままでは955億円の累積赤字が生じます。民営の場合は少し赤字は減りますが、それでも790億円に達します。40年以内に黒字にしようと思ったら、新線の利用者に加算運賃を課さないといけませんが、その額はなんと187円、初乗りが400円近くになってしまい、現実的な数字ではありません。

 大阪市営地下鉄の民営化は、いまだに大阪市議会で継続審議になっています。政治的には、今里筋線の延伸をしないと民営化ができないとも言われていますが、つくるべき路線でないというのが今のところの結論でしょう。大体、2006年12月に開業した井高野-今里間(11.9キロ)も1日当たりの輸送人員を16.4万人と見込んでいました。しかし、開業5年目の2011年度でも、1/3ほどの約5.9万人しか乗っていません。そう期待できる状況ではありません。橋下大阪市長は、大阪市営地下鉄の民営化に加えて、大阪都構想が実現しないと今里筋線の延伸は難しいともしています。民営化をすれば、上場するまでは大阪市が株を保有することになります。大阪都になれば、各特別区が株を保有します。今里筋線の延伸は大阪市全体の視点で見ると必要性の低い路線ですが、沿線の特別区にとっては、重要性の高い路線かもしれません。そう判断したら、株を原資につくればいいのです。東京都でも中央区江東区に地下鉄の構想があります。それと同じように、どうしても地下鉄がほしければ、区で必要性を判断することができるのです。

 1月22日に開かれた審議会では、交通局から示されたデータがあまりにも厳しいため、会長の斎藤近大名誉教授は、地下鉄よりも建設コストがかからないLRTやBRTなどによる整備も考えないといけないと指摘しました。しかし、従来通り道路を使うBRTはともかく、LRTは新たに車庫などの設備投資をしないといけません。既存の車庫を使えばよい地下鉄にはなかった問題です。そのあたりも考えないといけないでしょう。
(参考:大阪日日新聞ホームページ http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/140205/20140205040.html)

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阪神梅田駅のミックスジュースでも「ICOCA」

 阪神電車の「駅ナカ」店舗では、交通系電子マネーは「PiTaPa」だけしか使えませんでした。「ICOCA」など全国で使うことのできる交通系電子マネーは使えませんでした。

 しかし3月1日から、「ICOCA」など全国で使うことのできる交通系電子マネーの取り扱いを開始することになりました。対象となるのは、スクラ三宮6店舗、売店20店舗、喫茶・軽食など12店舗の合計38店舗です。梅田のミックスジュースも「ICOCA」で買えるようになります。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5164.html)

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三重京都高速線などから近鉄バス撤退

 3月1日から、三重県と関西を高速バスについて、減便のダイヤ改正を行います。

 対象となるのは、「三重京都高速線」(津-京都)、「四日市大阪高速線」、「伊賀大阪高速線」。近鉄バスが撤退することにより、本数が減るのです。「三重京都高速線」(津-京都)はこれまでの1日4往復から3往復に、「四日市大阪高速線」はこれまでの1日6往復から4往復に、「伊賀大阪高速線」はこれまでの1日6往復から5往復に減ります。

 並行して走る近鉄に対抗できなかったのでしょうか?

(追記)
 3月31日をもって、伊勢と京都を結ぶ便の運行を終了しました。
(参考:三重交通ホームページ http://www.sanco.co.jp/highway/2014/02/post-12.php、http://www.sanco.co.jp/highway/2014/03/post-14.php)

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JR西日本、北陸線に新型ラッセル車両投入

 雪が降ったときに活躍するのがラッセル車。線路上を除雪し、列車が走るようにするための車両です。JR西日本は北陸や山陰地方用に18両のラッセル車を保有しています。しかし、多くの車両が半世紀近く前につくられるなど老朽化が進んでいましたが、なかなか置き換えが進みませんでした。走る機会が少ないのに、製造費用がかかるからです。

 ところが、JR西日本は、新型ラッセル車両を投入することにしました。新型車両はキヤ143形といい、機関車ではなく、ディーゼルカーとなります。2月から3月に、北陸線など向けに2両を投入します。実はこの新型ラッセル車両が、JR発足以降、JR他社を含めて最初に新製するラッセル車両となります(最近はラッセル車ではなく、モーターカーで除雪することが多いのです)。2両で約9億円かかりました。

 このキヤ143形は単線、複線両方の除雪が可能な構造となっています(これまでは排出した雪が邪魔になるため、単線用と複線用に分かれていました)。運転室からの操作により両先頭部に装備している除雪用ラッセル翼を単線除雪、複線除雪に切り替えることにより、単線、複線の両方に対応することができます。前方や車両側面後方の除雪状態を映し出す確認用カメラを搭載し、運転室のオペレーターが除雪状態を確認することができるようになっています。従来のラッセル車両に比べて大幅な軽量化を図りながらも(約半分の56トン)、同等の除雪能力を有しています。最新のディーゼルカーと同様のエンジンを採用し環境負荷の低減を図るとともに、部品の共通化を図ることによりメンテナンスの低減を図っています。また、ラッセル車として使用しない期間は、両先頭部の除雪用ラッセル翼を取り外して牽引車両としても使えます。機関車の代用にもなるようです。衝突時の安全対策の向上、安全性の向上も図っています。

 デザインは、従来のディーゼルカー同様、両先頭部に運転室を配置し、前方の視認性の向上に配慮した構造としています。車体の塗装は、雪の中でも存在感があるように、既存のラッセル車両と同一の朱色をベースに、前面及び運転室側面には白と朱色のセブラ模様を配し、躍動感と存在感を強調しています。

(追記1)
 このたび北陸線に導入される新型ラッセル車は、これまで複線用として使われていた古いラッセル車2両を置き換えるものです。新型ラッセル車には、脱線したときでも自力で復旧することができる「アウトリガ装置」を国内の営業列車で初めて搭載しています。

 新型ラッセル車は次のシーズンから本格的に稼働を始めます。

(追記2)
 結局、キヤ143形は最初のシーズンは使用されなかったようです。

(追記3)
 キヤ143形は2016年に3両が製造されました(2017年も2両が製造され、総勢7両となっています)。今回の製造分には山陰地方に配属されるものもあるようです。

(追記4)
 乗客が乗れないはずのキヤ143形にも定員があり、10人となっています。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5173.html、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20140215k0000m040106000c.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG2G4VV3G2GPTIL01T.html、北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/E20140225001.htm、railf.jp http://railf.jp/news/2015/11/05/170000.html、http://railf.jp/news/2017/01/28/201000.html、鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2016/10/jrjr1433.html、http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2016/11/jr143-4_1.html)

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能登(珠洲)-佐渡間に高速船季節航路

 能登半島広域観光協会は今年の5月から7月に、能登半島の珠洲市と佐渡島の佐渡市とを結ぶ高速船を季節運航します。約20便運航します。

 かつて佐渡の観光客数はバブル期には年間約120万人もいましたが、今では半数以下の約53万人にまで減っています。そして、能登も佐渡も少子高齢化と過疎化が進んでいます。能登、佐渡の両地域は北陸新幹線開業を交流人口拡大の最大のチャンスとして、誘客で協力することにしたのです。能登も佐渡も観光資源はたくさんあります。2つの地域を組み合わせて、周遊観光ルートをつくることができるようにします。

 意外なことですが、実は能登と佐渡の間には、1978年4月までの3年間だけですが、フェリーが運航していました。しかし、それは廃止になり、2007年7月からは、チャーター船が不定期運航しているだけです。今回の季節運航では、佐渡市にある力屋観光汽船の高速船「あかしあ」(64人乗り)が珠洲市の飯田港と佐渡市の小木港を結びます。

 北陸新幹線金沢開業時には、佐渡と直江津を結ぶ高速船も導入されます。能登半島広域観光協会は、直江津港に近い上越妙高駅から佐渡を経由して能登に行く周遊ルートもできるとして、上越妙高からも能登へ観光客を呼びたいとしています。

(追記)
 しかし、この珠洲と佐渡を結ぶ航路、2015年の利用が振るわなかったことから、2016年は運航されないこととなりました。
(参考:北國新聞ホームページ http://www.toyama.hokkoku.co.jp/subpage/H20140205101.htm、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160621-00377570-hokkoku-l17)

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九州新幹線開業10周年で3月15日のみ1万円乗り放題

 九州新幹線は、この3月15日で新八代-鹿児島中央間の開業から10周年を迎えます。この10周年を記念して、JR九州はいくつかの記念割引きっぷを発売します。

 3月15日だけですが、この日は九州新幹線が1万円(子供は半額)で乗り放題になります。「開業10周年感謝・九州新幹線フリーきっぷ」を発売するのです。この「開業10周年感謝・九州新幹線フリーきっぷ」は九州新幹線の自由席が1日乗り放題となります。「九州ネット早特7」でも福岡市内-鹿児島中央間が片道あたり7500円ですから、かなりお得な切符です。JR西日本が運営する山陽新幹線、博多南線、そしてJR九州の在来線は利用できません。グリーン車や指定席も利用できません。JR九州の駅、JR九州旅行支店、駅旅行センター、九州内の主な旅行会社、そしてJR西日本の博多駅で発売されます。2月15日から3月14日までです。

 また、恒例となっている「お隣ワンコインきっぷ」も発売します。「開業10周年感謝・お隣ワンコインきっぷ」です。九州新幹線の隣の駅までの新幹線自由席が一律500円(大人・子供同額)です。通常2020円かかる新八代-新水俣間も500円で済みますから、75.2%の大幅割引です。発売期間は2月15日から3月14日までの間。利用できるのは、開業10周年の3月15日ただ1日です。九州新幹線12駅、大牟田駅、玉名駅、JR九州旅行博多・久留米・熊本・鹿児島支店のみで発売します(購入できるのは、その駅を発駅とするものに限ります。大牟田では新大牟田発、玉名では新玉名発を発売します)。

