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仙台市バス再編、住民から反発

 仙台市地下鉄東西線は2015年に開業します。それまで東西線沿線の公共交通はバスが主役でしたが、地下鉄が開業すれば当然ながら変わります。これまで中心部に直通していたバスは大幅に減ることになるのです。代わりに八木山動物公園、薬師堂、荒井の3駅に接続するバス路線を設けます。

 仙台市は東西線沿線各地でバス路線再編の説明会を開いています。4月25日から6月6日まで32回開きますが、5月11日までの段階で12回実施されて、合計約440人が参加しました。しかし、その説明会で、バス路線を減らす仙台市の方針に異論や反論が続出しています。バスと地下鉄を乗り継ぐのではなく、バスだけで行くことのできる現状を変えないことを求めているのです。

 利用者の本音としては確かにそうでしょう。ほかの都市でも同様の結果が出ています。ただ、そういう要望をそのまま受け入れてバス路線を残したら、何のために地下鉄をつくったかわかりません。地下鉄だからこそ大量に運ぶことができ、運行本数も多くできるのです。中心部の渋滞の影響を受けません。鉄道とバスの適性にあった分担をすることができるのです。どうしても最初は抵抗感があるでしょうが、開業して地下鉄の速さを知れば、考えが変わるかもしれません。そうなれば中心部へ直通するバスは最小限で済むでしょう。

 仙台市は今回の一連の説明会で出た意見を踏まえて、再編の最終案をつくります。10月から11月にかけて第2回の説明会を開き、2015年3月までに決定します。

 話は変わりまして、仙台市の窓口業務について。公営地下鉄の駅業務を民間委託する例は多く、仙台市交通局以外の8都市の公営地下鉄ですでに導入しています。仙台市交通局でも、経営効率化のため、東西線の業務を民間委託します。乗車券販売、改札、乗客の案内などが委託の対象で、運行業務は委託の対象外です。民間委託により、2019年度までの5年間で後述する南北線で3億円、東西線で3.5億円の経費削減が見込めます。主に人件費を減らせることができます。

 民間委託するのは、東西線全13駅のうち、運行関連業務が多い両端の荒井、八木山動物公園とターミナルの仙台駅を除く10駅が対象となります(大町西公園は2018年度から)。委託期間は2019年度までで、6月下旬に募集要項を公表し、7月下旬に受付を開始、10月中旬に外部有識者でつくる選定委員会の評価を基に事業者を決めます。なお、駅を指導監督する駅長、助役は委託の対象にはならず、交通局の職員が行います。

 南北線についても同様に民間委託する方針です。東西線とは別の会社に委託します(南北線、東西線で各1社)。東西線開業の数か月前に実現することを目指しているようです。全体で地下鉄30駅のうち20駅の窓口業務を委託する方針です。規模が同じような福岡市地下鉄の状況を踏まえて、委託する駅では2人の駅員を置きます。非常時には直営の10駅にいる交通局の職員が駆けつけます。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201405/20140513_11014.html、http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201405/20140516_11019.html、http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201405/20140522_11009.html)

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