« 長崎新幹線、地元からフル規格を求める声 | Main | 北越急行、北陸新幹線開業後も快速列車は運転 »

高松駅弁、9月末解散へ

 JR四国は、子会社の弁当製造販売会社、高松駅弁(資本金4500万円)を9月末で解散させる方針です。今年度中に清算します。高松駅弁は2009年度から4期連続の赤字でかつ債務超過(2013年3月期で6800万円)の状態にあるため、解散させることにしたのです。経営安定基金の積み増し効果があるうちに、不採算の子会社を整理し、経営体質の改善を図るのが狙いです。

 駅弁の製造は6月20日に終了する予定です。JR四国としてはおひざ元の駅だけに駅弁の製造委託先を探し、今後も駅弁を続けていきたいようですが、今のところ後釜は決まっていません。また、高松駅弁は弁当の製造・車内販売のほか、弁当店、うどん店(2店舗)、土産店を経営しています。すべて5月11日に閉店しますが、高松駅構内にない土産店を除いてはJR四国グループの子会社が運営を続けます(弁当店は6月までの暫定措置)。約60人の従業員は後継先に移籍できるようにするとのことです。

 高松駅弁の前身は、1897年に讃岐鉄道が高松-丸亀間で開通したときに弁当を始めた、高塚松濤軒<たかまつしょうとうけん>。1943年に高松駅弁当として設立されました(1999年に現名称に変更)。1988年の瀬戸大橋の開通までは高松は四国の玄関口でした。弁当類の売上高は1987年度の数字で約23.97億円でしたが、瀬戸大橋の開通で高松を経由する客が減り、高速道路網の発達やコンビニの進出などで業績は悪化し続け、2012年度の売上高は5.68億円までに減少してしまいました。当期純損失は7500万円の赤字です。駅弁には構造的な問題があります。駅弁は常温で1日保存することができるという基準があり、調理や衛生面でコストがかかるようです。また、駅弁では地元の名物を使いたいところですが、アナゴやタイラギ貝は乱獲の影響で価格が不安定となり、材料の確保が難しくなっています。

 JR四国での車内販売は採算の悪化のため、2003年にいったん廃止されましたが、2009年に高松駅弁によって復活されました。予讃線、土讃線で車内販売を行っています。採算が取れないことには変わりないのですが、赤字覚悟で今後もグループの子会社が事業を続ける予定です。

(追記)
 6月1日から20日の間、「しおかぜ」「南風」の車内販売が休止となります。
(参考:四国新聞社ホームページ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20140417000126、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140418/kgw14041802170003-n1.htm、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASG4H7R20G4HPLXB00Y.html、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20140430k0000m020014000c.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO69922540V10C14A4LA0000/、JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/osirase/syanaihanbai.pdf)

| |

« 長崎新幹線、地元からフル規格を求める声 | Main | 北越急行、北陸新幹線開業後も快速列車は運転 »

鉄道」カテゴリの記事

JR四国」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 高松駅弁、9月末解散へ:

« 長崎新幹線、地元からフル規格を求める声 | Main | 北越急行、北陸新幹線開業後も快速列車は運転 »