 今回は「開業10周年感謝・お隣ワンコインきっぷ」のセットも発売されます。「開業10周年感謝・お隣ワンコインきっぷ」全11種類を硬券タイプにして(使うときは、有人改札を通ります)、1セットにしたものです。2月15日(8時から)から3月14日までの間、博多駅(JR九州)、熊本駅、鹿児島中央駅の3駅で、100セットずつ発売します(1人1セット限りです)。値段は5500円で、九州新幹線10周年の歴史を紹介した台紙にセットされた状態で発売されます。
(参考:JR九州ホームページ http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/GeneralFrameset?OpenFrameSet)

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JR西日本、2017年春から豪華寝台列車運行

 以前にも取り上げた、JR西日本の豪華寝台列車についての続報です。

 JR西日本の真鍋社長は、13日の記者会見で、これまで2017年度中に運行を開始するとしていた豪華寝台列車の運行開始時期を2017年春としたいという考えを述べました。

 ルートはまず日本海側に向かうものから始まります。京都、大阪から鳥取、島根などを数日かけて周遊します。出雲大社などを観光すると想定されています。

 厳島神社など瀬戸内地方をまわるプランは、日本海側の運行状況をみて検討します。6月ごろには車両のデザイナーを決定し、寝台列車の名称や外観、内装は今年中に決定する見込みです。時間と生活に余裕がある団塊世代を対象にしますが、価格は「ななつ星in九州」(8月以降、3泊4日のコースが1人43~70万円)より低めに設定します。JR西日本は1989年から「トワイライトエクスプレス」を運行していますが、そのノウハウを新列車に活かす考えのようです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/life/news/140213/trd14021320080009-n1.htm、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20140214k0000m020124000c.html)

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石神井公園駅のバス乗り場は高架下

 高架化された西武池袋線の石神井公園駅。高架化された後も、駅の整備が進んでいます。2月1日に仮使用が開始されたのは、石神井公園駅南口駅前広場。練馬区によって整備が進められました。

 この駅前広場の仮使用が開始されたことにより、バスやタクシーの乗降場を鉄道の高架下に設けることができるようになりました。これまでは駅を出た南側にありましたが、2月1日からは雨に濡れることなく鉄道との乗り継ぎができるようになり、便利になります。

 駅前広場は、引き続き練馬区により整備が進められます。2014年度末には豊かな緑と広い歩行空間を備えた新しい駅前広場が完成します。
(参考:西武ホームページ http://www.seibu-group.co.jp/railways/news/news-release/2013/__icsFiles/afieldfile/2014/01/30/20140130shakujiikoen.pdf)

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伯耆溝口駅の構内踏切に遮断機

 駅の中には跨線橋や地下道がなく、踏切を渡ってホームに行くタイプの駅があります。JR西日本米子支社管内には154駅ありますが、26駅が構内に踏切があります。

 このうち、因美線の郡家、用瀬は通学客の利用客が多いので、優先的に遮断機を設置していましたが、それ以外の駅にはありませんでした。ところが2005年の福知山線脱線事故以降、特急通過駅で遮断機がないのは危険だとして、乗降客の多い山陰線の福部駅など3駅で設置してきました。

 このたび設置されるのは、伯備線の伯耆溝口駅。現在は列車が近づくと警報機が鳴りますが、遮断機がないため、列車が近づいていても線路を渡ることができます。伯備線は特急「やくも」が多数通る路線で、伯耆溝口は駅の構造上、減速して通過するようですが、安全性が高いとは言えません。そこで3月中旬に遮断機を取り付けることにしました。2000万円かかる見込みです。

 構内踏切があるタイプの駅は、バリアが小さく、利用者の少ない駅においては望ましいタイプの構造ですが、安全性は必要です。そもそも、構内踏切に遮断機がなかったのは意外でした。
(参考:朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG1Y4JT0G1YPUUB006.html)

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「スイーツ列車」は久大線と大村線に

 JR九州は2015年夏(春という話もあります)に新たな観光列車、「スイーツ列車」(仮称)を走らせる予定です。JR九州では10番目の観光列車となります。その「スイーツ列車」の運行路線ですが、以前に取り上げた久大線(日田-大分-別府間)だけではなく、大村線(佐世保-長崎間)にも運行します。2路線を1~2か月ずつ交互に運行します。1本の観光列車が複数の区間を走るのは初めてです。

 「スイーツ列車」は2両編成で、車両デザインは、「ななつ星in九州」も手掛けた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏らが担当します。乗客のターゲットは若い女性や主婦。著名なパティシエの創作する洋菓子や、沿線の老舗などがつくる特性の和菓子が提供されます。「ななつ星in九州」の特製スイーツを担当しているフランス料理のオーナーシェフも登場します。
(参考:西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/66009、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20140128k0000e020174000c.html)

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天橋立-伊根間航路、31年ぶりに復活

 天橋立に近い宮津桟橋と、舟屋群の景観で知られる伊根浦とを結ぶ定期航路が今年の夏、31年ぶりに復活します。

 この航路は歴史のあるものです。1896年、丹後海陸交通の前身である伊根汽船合資会社が始めました。1時間半で結び、乗客のほか新聞や郵便物も運びました。1963年の「三八豪雪」で道路が使えずに孤立したときも、この航路で生活物資を運びました。しかし、道路の整備が進んだために廃止になったのです。

 この航路が復活するきっかけになったのが、「ミシュラン」。天橋立と伊根浦の舟屋景観は2013年の春、ともに二つ星を獲得しました。丹後海陸交通が、京都府の推進する観光振興計画「海の京都」に合わせて計画し、京都府は船の建造費用の一部225万円を負担します。船の上からは、沖合からの天橋立、左右に広がる丹後半島と若狭湾、湾内からの舟屋の景観を楽しむことができます。

 船はただいま建造中。完成後の7月に就航予定です。海の穏やかな10月ごろまで、実証実験として休日に運行する予定です。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20140131000141)

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会津鉄道、列車を使った荷物輸送サービスを開始

 会津鉄道はこの1月1日から、列車を使って荷物を送ることができる「列車で!はこぶくん」サービスを開始します。

 「列車で!はこぶくん」のサービスを行っているのは、有人駅5駅(西若松、芦ノ牧温泉、湯野上温泉、会津下郷、会津田島)相互間。会津若松はJR東日本の駅ですので、利用できません。各駅の営業時間内(会津下郷駅は日曜日休業です。また、会津田島駅を除いて夕方には営業を終了します)に利用者自身が荷物を列車に積み込み、着駅では利用者自身が荷物を列車から受け取ります。各駅の営業時間内に発車する列車が対象となり、着駅は営業時間外でも受け取ることができます。事前受付や日付・時刻指定での預けや受取はできません。料金は1個200円です。

 運ぶことができる荷物は、縦、横、高さともに30センチ以内で、5キロまでのもの(超える場合は係員に要相談です)。箱や袋で包装されないといけません。荷物の取り扱いは1列車3個までです。なお、4月29日から5月6日、8月1日から31日、10月1日から11月20日の間は利用できません。
(参考:会津鉄道ホームページ http://www.aizutetsudo.jp/info/?p=933)

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北海道新幹線札幌延伸、5年以上の工期短縮可能?

 北海道新幹線新函館-札幌間の開業は今から20年以上先、2035年度末の予定です。気の遠くなるような計画です。

 その北海道新幹線ですが、荒川北海道副知事は7日、トンネル工事の工夫などで5年以上短縮する案を、自民、公明両党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの会合で示しました。

 北海道新幹線は建設区間の76%をトンネルが占め、工事に時間がかかります。そこで、トンネル工事を効率化したり、設計業務に早期に着手したりすることによって、工期の短縮を図ることができるとしています。しかし、技術的な問題は解決したとしても財源の問題が残ります。そこで、国の予算措置も求めています。

 なんでもそうですが、新幹線も開業しないとその効果はありません。早期に開業することに越したことはないのですが、果たして工期を短縮し、早期開業につなげることができるでしょうか?
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNASFC0700Y_X00C14A2L41000/)

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相模鉄道とJR東日本との直通、東京方面も検討か?

 相模鉄道とJR東日本の相互直通は当初の目標から遅れて、2018年度になります。この相互直通、新宿方面に向かう計画でしたが、新たな話が出てきました。品川・東京方面への運転が検討されることになったようです。

 品川・東京方面へ直通するためには、(現在建設中の羽沢-西谷間に加えて)新たに路線をつくる必要はありませんが、運行計画が変わるため、関係者との調整が必要です。何の事情があって品川・東京方面への直通運転を検討するようになったのかよくわかりません。相鉄・東急直通線が開通すれば、JRへの直通も東急への直通も渋谷を通ることとなるので、2社とも同じ方向に直通することを避けたのでしょうか?
(参考:「鉄道ファン」2014年3月号 交友社)

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「ハローキティ」のバッテリー車両が紀勢線を走る

 今年9月14日から12月13日まで、和歌山県とJR6社による全国大型観光キャンペーン、「和歌山デスティネーションキャンペーン」が行われます。このキャンペーン期間中、JR西日本は観光列車を走らせます。しかし、ただの観光列車ではありません。バッテリー車両が走るのです。

 バッテリーで走る列車は、小海線などで走るハイブリッド列車や、烏山線で3月に導入予定の、電化区間で充電して非電化区間を走るタイプがありますが、和歌山で走るのはまた違ったタイプ。自己充電型バッテリー車両です。近畿車輛が開発した車両で、車両に最小限の充電用小型ディーゼル発電機と、大容量バッテリーを搭載しています。バッテリーで電車と同じようにモーターを動かして走行し、バッテリーの残量が少なくなると発電機を動かして充電するもので、従来のディーゼルカーに比べて15~20%燃費が良くなります。充電のための地上設備はいりません。徳島県内で試乗は行いましたが、営業運転は国内初となります。

