気仙沼線に電気BRT車両
気仙沼線と大船渡線のBRTについての話題をいくつか。まずは車両から。
気仙沼線には、国交省「地域交通グリーン化事業」の支援を受け、環境負荷の小さい電気BRT車両を1両導入します。充電式リチウムイオン電池を搭載し、電気によりモーターを回転させて走行するもので、本吉-気仙沼線21.5キロを1回の充電(36分で充電します)で走行します。20キロを超えて電気で運行する定期路線バスの事例は珍しいようです。屋根上には太陽光パネルを設置し、車内照明やUSB充電用に使用します(車内にはモバイル充電用USBコンセントを設置します)。また、災害時には100ボルト電源の供給が可能なコンセントを5口装備しています。外装デザインはBRTをイメージする赤をベースにしていますが、エコをイメージする緑を入れ、EVであることを示すため、電池のデザインも施しています。内装はエコをイメージするため緑をシートの色に採用しています。定員は運転士を含めて49人、うち座席は20席です。営業運転を行いながら、将来の本格的導入に向けて、様々な技術的課題の検証を行います。
そして、乗車することが目的となる、乗って楽しい観光型BRT車両を、気仙沼線(柳津-気仙沼間)と大船渡線(気仙沼-盛間)に1両ずつ導入します。車両はBRT暫定運行時のものを再利用しています。デザインはそれぞれ違い、気仙沼線は「おでかけ『旅』」を、大船渡線は「三陸の『海』」をテーマにしています。気仙沼線の外装デザインは山々の緑色を基調とし、沿線で目に入る魚や植物などをパッチワーク柄にまとめ、ピクニックのような楽しさを感じることができるようにしています。内装デザインは床を芝生をイメージする緑とし、シートはピクニックシートのようなカラフルな色、バスでは珍しいボックスシートもあります。大船渡線の外装デザインは三陸の海をイメージした濃い青色を基調に、白波を想像させる白、BRTの赤を入れています。海沿いの岩、鳥、魚をモチーフに加えています。内装デザインは海の青をベースカラーに、海をイメージさせる岩や船、鳥や魚のデザインを取り入れたシートを配置しています。車窓が目の前に迫る窓向きシートも採用します。そのほか、大きな眺望を確保するための大きな窓、車両の特徴や沿線の観光情報を紹介するための車内のモニターやパンフレットの設置、また臨場感ある映像をモニターで放映するための運転席に設置したビューカメラがあります。
電気BRT車両、観光型BRT車両の運行開始日及びダイヤは未定ですが、電気BRT車両は2月28日に納車され、3月上旬から走行試験及び試運転等を行う予定です。JR東日本は、電気BRT車両の運行状況を見ながら、大船渡線などほかの路線にも導入するかを検討します。
車両以外にも変更点があります。JRのダイヤが変わる3月15日からBRTもダイヤ改正を行います。気仙沼線は夕方に本吉発気仙沼行き1本を増発するほか(本吉19:21発、平日のみ)、大船渡線列車のダイヤ改正に合わせて、気仙沼発本吉行き最終BRTなどを繰り下げます。志津川行き最終は気仙沼発19:55(従来より10分繰り下げ)、本吉行き最終は気仙沼発21:10(従来より25分繰り下げ)です。大船渡線BRTも、大船渡線列車のダイヤ改正に合わせ、時刻を変更します。盛行き最終は気仙沼発21:59(従来より30分繰り下げ)です。このほか陸前矢作-陸前高田間について、陸前矢作行きが1本増え20本となりますが、盛方面行は1本減って18本となります。
4月1日からは消費税率引き上げ等に伴い、運賃も値上げされます。柳津-気仙沼間1140円、気仙沼-盛間840円などです。これまで、碁石海岸口駅の運賃については、外方の隣接駅を基準とした運賃を適用してきましたが、同日から同駅発着の新たな運賃を適用します。碁石海岸口を発着する乗車券類(乗車券、回数券、定期券)は、4月1日から発売されます。
陸前高田市からの要望を受け、2013年7月から11月まで臨時停車していた奇跡の一本松駅への停車も再開します。3月1日から当分の間、停車します。奇跡の一本松駅は、運賃計算上、陸前矢作-竹駒間に設置された駅とし、外方の隣接駅を基準とした運賃を支払います。すなわち、気仙沼方面からは竹駒までの運賃を、陸前高田、盛方面からは陸前矢作までの運賃を支払います。
そのほか、年度末及び年度初は定期券の購入で窓口の混雑が予想されるため、3月1日から4月10日の間に新規に購入される場合に限り、定期券の発売日を14日前からとします。BRTと鉄道線を乗り継ぐ定期券も同様です。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1392950749_1.pdf、http://www.jr-morioka.com/cgi-bin/pdf/press/pdf_1392885866_1.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG2P4FJ6G2PUNHB00G.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20140226-OYT8T01461.htm)
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