北海道新幹線開業後も寝台列車は走るのか?
北海道新幹線が開業して気になることは、寝台列車が走り続けるのかということ。以前には気になる記事も書いています。「カシオペア」はともかく、「北斗星」や「トワイライトエクスプレス」は老朽化しています。
これに加えて、北海道新幹線特有の問題として、青函トンネル部分を新幹線と在来線が共有するという問題があります。寝台列車は深夜に青函トンネルを通過するものもあります。しかし、新幹線は0時から6時の間、保守のためまったく運行しません。これがそのまま青函トンネルにも適用されたら、大変です。寝台特急のみならず、貨物列車もその時間を通ることができませんから。JR貨物の試算によれば、0時から6時まで青函トンネルを通過できないとなると、北海道を出た貨物列車が東京や大阪などに着くのが2~10時間遅れるようです。JR貨物にも、(農産物をスムーズに運ぶことができないという意味において)北海道自体にも大きな悪影響を与えます。ただ、青函トンネル内は、新幹線も在来線並みの速度で運転します。開業してしばらくすると高速運行するのも出ますが、1日1本限りです。そのため、保守時間は4時間程度でよい、とする見解もあります。
それでは、JR北海道は寝台列車について、どのように考えているのでしょうか? 実はJR北海道としては、寝台列車は人気が高いので、できるだけ走らせ続けたいと考えているようです。それなりに収入が見込める寝台列車は存続させる価値があるようです。
問題は機関車。北海道新幹線開業により、新幹線と在来線の共用区間の電圧が20000ボルトから25000ボルトになります。今までの機関車は使えず、新たな機関車を用意しないといけません。JR貨物はすでにそれに対応する新型機関車を導入する予定で、試作車はすでに完成しています。2016年春までに20両を投入する計画で、検修設備を含めた総コストは190億円となります。この新型機関車をJR北海道も導入することができるかが重要な問題となります。現在、JR北海道が保有する青函トンネル用の機関車は予備車も含めて9両ありますが、「はまなす」を含めて現在あるすべての寝台列車を走行させるには予備車を含めて5両ぐらいは新型機関車を用意しないといけません。約50億円かかります。いろいろトラブル続きのJR北海道ですが、そういう投資をしないとせっかくの寝台列車も走らせ続けることはできません。
人気の寝台列車が走り続けるのは望ましいことですが、あまり大きくは期待せずにみていきたいと思っています。
(参考:東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/30297)
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Comments
保守時間や他の列車との兼ね合いがダイヤ上クリアできれば
ディーゼル機関車に曳かせる手もありませんか
観光客が主な顧客なら、出発・到着時刻を多少変えても良さそうです。
Posted by: しぃろ | 2014.02.19 08:59 PM
しぃろさん、おはようございます。
* ディーゼル機関車に曳かせる手もありませんか
青函トンネルでは、自走できるディーゼルカーも、わざわざ電気機関車に引っ張られます。
* 観光客が主な顧客なら、出発・到着時刻を
今のダイヤが保守時間にかかるならば、ダイヤの変更はやらざるを得ないでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2014.02.20 05:47 AM
>ディーゼル機関車に曳かせる手もありませんか
青函トンネルは55キロにも上る長大トンネルで、排気が問題になるため、ディーゼル機関車を通すわけにはいきません。
>問題は機関車。
機関車だけでなく、客車も経年40年近くになっているため、新造する時期に来ています。
そこまでして残すかは疑問です。
ただし、「ななつ星」タイプの超豪華・クルーズ列車を新設するなら可能性はあるでしょう。
それでも、JR東・北海道2社跨りになるからどうか。
>予備車を含めて5両ぐらいは新型機関車を用意しないといけません。
寝台列車のためだけに、JR北海道が機関車を保有するのは非効率です。JR貨物から借りた方がいいでしょう。
Posted by: かにうさぎ | 2014.02.20 09:31 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* 青函トンネルは55キロにも上る長大トンネルで、
まさにその通りです。
* 機関車だけでなく、客車も経年40年近くになっているため、
つくるなら、「カシオペア」「ななつ星in九州」のような豪華寝台列車でしょう。
* 寝台列車のためだけに、JR北海道が
スケールメリットの観点からいえば、JR貨物に保有してもらい、JR北海道が借りる形式のほうがよいでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2014.02.21 06:50 AM