 この「ハローキティ」のバッテリー車両は、9月13日から12月14日までの休日(計33日)に1日2往復運転します。全車指定席の快速として紀勢線新宮-串本間を走り(途中停車駅は那智、紀伊勝浦、湯川、太地、古座の予定)、新宮駅9時半ごろ発串本駅11時ごろ着、新宮駅13時ごろ発串本駅14時半ごろ着、串本駅11時ごろ発新宮駅12時半ごろ着、串本駅15時ごろ発新宮駅16時半ごろ着のダイヤで運行する予定です。

 この列車、2両編成、座席定員48人の予定です。山側に座席が並び、海側には雄大な海岸線の車窓を楽しむことができるように海向きに座席が配置されています(乗客は自由に使えます)。沿線の観光案内や車両のエネルギー状態を表示するディスプレー、荷物置き場も設置します。

 しかも、この車両、女性や外国でも人気がある「ハローキティ」のラッピングがなされます。「ハローキティ」が沿線を楽しく紹介しているラッピングが施されます。地元の観光協会の協力により、車内でのおもてなし(文化や歴史に関するイベントもあるようです)、停車駅でのイベントや発着駅からのミニツアーも行う予定です。

(追記)
 「和歌山デスティネーションキャンペーン」中に運行される、「ハローキティ」のバッテリー車両の列車名が「ハローキティ和歌山号」となりました。ダイヤも発表され、「ハローキティ和歌山2号」が新宮9:59発串本10:54着、「ハローキティ和歌山4号」が新宮13:10発串本14:04着、「ハローキティ和歌山1号」が串本11:20発新宮12:15着、「ハローキティ和歌山3号」が串本14:32発新宮15:37着となっています。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5153.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2014/06/page_5756.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140210/wlf14021018530019-n1.htm)

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オリンピック選手村に地下鉄構想

 2020年の東京オリンピックで選手村がつくられる、晴海地区。選手村はオリンピックが終わると、12000人分の集合住宅地となります。この晴海地区など臨海部と、繁華街の銀座とを結ぶ地下鉄をつくるという構想があります。東京都中央区の矢田区長は6日の記者会見で地下鉄の新規路線を誘致する構想があることを明らかにし、2014年度予算案で調査費1000万円を計上します。

 実は臨海部は都心に近いことから、10年ほど前から高層マンションが林立し、人口が急増しています。有明地区では東京ビッグサイトの増設の話もあります。先ほども述べたように、選手村もオリンピックが終われば集合住宅になりますから、さらに人口が増えることになります。

 臨海部には鉄道はないものの、路線バスが走っており、銀座との間にBRTが整備される見込みです。2016年度の運行開始に向け、4月以降、事業者の選定なども行います。それにもかからわず、中央区は住民の要望などを理由に地下鉄が必要としています(BRT計画などとの整合性は取れているのでしょうか?)。有明(江東区)や台場(港区)を通り、築地や銀座(いずれも中央区)に至るルートが想定され(ただしこのルートでは海底部を通るため、工事は難しいとも言われています)、コンサルタント会社に調査を委託し、ルートのほか概算事業費、費用対効果などを分析します。これに基づいて鉄道事業者や国(国交省の交通政策審議会で必要性の高い「整備を推進すべき路線」への位置づけを目指します)、周辺自治体に鉄道建設を働きかけます。

 この地下鉄を運営するのは、東京地下鉄が考えられていますが、その東京メトロの新線建設は副都心線でおしまいです。以前に取り上げた江東区の地下鉄構想も、江東区などが出資する第三セクターが整備し、東京地下鉄が使用料を払って営業するかたちをとっています。中央区としては、この地下鉄の運営主体などをどうするかは、調査結果を見て考えるようです。

(追記1)
 中央区は2014年度に、森地政策研究大学院大学客員教授を委員長とする「都心部と臨海副都心を結ぶ地下鉄新線の整備に向けた検討調査委員会」を設置していました。そして、2015年6月8日の中央区議会環境建設委員会で、その検討結果として、新銀座駅(仮称、東京メトロ銀座駅に接続)と新国際展示場駅(仮称、りんかい線国際展示場駅に接続)を結ぶ地下鉄新線の構想を明らかにしました。延長4.8キロで、途中に3駅を設けます。所要時間は9分少々で、運転間隔は朝の通勤時間帯が4分、昼間は7分30秒です。第三セクターが運営し、運賃はりんかい線並みです。既存の東京メトロとの地下鉄との相互乗り入れについてはまだ検討していません。新銀座駅からの延伸についても今後の検討課題です。

 建設費は、5両編成の場合は1625億円、10両編成の場合は1995億円で、建設には5年かかります。開業予定時期は未定ですが、オリンピックには間に合わないようで、2025年ごろとなるようです。5両編成の場合で15年、10両編成でも19年で収支を黒字化するという優れた計画だそうです。ただ、心配なことに、需要見積もりにおいてBRTを考慮していません。ルート等が不確実だからということですが、同じようなところに2つあるだけに、需要を食い合うことになります。まだBRTの場合は投資が少額ですが、地下鉄はつくってしまったらその投資を回収するのは多くの利用が必要です。

(追記2)
 銀座から臨海部に延びる地下鉄とつくばエクスプレスを接続させる構想もあるようです。
(参考:東京新聞ホームページ http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014020702000244.html、NHKホームページ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140206/k10015080841000.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO66473270W4A200C1L83000/、日経ケンプラッツ(会員登録要) http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20150610/703049/、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/rinkai-metro/、Yahoo!ニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190404-00050102-yom-soci)

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成田発着の国内線の知名度

 かつて東京の空港は、羽田は国内線、成田は国際線と色分けされていましたが、最近は都心に近い羽田の国際線が増えています。その影響で成田の国際線は減っています。3月下旬に始まる各航空会社の夏ダイヤにおいても、成田の国際線は週63便減ります。

 国際線が減ったならば、国内線で穴埋めしなければなりません。成田の国内線は、LCCの就航、増便などで増えています。成田の2013年の年間発着回数は前年比6%増の22万回余りで過去最高となりましたが、それを引っ張ったのが国内線でした。前年比で3割も増え、4.5万回余りになったのです。国際線はほぼ前年並みの17.5万回余りとなりました。

 このように増えつつある成田の国内線ですが、知らない人は知りません。ちばぎん総合研究所が行ったアンケート(2013年10月に全国の15歳以上の男女5500人に対して、ウェブ上で行いました)の結果によれば、成田の国内線を利用したことがない人のうち、成田から国内線が飛んでいることを知らなかった人が8割を超えていたのです。そもそも成田発着の国内線があることを知らなければ、使いようがありません。年齢別にみると、40歳未満の人が、成田発着の国内線の認知度は低かったです。

 また、成田発着の国内線を使っている人も、約8割は羽田と併用しています。次回以降も成田をぜひ使いたいという人は2割に過ぎなかったのです。いかに成田発着の国内線の認知度を上げ、できる限り成田を使ってもらうようにすることが課題と言えます。便利さの面で言えば、羽田のほうが便利という人のほうが多いのでしょうから。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140203/chb14020322390003-n1.htm)

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鉄道、高速船がセットになった「松山・広島割引きっぷ」を発売

 3月21日から10月26日まで、広島県、愛媛県の島しょ部及び臨海部において、豊かな地域資源(地域の宝)の磨き上げと瀬戸内を訪れる人との交流の拡大を目的として「瀬戸内しまのわ2014」が開催されます。

 そこで、JR西日本では、JR四国、瀬戸内海汽船、石崎汽船と連携して、この「瀬戸内しまのわ2014」に合わせて、呉港と松山観光港を高速船スーパージェットで移動するルートを組み合わせた、「松山・広島割引きっぷ」を発売します。船を組み合わせた、異色の切符です。

 この「松山・広島割引きっぷ」は往復で経路を変えないといけません。ひとつは、京阪神-広島間を「のぞみ」に乗り、呉港-松山観光港間を高速船スーパージェットに乗るもの。ただし、「のぞみ」は利用列車が限定されていて、1日4往復しか使えません。もう一つは、新幹線と「しおかぜ」を岡山駅で乗り継ぐもの。京阪神-広島間とは違い、すべての新幹線に乗車可能です。広島地区と松山地区に自由周周遊区間(広島地区は呉-広島-岩国間、松山地区は三津浜-松山-内子または伊予長浜-伊予大洲間。いずれも普通列車が乗り放題。自由周遊区間以外は途中下車できません)もついて、大阪市内発着が14000円です(京都市内発着(新幹線は新大阪から利用可)、神姫ゾーン(立花-姫路間及び新神戸、和田岬駅。新幹線は新神戸、西明石、姫路から利用可)発着の設定もあり)。大阪市内から通常料金で行けば26940円かかりますので、かなりお得です。

 利用期間は3月21日から10月26日までの連続する3日間(10月24日利用開始分まで発売)、発売期間は2月21日から10月23日までです(乗車日の1か月前から前日まで発売)。列車限定となる京阪神-広島間の「のぞみ」の座席指定を条件に発売します。満席の場合は購入できません。有効期間開始日および列車の変更は、有効開始日前日まで1回に限り可能です。ただし、列車限定となる京阪神-広島間の「のぞみ」の座席指定が可能な場合に限ります。列車限定となる「のぞみ」に乗り遅れた場合は、乗車券部分のみ有効となり、特急券を買いなおさないといけません。列車限定の「のぞみ」以外の列車については、当日の自由席なら乗車できます。なお、1人から使えるのも特徴です。発売箇所は京阪神エリアのJR西日本の主な駅の「みどりの窓口」または主な旅行会社及びJR四国のワープ梅田支店です。電話予約もできます。

(追記1)
 「松山・広島割引きっぷ」の利用期間及び発売期間が延長されました。利用期間は2015年4月3日までの連続する3日間(2015年4月1日利用開始分まで発売)、発売期間は2015年3月31日までです(乗車日の1か月前から前日まで発売)。

 値段は消費税増税の影響で若干上がっていますが(大阪市内発着で14400円)、10月25日以降、道後温泉本館などで割引等の特典が受けられます。

(追記2)
 「松山・広島割引きっぷ」の利用期間及び発売期間が延長されました。利用期間は2016年4月4日までの連続する4日間(2016年4月1日利用開始分まで発売、2015年4月2日利用開始分から有効期間を4日間に拡大)、発売期間は2016年3月31日までです(乗車日の1か月前から前日まで発売)。

 なお、有効期間が3日間から4日間に拡大したため、若干値上がりされています。大阪市内発着で14500円です。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/01/page_5098.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/09/page_6211.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/02/page_6871.html)

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阪堺3月1日ダイヤ改正で「堺トラム」大増発!

