関空、伊丹の運営権売却額1.8兆円以上か?
以前にも書いたように、新関空会社は、一体運営している関空、伊丹の運営権を2015年に売却する予定です。その売却額について新しい話が出ました。売却額を1.8兆円以上に設定しようとしているのです。運営期間は45年間で、この期間で分割して支払ってもらいます。しかも、落札者(投資ファンドや国内の金融機関、商社、海外の空港運営会社などが想定されています)が契約期間中に運営権を手放した場合でもお金が入ってくるように、保証金を5000億円程度積み立てさせることも検討しています。新関空会社と国は、関空、伊丹両空港の売却計画や入札条件を6月ごろをめどに決め、夏ごろに一次入札を行います。年内には落札者を決め、2015年度から民間による運営を始める予定です。
確かに1.8兆円もの高値で関空、伊丹を買い取ってくれれば、1.2兆円もの借金(2013年3月時点)は完済に向けて大きく動き出すでしょう。45年もの分割払いとはいえ、長期にわたって多額の収入があれば、借金は消えます。しかし、運営権を買い取った会社は関空や伊丹で稼いで代金を新関空会社に払わないといけません。年間の支払額は400億円が想定されていますが、新関空会社の2014年3月期の営業利益(予想)は、前年同月比で約4割増えるものの、289億円しかありません。営業利益が多くないと年間の支払額も多くなくなり、ひいては運営権も安くなってしまいます。航空機の着陸料やターミナルビルのテナント収入で稼がないといけないのです。
関空、伊丹の運営権を高額で売るには、潜在能力の高い関空で稼がなくてはなりません。世間のイメージとは違い、伊丹には期待できません。今年の夏は国際線の旅客便数が767往復になる見込みで、さらなるLCCの増加に対応するために2016年度に第3ターミナルを完成させます。免税店やテナントが入るターミナルビルの拡張工事を進めます。
(参考:朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASG4P5FHTG4PPLFA005.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG4P5FHTG4PPLFA005)
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