「サンダーバード」等、車内販売廃止へ
関西と北陸の間を1日23往復走る「サンダーバード」などについて、今年の9月15日をもって車内販売が廃止されます。
車内販売が廃止されるのは、「サンダーバード」(大阪-金沢間のみ営業)と「しらさぎ」(米原-金沢間のみ営業)。「サンダーバード」は上下46本のうち44本で営業、「しらさぎ」は上下32本のうち14本で営業しています。「サンダーバード」、「しらさぎ」の車内販売はJR西日本のグループ会社である北陸トラベルサービスが担当しています。「サンダーバード」の前身である「雷鳥」、「しらさぎ」がデビューしてから約50年、車内販売をしてきたのですが、これがそっくり消えるわけです。どうやら北陸トラベルサービスは年内に会社を清算するようです。
車内販売が廃止される理由は、駅構内や周辺にコンビニなどが充実し、割高で品数(「サンダーバード」や「しらさぎ」では約70品目を販売しています)に制約がある車内販売に頼る割合が減ったことです。特に最近の減りは著しく、2012年の売り上げは4年前より約4割も減ったのです。車内販売が廃止されるのは全国的な傾向で、JR東海では2013年3月に、在来線のすべての特急列車で車内販売が廃止されました。JR西日本管内でも2009年に岡山と出雲市を結ぶ「やくも」で廃止され、2011年には「はまかぜ」「北近畿」で廃止されました。「サンダーバード」等の車内販売が消えると、観光列車以外で残るのは「くろしお」のみです。今後は「駅ナカ」や売店の品ぞろえを充実させるとのことです。
北陸でほかに車内販売をしている特急は「はくたか」と「北越」がありますが、「はくたか」は現在北陸トラベルサービスが担当している便をJR東日本系の日本レストランエンタプライズに変更して車内販売を継続します(10月1日から変更します)。「北越」は全便が日本レストランエンタプライズが営業しているため、影響はありません。もっとも、「はくたか」「北越」が安泰かといえば、そうではありません。北陸新幹線開業により、列車そのものが消える可能性が高いのです。北陸新幹線が開業した段階で、北陸エリアでは新幹線以外の車内販売が行われなくなるとみるのが妥当な見かたでしょう。
(追記)
日本レストランエンタプライズは、10月1日に金沢市内に「金沢列車営業支店」を開設します。日本レストランエンタプライズは、これまで北陸トラベルサービスが行ってきた「はくたか」での車内販売業務を引き継ぎます。8往復で行い、「Suica」などでも支払いができます。
また、日本レストランエンタプライズは、北陸トラベルサービスの車内販売員9人を雇用します。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2014/02/page_5205.html、北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20140221102.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG2N5RD2G2NPJLB00K.html、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140925-00173114-hokkoku-l17&pos=1)
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