 阪堺は3月1日にダイヤ改正を行います。

 このダイヤ改正の目玉は、「堺トラム」が天王寺駅前に乗り入れること。3月7日に日本一の高層ビル「あべのハルカス」がグランドオープンするのに合わせてのこととなります。「堺トラム」は毎日、天王寺駅前-浜寺駅前間を平日は上下20本、休日は17本運転します(区間運転を含めての数字です)。公表された「堺トラム」の運行ダイヤを見ると、朝7時台から夜23時台(休日は22時台)まで一日中走り続けます。天王寺駅前で待っていれば、約2時間おきにやってくるのです。しかも、ダイヤでは、1編成で往復するダイヤとなっています。2編成とも使える日は、これより乗車機会が増えることでしょう。なお、数は少ないかもしれませんが、点検等により代替車両での運行になる場合があり、年末年始(12月31日から1月4日)など臨時ダイヤ使用時は、ダイヤを変更する場合があります。ダイヤ改正当日の3月1日は、天王寺駅前乗り入れ開始記念セレモニー実施のため、天王寺駅前11:00発の5便からの運行となり、1~4便の4本については代替車両での運行となります。

 ほかにも改正事項があります。現在、早朝、夜間を除き運行している住吉公園発着の電車を、朝7時台、8時台を除いてすべて我孫子道発着とします。天王寺駅前-我孫子道間が昼間6分間隔となりますが、住吉公園発着が朝7時台、8時台のみと激減してしまいます。もっとも、住吉公園から少し歩けば住吉鳥居前に着きます。実質的な被害は小さいと言ってもいいでしょう。

 暗い話題もあります。2013年2月のダイヤ改正で浜寺駅前への直通がなくなった恵美須町-我孫子道間は昼間時、1時間に5本運転されていましたが、利用実態から、1時間に3本に減少します。路面電車とは言い難い運転本数です。また、朝の時間帯に実施している南霞町の地上改札を廃止します。

 話は大きく変わります。阪堺の貸切イベント列車は、年間200件前後の利用がありますが、4月1日実施分から、新たなコースが誕生します。住吉-東湊間を運行するコースです。10月31日までの期間限定で実施します(受け付けは3月10日から10月10日まで)。我孫子道発11:11または14:11に出て、住吉、東湊を通り、再び我孫子道に12:05または15:05に着きます。住吉-東湊間は年末年始などの臨時ダイヤで運行していたものであり、それを再現したものです。当時の姿を復元した行先板で運行することにより、「懐かしの」新コースと銘打っています。

 料金は、備品使用料(ゴミ処理費、行先板使用、行先板持込代など)を含んで、55200円。モ161号車については、別途、維持協力金10000円が必要です。

(追記)
 2月12日から28日の間、車両整備等により、「堺トラム」の運行を代替車両を含めて休止します。
(参考:阪堺ホームページ http://www.hankai.co.jp/topics/pdf/140206_dia.pdf、http://www.hankai.co.jp/topics/pdf/140206_event.pdf、http://www.hankai.co.jp/topics/pdf/140210.pdf)

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長良川鉄道、「1日フリーきっぷ」の発売を終了

 長良川に沿って走る岐阜県の第三セクター、長良川鉄道は、これまで休日に全線乗り放題の「1日フリーきっぷ」を発売していました。しかし、このたび発売を終了することになりました。前売発売終了日が2月28日、利用終了日が3月30日です。

 「1日フリーきっぷ」は2000円。通常運賃で全線(美濃太田-北濃間、72.1キロ)を往復すると距離が長いこともあり、3300円もかかるので、単純に往復するだけで1300円もお得になる便利な切符です。長良川鉄道に乗りたい人は、今のうちに乗っておいたほうがよさそうです。
(参考:長良川鉄道ホームページ http://www.nagatetsu.co.jp/gazou/fyrikipu.pdf、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2014/02/05/216517.html)

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北陸新幹線、敦賀までの開業が早まれば乗り換え対応か?

 北陸新幹線金沢-敦賀間は2025年度末に開業予定です。福井県は早期の開業を求めていますが、もしそうなった場合、フリーゲージトレインはどうなるのでしょうか? 2か月ほど前の話ですが、JR西日本の真鍋社長が記者会見で述べています。

 以前にも述べたとおり、北陸新幹線の敦賀開業は10年以上先ですが、雪への対策などの技術的課題があり、余裕がないようです。フリーゲージトレインがないと話にならない長崎新幹線の開業は2022年度ですが、それと同時に敦賀でも導入できるわけではないのです。

 話を本題に戻します。もし敦賀開業が早まるのなら、フリーゲージトレインの実用化を待たずに、敦賀で乗り換えさせる対応をとるようです。ただ、その場合でも、同一ホームで新幹線と在来線を乗り継ぐことができるような対応をとるようですので、金沢のような前近代的な乗換ではありません。関西から福井、金沢に行くときにも乗り換えは発生しますが、福井はともかく、金沢だとそれなりに所要時間は短縮します。北陸新幹線金沢暫定開業時の重大な欠点である関西・名古屋方面への利便性の低下を是正する働きが敦賀開業にはありますので、早期の敦賀開業が求められます。

 話は変わりますが、1月31日に北陸経済連合会の永原会長は金沢市内のホテルにおいて、年頭の記者会見を行いました。そこで、金沢-小松間に追加の動きがある白山駅(仮称)にも触れました。北陸経済連合会としては特に設置に向けて動くことはなく、逆に金沢駅との距離が短いことから否定的な考えを述べています。金沢-福井間には約80キロの間に小松、加賀温泉、芦原温泉の3駅ができます。この3駅でも多いぐらいなのに(ただしこの3駅は在来線特急の停車本数から新幹線駅の設置は妥当なところです)、さらにこの3駅よりも(在来線の特急の停車本数が)大きく劣る白山市(在来線で比較するのは松任)に新幹線を停める必要はありません。単なる迷惑です。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/131218/wec13121820380013-n1.htm、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/economy/news/CK2014020102100012.html)

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大阪環状線、朝ラッシュ時に3扉車統一の実験

 JR西日本は、大阪環状線に2017年度まで新型車両を投入することを目指しています。「大阪環状線改造プロジェクト」の一環です。

 大阪環状線には現在、3扉の車両と4扉の車両が混在しています。新型車両は大阪環状線をぐるぐる走る車両なので、当然4扉だと思われていましたが、扉の数についても検討することになっています。そこで、朝のラッシュ時に3扉でも耐えられるか、実験することになりました。3扉のロングシート車両があればいいですが、アーバンネットワークにはないので、221系・223系・225系が使われることになります。

 実験が行われるのは、2月17日から21日の平日5日間。まず、17日、18日は外回りをすべて3扉の車両とします。大阪駅7:46発から8:11発の列車(8本)が該当します。19日、20日は反対に内回りをすべて3扉の車両とします。大阪駅8:00発から8:28発の列車(9本)が該当します。最終日の21日は外回り、内回りともにすべて3扉の車両とします。外回りは大阪駅7:51発から8:05発の列車(5本)、内回りは大阪駅7:57発から8:11発の列車(5本)が該当します。3扉車両には女性専用車の設定はなく、その他の時間帯でも扉の数が変更になったり(3扉→4扉、4扉→3扉)、時刻・行先が変更になったりする列車があります。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5142.html)

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特急「いしづち」で自転車持ち込みサービス

 広島、愛媛の両県で3月21日から10月26日の間、「瀬戸内しまのわ2014」が行われます。「しまのわ」とは「島の輪」のことです。これに合わせてJR四国でも、サイクリスト向けに新しいサービスを実施します。

 通常、自転車をJRの車内に持ち込むときは、輪行袋といわれる専用の袋に、自転車を解体するか折りたたむ必要があります。そのまま自転車を車内に持ち込むことができるのは、例外的な扱いです(予土線で2013年11~12月に、自転車をそのまま車内に持ち込むことができる試験を行っていました)。しかし、この「瀬戸内しまのわ2014」などに自分の自転車で参加する人のために、8000系にあるスペースを活用したサービスを期間限定で行います。

 3月15日から10月26日までの間行われるサービスは、8000系特急列車への輪行袋に入れていない状態での自転車持ち込み。「いしづち3号」「いしづち15号」「いしづち27号」「いしづち4号」「いしづち16号」「いしづち28号」の今治-松山間において、専用座席(8号車1番A席またはB席)の指定席特急券を持っている人だけが利用できます。各列車2席限りのサービスです。自転車の据え付けスペースは隣の7号車にあります。かつての喫煙スペースを改装したもので、専用の器具に自転車を据え付けるため、ロードバイクやマウンテンバイクなどスポーツタイプの自転車しか使えません。軽快車(ママチャリ)などは対象外です。特急を使うので、乗降できる駅は今治、伊予北条(通過する列車の場合は、当然ながら利用できません)、松山の3駅に限られます。このサービスは決められた期間、区間、列車に限られ、それ以外では輪行袋に入れないといけません。このサービスを受けた人も、区間外に乗り越す場合は輪行袋に入れないといけません。事故や故障等により、据え付けスペースがない車両になることがあります。その場合は通常通り、輪行袋に入れないといけません。

 同じ期間には、輪行袋レンタルサービスも行います。輪行袋1枚につき1日500円で貸し出します。今治、松山、宇和島の3駅で行います。折りたたみや解体ができない自転車はこの輪行袋レンタルサービスを受けることができません。輪行袋の中に完全に収納できない場合もこのサービスを受けrことができません。輪行袋を汚損したり、紛失したりした場合は実費を徴収します。

 話は変わりますが、瀬戸内しまなみ海道の自転車の通行料が無料になるようです。しまなみ海道には自転車道のある橋が6つあり、50~200円の料金を徴収します。年間収入は約2000万円で、無料化により本州四国連絡高速道路が減収となる分は、国、地元自治体、本州四国連絡高速道路で負担します。負担割合は今後協議します。無料化される時期はまだ決まっていませんが、3月21日の「瀬戸内しまのわ2014」の開幕には間に合わないようです。広島、愛媛両県知事は、夏休み前に無料化を実現したい考えのようです。
(参考:JR四国ホームページ http://jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-01-27/04.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG1Y4FSZG1YPFIB006.html、http://www.asahi.com/articles/ASG265W4QG26PFIB012.html、瀬戸内しまのわ2014ホームページ http://www.shimanowa2014.jp/)

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JR四国での「ICOCA」サービス開始は3月1日から

 JR四国で「ICOCA」サービスを行うことは以前にも書きましたが、その開始日が決まりました。3月1日始発からサービスを開始します。

 JR四国におけるサービス内容は、「ICOCA」(ストアードフェアカードの機能のみを搭載したもの)の発売及び払い戻し、「ICOCA」(相互利用できるカードを含みます)での入出場及びチャージです。JR四国で発売する「ICOCA」のデザインはJR四国オリジナルのものです。JR四国では「ICOCA定期券」、「こどもICOCA」、「SMART ICOCA」の発売及び払い戻しはしません。ただ、「こどもICOCA」「SMART ICOCA」はJR四国でも利用でき、「ICOCA定期券」についても、チャージされた範囲での利用は可能です。JR四国での利用エリアは高松-多度津間、児島-宇多津間ですが、JR西日本の岡山・福山エリア(長船、和気、法界院、備中高梁、神辺、三原の範囲内)とは直通利用ができます。岡山-高松間も、会社の壁を越えて利用できます。JR四国で「ICOCA」の発売、払い戻し、チャージ等ができるのは、高松、端岡、坂出、宇多津、丸亀、多度津の6駅に限られます。

 「ICOCA」は高松、坂出、宇多津、丸亀、多度津駅の「みどりの窓口」及び端岡駅の窓口において、3月1日の窓口営業開始時刻から発売しますが(高松、坂出は5時からの発売となります)、記念「ICOCA」も発売されます。3月1日10時から、高松、坂出、宇多津、丸亀、多度津駅の「みどりの窓口」及び端岡駅の窓口で発売します。限定10000枚で、ひとり10枚限りです。先ほど述べたとおり、記念「ICOCA」のみならず、通常の「ICOCA」も大人のみの販売で、子供用はありません。岡山駅などで事前に購入しておく必要があります。

 余談ですが、JR四国が独自のICカードではなく、JR西日本の「ICOCA」を導入したのは、投資額が安くなることと、独自規格ではJR西日本との直通利用が難しくなることです。JR西日本の「ICOCA」を導入したことにより、新たにシステムやサーバーを使うことなく、改札設備やチャージ機など十数億円の投資で済みます。自前で整備するときの3割程度で済んだのです。独自規格なら岡山-高松間といった、会社の境界を跨ぐ利用には対応しづらいですし、賢明な判断です。ICカード導入に必要な資金は、国からの設備投資の支援枠400億円から使います。

 JR四国は、この3月のサービス開始後の状況を見て、定期券や対象となる駅の拡大なども検討するようです。

(追記)
 記念「ICOCA」は3月1日10時から発売されますが、高松駅など販売する6駅において、その日の5時(予定)から整理券を配布します。なお、当日の状況によっては配布開始時刻を早める場合があります。
(参考:JR四国ホームページ http://jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-01-27/01.htm、http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-02-20/01.htm、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO44334560Q2A730C1LA0000/)

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予土線「鉄道ホビートレイン」は3月15日運行開始

 以前に書いた記事の続報です。

 0系新幹線の先頭部をくっつけた格好の「鉄道ホビートレイン」はダイヤ改正日の3月15日に運行を開始します。宇和島-窪川間の全線を走るのが3本、宇和島-江川崎間が1本、江川崎-窪川間が1本です。休日(3月24日、25日、28日、31日、4月1日、4日を含みます)はさらに宇和島-近永間2本も追加されます。全線通しが1往復と宇和島-江川崎間1往復の「海洋堂ホビートレイン」、全線通しが1往復の「しまんトロッコ」と比べて、運行本数は多いです。これらの3列車で予土線を行ったり来たりするのも面白そうです。なお、出発式を行う3月15日は、宇和島13:10発近永行きから運行を開始します。また、運行開始に先立ち、3月1日から15日の間、主要駅で車両展示会を実施します(詳細は後日発表されます)。

 それでは、内装についてみていきましょう。青色基調のミュージアムをイメージした内装です。新幹線の青色のイメージとも合っています。窪川方には記念撮影ができるように、転換座席を4席設置します。0系が登場した当時を思い出せる転換座席です。窪川方運転席側のドア付近には、半円筒状のショーケースを設置し、過去から現在の新幹線の先頭車を5両程度展示します。0系、100系、300系、500系、(N)700系の順のようです。宇和島方運転席側のドア付近には、大型のショーケースを設置し、定期的に展示内容を更新します。第1回目は四国にちなんだ車両を中心に展示します。ロングシート後方の窓間にも小型のショーケースを設置し、四国にちなんだ車両を展示します。

(追記1)
 当初、「鉄道ホビートレイン」は3月15日宇和島13:10発近永行きから運行を開始することとなっていましたが(一般車両にて運転します)、宇和島15:37発窪川行きからに変更することになりました。この窪川行きは、一般車両を増結することもあります。

 代わりに、多くの人の乗車が見込まれる3月15日午後は4回団体臨時運転を行います。「鉄道ホビートレイン1~4号」の名前で北宇和島までを往復します(北宇和島までは乗降できません)。12~25分のショートトリップです。「鉄道ホビートレイン1~3号」は事前(2月17日13:00~2月28日17:00)にパソコン、スマートフォンから応募する団体臨時列車で、「鉄道ホビートレイン4号」は事前応募なしに当日宇和島駅で抽選を行います。13:00から抽選整理券を配布し、13:30から抽選を行います。募集人員は「鉄道ホビートレイン1号」が20人程度、「鉄道ホビートレイン2~4号」が50人程度です(座席は37席ですので、立つ人もいます)。料金は記念品付きで大人500円、子供300円です。

 また、3月1日から15日にかけて7駅で「鉄道ホビートレイン」の展示会を行いますが、このときにJR四国全線を「鉄道ホビートレイン」が回送走行します。

(追記2)
 「鉄道ホビートレイン」は、片一方しか0系を思い出させるような団子鼻の先頭部がついていません。事故や故障時、利用者が多いときにほかの車両と連結することができるようにするためです。

 そこで先頭部がついていない反対側は、イラストで対応します。団子鼻は立体感を出すように影を描き、ライト部分は黄色く塗ります。車体の下方に小さめの青いスカートのような部品をつけて似せます。

(追記3)
 「鉄道ホビートレイン」は3年程度運行する計画ですが、利用状況等によっては継続することも考えているようです。
(参考:JR四国ホームページ http://jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-01-27/02.htm、http://jr-shikoku.co.jp/03_news/press/14-02-14/04.htm、朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASG2L4GFHG2LPLXB00B.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG2L4GFHG2LPLXB00B、「鉄道ジャーナル」2014年6月号 鉄道ジャーナル社)

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橋下大阪市長、リニアの建設費負担を検討か?

 出直し選のため辞職を表明する前の1月23日のことですが、橋下大阪市長は、リニア中央新幹線について、大阪までの全線同時開業させるため、大阪府とともに建設費の負担を検討することを表明しました。

 参考にした記事が短いものなので、詳しいことはわかりませんが、JR東海に任せていては東京-名古屋間だけの中途半端なものになってしまいます。大阪までの全線開業は名古屋暫定開業の18年後の2045年になってしまいます。それを考えれば、国などがお金を出してでも全線開業を早めるのは望ましいことです。JR東海は名古屋の会社なので(そもそも名古屋の会社に東海道新幹線やリニアの運営をさせるのが適当か、というところも問題なのですが)、名古屋さえよければよい、という考え方のようですが、肝心のリニアの採算性も、名古屋暫定開業より大阪までの全線開業をしたほうがよいのは明らかです。JR東海も柔軟な考えに転じ、全線開業を早めるほうが自分にとっても得なのです。名古屋暫定開業の段階では、狙っている航空機の旅客が転移しない危険性もありますから。

 リニアは東名阪を結ぶ基幹路線なので、国がお金を出すのが適当ですが、全線開業の必要性を認識している大阪府や大阪市が出すのも悪くはありません。どのような手法でお金を出すのか、金額はどれぐらいなのか全くわかりませんが、リニアが(名古屋止まりという中途半端な状態ではなく)全線開業するということは望ましい姿であります。おまけに言えば、関西経済連合は北陸新幹線を「米原ルート」で開業させることを求めていますが、リニアが開業しない段階では、東海道新幹線に北陸新幹線を入れる余裕がなく、せっかく米原まで新幹線が来ても意味のないものになってしまいます。2045年なら、「若狭ルート」のほうが先に新大阪に北陸新幹線が来ます。
(参考:Yahoo!ニュースBUSINESS http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140123-00000120-jijnb_st-nb)

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筑肥線等も3月15日にダイヤ改正&2015年から新車導入

 JR九州と福岡市交通局は、3月15日から筑肥線、福岡市営地下鉄空港線、箱崎線のダイヤ改正を行います。JRがダイヤ改正を行う日と同じです。

 今回のダイヤ改正の特徴は、平日朝の通勤通学時間帯の増発。唐津方面から天神、博多への通勤に便利な、西唐津5:58発(福岡空港7:22着)の快速列車を増発します。博多、天神方面から九大学研都市への通学に便利な、姪浜8:02発(福岡空港7:35発)筑前前原行き普通列車を増発します(姪浜行きからの延長)。筑前前原8:19着です。博多、天神方面から唐津への通勤に便利な、筑前前原8:02発唐津行き快速列車を増発します。博多、天神方面からの筑前前原7:59着の普通列車から接続を受け、唐津着は8:35です。

 筑肥線の快速列車は姪浜-筑前前原間において、平日は各駅に停まりますが、休日はノンストップです。しかし、その間にある九大学研都市について、3月15日からは休日も快速が停まります。上下合わせて10本が停まります。なお、唐津8:28発の筑前前原行き普通列車は筑前深江始発となり(唐津→筑前深江間の運転を取りやめ)、筑前前原17:46発の唐津行き普通列車は筑前深江行きとなります(筑前深江→唐津間の運転を取りやめ)。

 福岡市営地下鉄箱崎線については、平日22時以降の西鉄貝塚線から地下鉄箱崎線への乗り換えを改善するため、22時台に1本増発します。平日22時以降の乗り換え時間を最大17分から最大9分に改善します。なお、七隈線のダイヤ改正は行いません。

 そして、筑肥線についてですが、2015年2月から順次、新型車両を6編成(36両)投入して、福岡市営地下鉄への直通運転に使用する予定です。老朽化し、福岡市営地下鉄のワンマン運転にも対応しない103系1500番台を置き換えるのでしょう。103系1500番台は6両編成が5本、3両編成が8本なので、筑前前原から西のローカル運用を除いては置き換えられると思われます。

 話は変わりますが、3月15日のダイヤ改正関連なので続けて書きます。これまで鹿児島線小倉→博多間において、自由席特急券でも空席があれば特急「ソニック」「にちりんシーガイア」の指定席に乗ることができましたが、3月15日からはその取扱いをやめます。代わりに、「ソニック」の全列車(102号は除きます。2号、4号、6号は休日のみの取り扱いです)において、自由席を増やします。3号車が該当し、大分→小倉間は指定席ですが、小倉からは自由席に変わります。
(参考:JR九州ホームページ http://www13.jrkyushu.co.jp/NewsReleaseWeb.nsf/Search/E867C26B516AF65D49257C71003FA85F?OpenDocument、http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/GeneralFrameset?OpenFrameSet、福岡市交通局ホームページ http://subway.city.fukuoka.lg.jp/subway_apps/upload/relpdfs/20140131115748.pdf)

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万葉線にハイブリッド電車、延伸構想

 万葉線の話題をふたつ。

 万葉線沿線の高岡市、射水市は今年の夏、高性能バッテリーを用い架線のない区間でも走行することのできるハイブリッド電車(架線・バッテリー型)の走行試験をします。鉄道総合技術研究所が開発しているハイブリッド電車「ハイ!トラム」を7、8月ごろに万葉線に運び込んで試験走行し、環境面の効果などを調べるようです。また、万葉線にハイブリッド電車が走るのは夏休みに当たるので、子供たちに体験乗車をしてもらうことも検討しているようです。

 なぜ万葉線にハイブリッド電車が来るのでしょうか? 実は、高岡市はハイブリッド電車の導入を考えているようです。なぜハイブリッド電車を導入することを考えているかといえば、万葉線には延伸構想があるからです。架線のいらないハイブリッド電車を導入すれば、通常の路面電車に比べて工事費を軽減することができます。

 さて、その万葉線の延伸構想とはどういうものでしょうか? 高岡市は3月末にまとめる総合交通戦略の中間報告で、万葉線の延伸を2023年度までの長期計画に位置付けています。また片原町交差点から同市波岡地区の高岡商業高校までの2.5キロの延伸などを求める民間団体が1月に設立され活動を開始しています。高岡駅から新高岡駅方面の延伸も検討しています。射水市は2013年9月にまとめた「市公共交通プラン」で、海王丸パーク周辺への延伸を検討項目に挙げています。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20140206/CK2014020602000037.html、http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20140125/CK2014012502000034.html)

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JR東日本、中央線特急用にE353系量産先行車を製造

 JR東日本から中央線に新型特急車両を走らせるという話は以前にも書きましたが、その新型車両はE353系と名乗ることになりました。このE353系は、老朽化したE351系の取り換えを目的としています。振り子式の取り扱いに手を焼いたのかもしれないですが。

 中央線(東京-塩尻間)と篠ノ井線(塩尻-松本間)を走るE353系は、空気ばね式車体傾斜方式を採用しています。E351系の振り子式車体傾斜方式と同等の走行性能を有しています。しかし、本格的にE353系が導入される前に今回、性能評価や技術検証を行うために先行車12両をつくることにしました。先行車は基本9両編成(5M4T、定員グリーン車30人普通車502人)と付属3両編成(2M1T、定員普通車154人)からなっています。E351系は12両編成でグリーン車50人、普通車663人ですので、定員は減っています。最高速度は変わらず130キロで、シートピッチはグリーン車が1160ミリと変わらず、普通車は960ミリと10ミリ狭くなっています。2015年以降に落成する予定で、早ければ2016年春にデビューします。

 外観コンセプトは、「伝統の継承」と「未来への躍動」。中央部が黒で、側面は銀色に藤色をあしらっています。内装コンセプトは、南アルプスと梓川の「きよらかさ」、ビジネスの「機能性」とレジャーの「高揚感」です。座席は南アルプスをイメージし、青と茶色の2色を基調としています。快適な車内環境のため、一部先頭車、グリーン車に走行中の振動を低減する動揺防止装置を採用し、乗り心地を向上します。観光やビジネスユース等への対応のため、各座席にパソコンを置くことのできるテーブルとコンセントを設置します。安心して利用できるようにするため、各客室とトイレ内には乗務員と連絡可能な非常通話装置を設置します。各客室の出入口に防犯カメラを設置します。AEDを1編成に1台設置します。

(追記)
 E353系をデザインしたのは、「KEN OKUYAMA DESIGN」、奥山清行氏です。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2013/20140203.pdf、毎日jp http://mainichi.jp/feature/news/20140205k0000m040031000c.html、「編集長敬白」 http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2015/08/03/)

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明石海峡に新しい旅客船を導入か?

 明石海峡フェリー(通称:「たこフェリー」)が廃止した後の代替交通手段について協議する「明石海峡海上交通に関する協議会」の第3回会合が、1月20日に行われました。すでにこれまでの協議会では、ミニバイクを運ぶことのできる新しい船を導入すること(自転車や徒歩の旅客はほかの船で明石海峡を渡ることができますが、明石海峡大橋を渡ることができないミニバイクは代替の交通手段がありません)や明石港の浮き桟橋の整備が決まっていましたが、第3回会合では、新しい旅客船の運行開始目標を2015年夏とすることや、自治体の役割分担などを決めました。

 明石港と岩屋港を結ぶ新しい船は淡路市が建造を担当します。100トン級の船で、予算規模は4~5億円です。建造には洲本市と南あわじ市も協力します。運行は民間業者に委託する予定です。明石市は約1億円かけて明石港を整備します。兵庫県が国に交付金事業として申請するようです。

 それにしても、「たこフェリー」が運行を休止してから3年以上が経っています。本来ならもっと前に議論するような話とも思えます。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140121/wlf14012109500010-n1.htm)

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大井川鐵道、電車の本数を大幅削減

 SLが走ることで知られる、大井川鐵道。夏には「きかんしゃトーマス」も走ります。そういう話題のある大井川鐵道ですが、3月26日からSL以外の運行本数を大幅に削減します。

 大井川鐵道本線(金谷-千頭間)の電車は、現在は1日14往復走っていますが、3月26日のダイヤ改正後は金谷-千頭間の8往復と金谷-家山間の1往復に削減する方針です。千頭-井川間の井川線もこれまでの1日4往復と一部折り返しを、1日3往復と一部折り返しに減らします。通学客の利用がある朝夕の時間帯は本数を確保しますが、昼間は大きく減り、これまで最大2時間だった運転間隔は、4時間を超えます。千頭発の金谷行きの始発が35分遅くなり(千頭6:04発)、金谷発の千頭行きの最終が43分繰り上がります(金谷発20:28発)。これだけ減れば、今月で引退する元京阪3000系の代替車両は期待できません。

 このようにSL以外の運行本数を大幅に削減するのは、沿線人口の少ない大井川鐵道において(しかもその人口は減っています)、電車事業が慢性的な不採算状態に陥っているため。鉄道事業収入はSLが9割を占めているという特殊な鉄道なのです。大井川鐵道全体も、2011年度は約7700万円、2012年度は約1800万円の損失を出しました。2013年度も2011年度並みの赤字が見込まれています。2013年末の借入金残高は35億円を超えます。

 しかも、2013年4月から12月までの団体バスツアー予約客が前年同期比で46%も減ってしまいました。ツアーバスが廃止され、本来の意味での観光バスである大井川鐵道へのツアーも影響を受けたのです。大井川鐵道はSLの観光収入で成り立ってきた鉄道なので、この収入が減ることは大問題です。

 この本数削減により年間で約2300万円のコスト削減を見込みますが、この状態では今後の存続が危ういです。そこで大井川鐵道は、沿線の島田市長、川根本町長に、今後の路線の存廃や、存続する場合は大井川鐵道への支援など、地域公共交通機関としてのありかたを検討する協議会の設置を求めました。島田市、川根本町には補助金や固定資産税の減免も求めるようです。

(追記1)
 多客期には、金谷-千頭間に急行を1往復させます。この急行に乗るには、電車急行券(大人150円、子供80円)が必要です。なお、どの車両が使用されるかは決まっていません。

(追記2)
 2014年度について言えば、「きかんしゃトーマス」の予約が好調なため、黒字が見込まれます。そういうことから、地元自治体の危機感は薄いようです。

 沿線人口が希薄な中、今まで自力で運営できたほうが奇跡です。「きかんしゃトーマス」の効果は一時的なもので、根本的に地元が支えるという姿勢を見せなければ、廃止になっても文句は言えないでしょう。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20140204/CK2014020402000094.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140205/szk14020502070001-n1.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20140203-OYT8T01234.htm、http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20140619-OYTNT50258.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO66300980T00C14A2L61000/、静岡新聞ホームページ http://www.at-s.com/news/detail/933008772.html、大井川鐵道ホームページ http://www.oigawa-railway.co.jp/20141130rinji_kyuko.html)

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いすみ鉄道の急行で朝食サービス

 いすみ鉄道は毎年恒例となっている、急行列車内での朝食サービスをこの冬も実施します。

 朝食サービスを実施するのは「急行1号」(大原9:20発)のみ。大原駅で当日朝9時から販売される急行列車の指定席券を購入した人(先着12名限り)だけが受けられるサービスです。朝食は乗車後に、指定席券を提示した人に対して配ります。指定席に空席があれば、車内で指定席に変更することができ、朝食サービスを受けることができます。実施日も限られていて、1月25日、26日、2月1日、2日、8日、9日、11日、15日、16日のみです。平日に臨時で運行される2月5日、7日は朝食サービスを実施しません。

 さて、肝心の朝食は、近距離国際線の機内食サービスをイメージしたコールドミール・サービス。かつて航空会社に勤務していた社長らしいといえばそうですが、いすみ鉄道の雰囲気には合わないような気もします。無料なので贅沢は言えませんが、おにぎりとみそ汁のほうがローカル線の雰囲気が出そうです。
(参考:いすみ鉄道ホームページ http://www.isumirail.co.jp/?p=1405)

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西鉄、太宰府直通観光急行「旅人-たびと-」新設!

 西鉄は今年4月で、天神大牟田線の福岡-久留米間が開業してから90年を迎えます。そこで、沿線地域の活性化と魅力向上を目指し、人気の観光スポットであり、かつ直通列車が普通のため使いづらい大宰府への列車の旅を一層楽しめるよう、福岡(天神)発太宰府行きの急行を新設することになりました。

 太宰府行きの急行が新設されるのは3月22日から。薬院、大橋、春日原、下大利、二日市、五条に停まり、福岡(天神)から太宰府まで最速で27分です。福岡(天神)発太宰府行きの片道だけ運転され、平日は福岡(天神)発9:46、10:16、10:46の3本、休日は9:46、10:17、10:47、11:17、11:47の5本運転されます。

 しかも、一部の列車には、太宰府市、太宰府天満宮、太宰府観光協会などの協力により、車両の内外に太宰府一色のラッピングを施した太宰府観光列車「旅人-たびと-」を運行します。2扉の特急用車両を改造します。「旅人-たびと-」は万葉集の代表的な歌人で大宰府に赴任していたこともある、大伴旅人にちなんだもので、第39代太宰府天満宮宮司の命名によるものです。

 「旅人-たびと-」の外装は、「太宰府名所巡り」をテーマにしています。太宰府天満宮や九州国立博物館など太宰府の観光スポットを、日本画風の和の世界観を意識しながら清楚で上品に表現しました。内装は、「6つの願い」をテーマにしています。古来、人々の願いをかなえるのに役立つ文様といわれている6つの和文様を各車両の壁面にあしらいました。例えば、6号車(太宰府寄りの車両)の梅は学業(合格)にちなんだものです。また、網棚の上には大宰府の名所を紹介するポスターや、各文様が表わす意味の説明を日本語、英語、中国語、韓国語にて掲出します。1号車と6号車の先頭車の最前列シート12席ずつは、梅文様をデザインした落ち着いた雰囲気の特別仕様シートとします。3号車には、太宰府の観光パンフレットや物産品を展示するディスプレイキャビネットを設置するほか、観光客や子供向けの記念スタンプ台も設置します。車両製作費は3500万円です。JR九州の「ななつ星in九州」に比べればささやかかもしれませんが。

 車両点検時を除いて毎日運行し(点検時はほかの車両が走ります)、運賃以外の料金はいりません。平日も休日も最初の福岡(天神)発の急行で大宰府に向かったのち、太宰府到着後は二日市-太宰府間を普通列車として、平日は10往復、休日は13往復します。

(追記)
 「旅人-たびと-」の福岡(天神)への送り込みは平日は筑紫発の普通、休日は筑紫発の急行で行われます。
(参考:西鉄ホームページ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2013/13_154.pdf、鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2014/03/post_1162.html)

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新関空会社、エスコートサービス開始

 新関西国際空港会社は、関西空港において、この2月1日から、ビジネス客を主なターゲットにしたエスコートサービス、「KIX VIP SERVICE」を開始しました。

 サービスの内容は、出発の場合は降車所や駅改札などでの出迎えに始まり、航空会社チェックインカウンターへのエスコートと手続きのサポート、保安検査場へのエスコート、出国審査場へのエスコート(国内線の場合はなし)、希望により店舗や免税店に案内、ラウンジへの案内(ただし国際線ラウンジの利用は22時まで)、搭乗ゲートまでのエスコートです。到着の場合は到着口での出迎えと、乗車所や駅改札などへのエスコートです。国際線と国内線の乗り継ぎエスコートにも対応します。なお、このサービスを受けるには、予約が必要です。

 肝心の利用料金(いずれも税抜)は、国際線出発は1人が20000円、2人が30000人、3人以上の場合が1人を追加するごとに5000円加算します。国際線到着は1人が5000円、2人以上の場合が1人を追加するごとに1000円加算します。それ以外のケースは運営会社である関西エアポートエージェンシーに問い合わせてください。
(参考:新関西国際空港株式会社ホームページ http://www.nkiac.co.jp/news/2013/1879/kixvipservice.pdf)

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北陸新幹線開業後、和倉温泉直通「サンダーバード」は1往復のみ

 北陸新幹線が開業すれば、北陸線(金沢-津幡間)は第三セクターで運営することになりますが、七尾線(津幡-和倉温泉間)はJR西日本の路線のまま残ります。七尾線には大阪などから直通の特急が走っていますが(大阪からの「サンダーバード」4往復、名古屋からの「しらさぎ」1往復、越後湯沢からの「はくたか」1往復)、新幹線開業後も存続する方針であることはわかっていたものの、それがどういうものかは不透明でした。短いとはいえ、金沢-津幡間は第三セクターになりますから。

 そんな中、1月28日、JR西日本の真鍋社長は、谷本石川県知事と会談しました。その会談上で、北陸新幹線開業後も七尾線に特急は現在と変わらない6往復が走るものの、そのうち5往復は金沢-和倉温泉間のみのいわゆるシャトル便で、北陸線から直通する特急は大阪からの「サンダーバード」1往復のみとなることが判明しました。利用率の高い1往復のみが直通となるようです。「サンダーバード13号」「サンダーバード36号」に相当する列車が残るとも言われています。金沢駅では同一ホームで能登方面の特急に乗り換えることができるようにするとともに、大阪駅を発車する特急においても和倉温泉方面への接続があることをアナウンスします。また、シャトル便には新たに愛称をつけるということです。運行ダイヤや使用車両はこれから検討します。それにしても、1往復しか大阪からの直通が運転されないとは、拍子抜けです。

 ただ、直通の「サンダーバード」が1往復に減っても、谷本知事など関係者は反発していません。ということは、1往復でも直通を維持すればそれなりに評価してくれるということでしょう。北陸新幹線が開業しても直通運転するのが求められる区間があります。それは大阪-富山間。直通運転が1往復でもあれば評価してくれるなら、早朝・深夜の新幹線が運転しない時間帯だけでも直通すればいいでしょう。運転本数が少なければ費用の増加も抑えられます。JR西日本も乗客の利便性のために直通運転を残したといえますから、悪い話ではないでしょう。

 話は変わりますが、輪島、珠洲、七尾の3商工会議所と羽咋商工会は、2月13日に広域交通網の整備に向けた「能登4市経済団体懇談会」の初会合を開きます。北陸新幹線が開業しても、新幹線駅からのアクセスが悪ければ、能登まで足を運んではくれません。金沢から能登への二次交通は七尾線や特急バスなどがありますが、周遊観光に適したものはありません。能登に観光客を呼び込むためには、この二次交通の整備が重要となるのです。なお、北陸新幹線が開業する2014年度には能越自動車道七尾氷見道路が開通します。新高岡から車で行きやすくもなります。今後は、各商工会議所等の会頭らが集まる懇親会は年数回、各商工会議所等の事務局長らで組織する幹事会は随時開催する予定です。
(参考:タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/nanao/、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2014012902000195.html、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG1X5W40G1XPJLB00Q.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20140128-OYT8T01330.htm、北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20140124104.htm)

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東武「TJライナー」、朝ラッシュ時にも運行か?

 東武東上線で平日、休日ともに夕方以降のみ運転されている「TJライナー」。池袋から森林公園方面のみの運転で、帰宅のための列車です。近鉄のL/Cカーのように、ロングシートにも転換クロスシートにもなる特別の車両を使い、300円の整理券を払えば、着席が保証されます。

 その「TJライナー」、詳しいことはわかりませんが、2015年にも朝ラッシュ時の池袋方面への運行を開始するようです。朝のラッシュ時もお金を払えば快適な通勤ができるのです。

 このほか、川越駅など乗降者数の多い主要駅でホームドアの設置を行うようです。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO66129510Q4A130C1L72000/)

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只見線会津川口-只見間の営業係数は6700

 以前に書いた記事の続報みたいなものです。

 2011年7月の新潟・福島豪雨でJR東日本の只見線会津川口-只見間27.6キロが不通となっていますが、この区間について話し合う「JR只見線検討会議」の初会合が1月22日に開かれました。その中でJR東日本が提示した資料がありますが、それは只見線の厳しい現状を改めて浮き彫りにするものでした。

 すでにJR東日本は、全線の年間収入が1.7億円(2010年度)に過ぎない只見線に対して、10年分以上の約19億円を支出しています。内訳は、復旧工事費が会津坂下-会津川口間で約5億円、只見-大白川間で約2億円です。そして、運休を続けている会津川口-只見間には桁撤去費として約12億円を支出しています。

 会津川口-只見間の復旧には約85億円を要すると見込まれています。第5只見川橋梁が約2億円、第6只見川橋梁が約13億円、第7只見川橋梁が約11億円、第8只見川橋梁が約45億円、その他斜面・軌道・信号通信設備等に約15億円を要します。只見線全収入の50年分に匹敵する数字です。

 只見線が利用者の多い路線ならそれでも復旧させないといけませんが、現状はそれに遠く及ばない数字です。2010年度の輸送密度は廃止になった岩泉線(29人、脱線事故が起こる前の2009年度は46人)に続いて低い数字の370人。JR全体で見ても9番目に低い数字です。また、分割民営化直後(1988年)の只見線の輸送密度は634人で、長期的に見て減少傾向にあります。通学定期の利用者は1割も減っていませんが(283人→264人)、通勤定期(29人→10人)と普通運賃等のそれ以外(322人→96人)の減少度合いが著しいです。以前にも書いたので詳しくは書きませんが、区間ごとに分けていくと、さらに会津川口-只見間の悲惨さが見えてきます。輸送密度はたったの49人(岩泉線とほぼ同等)、分割民営化直後(1988年)の数字は184人なので、20年あまりの間に1/4程度に減ったことになります。

 それでは、代行バスの利用状況はどうでしょうか? 2013年4月から12月の実績が紹介されています。代行バスは1日5往復運転され(2012年10月に5.5往復になりましたが、列車との接続が改善されたことから2013年3月のダイヤ改正で5往復に減っています)、2012年12月に停留所が3か所増設されています。所要時間は鉄道時代が44分、バス50分で遜色なく、2012年4月から2013年12月までの運休率はわずか1.7%、同期間における只見-小出間の6.2%、会津若松-会津川口間の2.4%より良い数字です。しかし、利用は振るわないのが現状です。1日平均の利用者数は平日が33.3人、休日が27.7人で、1便当たりにすると平日でも3.3人です。一番利用者の多い朝始発の会津川口行きでも(只見7:10発会津川口8:00着)、平日の利用者は11.3人にすぎません(休日は5.3人)。中には休日のほうがよく乗っている便もありますが、それは会津川口でも只見でも接続がよく、鉄道ファンが通しで乗っているものと思われます。反対に接続が悪い便だと1人も乗っていないものもあります(最低で0.2人)。

 復旧した只見-大白川間(輸送密度は54人)の状況にも触れておきましょう。1日に3往復している同区間の1日平均の利用者数(2013年4月~12月)は平日が26.0人、休日が43.1人で、休日のほうが多くなっています。便別に検討すると、只見や会津川口での接続がよい小出13:11発只見14:28着の利用者が一番多く、平日で10.0人、休日だと15.1人います。駅ごとの利用状況を見ても明らかなように、只見付近では定期券以外の利用者数はほぼ40人程度で安定しています。通学などの日常的な利用ではなく、鉄道ファンあたりの通しで乗る需要が多いようにも見えます(つまり、只見などで途中下車して食事などでお金を使ってくれることは期待しにくいです)。いくら冬季には代替の道路がないとはいえ、鉄道を復旧させる意味があったかは疑問がもたれるところです。線路敷に道路をつくればいいのですから。

 さて、只見線の収支状況についてみていきましょう(数字は2009年度のものです)。区間ごとに分けてみると、全線で135.2キロある只見線のうち、たった21.6キロの会津若松-会津坂下間で6割以上の収益を上げています。営業収益の額は1.16億円、当然ながら赤字ですが、営業係数は約390と、ローカル線にしては悪くはありません。輸送密度も1000人以上あり、第三セクターにして本数を増やせばそれなりに使えそうなところです。会津坂下-会津川口間の営業係数は約1600、大白川-小出間は約2560と続き、只見-大白川間は約5650、会津川口-只見間は約6700です。売り上げはたった500万円なのに、営業費が3.35億円もかかるのです。地元に払う固定資産税(1200万円)のほうが高いのです。2005年度からの5年間を見ても、営業係数は4770~6700の範囲にあり、慢性的な傾向です。国鉄時代、超赤字路線として有名だった美幸線の廃止直前3年間の営業係数は4101、それを大きく上回ります。もちろん、営業係数は計算の方法で変動して正確な数字ではありませんが、大赤字路線であることには間違いないことでしょう。

 この現状を踏まえて、JR東日本サイドは、仮に工事費用を全額負担してもらっても厳しいという見解を出しています。国交省も、現行の制度では国が復旧を支援することはできないとしています。福島県と会津地方の市町村は復旧費用(85億円)の1/4を負担するとしていますが(4年間で基金として積み立てます)、このような状況で復旧工事をするならば、JR東日本は残りの3/4を負担しないといけません。正直言って、バスで十分な区間に巨額の支出をする意味は国にとってもJRにとってもないでしょう。地元自治体は鉄道として残したいならば、無茶な要求はせず、自らが負担する姿勢を見せないと、廃止になっても文句は言えないでしょう。今までの実績が悪すぎますから。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/railway/pdf/20140122tadami.pdf、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/tadami/、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/CMTW1401240700002.html)

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濃飛バスが高山-中部空港間に直行バスを試験運行

 濃飛乗合自動車は今日2月1日から5月14日まで、高山と中部空港を結ぶ直行バスの試験運行を始めます。

 タイや香港など、利用客が増える傾向にある地域からの便に合わせて、1日1往復運行します。高山発10:00-ひるがの高原発10:45-中部空港着13:30、中部空港発17:00-ひるがの高原着19:45-高山着20:30のダイヤで運行します。運賃は中部空港-高山間が片道4000円、中部空港-ひるがの高原間が片道3000円ですが、このバスを中部空港から利用した人は、高山-白川郷間往復乗車券(通常4300円)、高山-奥飛騨2日間フリー乗車券(通常4000円)、高山市内1日フリー乗車券(通常600円)が半額になります。高山祭屋台会館など高山市内の観光施設3か所の無料入場券ももらえます。また、トランク付きの大型バスを使用し、車内での乗車券販売に対応するため、クレジットカード決済機も搭載します。

 中部空港から飛騨への交通を整備することにより、外国人旅行客の訪問客数の増加と本格的な運行の可能性を検証するのが、この試験運行の狙いです。

(追記)
 高山と中部空港とを結ぶバスの運行は、2015年3月31日まで延長されることになりました。なお、途中の停車駅は郡上八幡インターになっています。中部空港-郡上八幡インター間の片道運賃は3000円です。
(参考:飛騨経済新聞ホームページ http://hida.keizai.biz/headline/599/、濃飛乗合自動車ホームページ http://www.nouhibus.co.jp/centrair/index.html)

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北大阪急行、大阪モノレールの延伸を決定!

 大阪府は1月27日の2013年度第6回大阪府戦略本部会議で、北大阪急行大阪モノレールの延伸などについて、具体的な整備計画の概要を決定しました。

 北大阪急行の延伸は、千里中央から新箕面へ約2.5キロ延伸するもの。梅田-新箕面間が24分で結ばれます。3月末までに箕面市と基本合意書を結びます。その後、負担協議を経て2015年度末に基本協定書を結ぶ見通しです。実施設計は2014年度、2017年度から用地取得・工事に着手し、2020年度に完成させる予定です。整備費は約600億円で、国が260億円、大阪府が100億円、箕面市が160億円、北大阪急行が80億円を負担します。足らなければ箕面市が負担します。ルートは千里中央から国道423号線の地上または地下を通るのですが、千里中央から箕面船場の北側まで地下を走り、その先は終点の新箕面まで高架を走ります。約50億円の車両費は、国と箕面市が半分ずつ負担します。

 大阪モノレールの延伸は、門真市から瓜生堂(東大阪市)まで約9キロ延伸するもの。門真南、鴻池新田、荒本を通り、近鉄奈良線に瓜生堂駅をつくります。整備は約1050億円で、大阪府と周辺自治体が333億円、残りは国などが負担します。今後、採算性を検証し、2014年度に事業化の可否を決定します。2015年度には測量・土質調査、設計、環境アセスメント調査に取り掛かります。2016年度に事業化の意思決定をする計画です。

 また、なにわ筋線(10.2キロ、事業費2500億円)と西梅田・十三・新大阪連絡線(5.2キロ、1350億円)の整備の検討を続けます。なにわ筋線は今後、事業化に向けた府市一体の検討をスタートします。西梅田・十三・新大阪連絡線はうめきたのまちづくり、東海道線支線地下化の状況を見て判断します。

 これら4つの路線の整備には、泉北高速鉄道を運営する大阪府の第三セクター、大阪府都市開発の株式売却益を充てるようですが、にも述べた通り、まだ売却は決まっていません。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/140127/wlf14012713070018-n1.htm、建設通信新聞ホームページ http://www.kensetsunews.com/?p=25573、YOMIURI ONLINE http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20140128-OYO1T00298.htm、日経ケンプラッツ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20140331/657369/)

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