« 常磐線「フレッシュひたち」、金曜日の夕方に増発 | Main | 5月31日、「モーニング娘。’14」特別列車運行 »

「北斗星」「カシオペア」も北海道新幹線開業時に廃止か?

 先日、大阪と札幌とを結ぶ豪華寝台列車、「トワイライトエクスプレス」が2015年3月に廃止されるという話を書きましたが、ほかの豪華寝台列車、「北斗星」と「カシオペア」(ともに上野-札幌間)も安泰ではありません。「トワイライトエクスプレス」、「北斗星」、「カシオペア」はともに人気列車なのですが、存続できない事情があるのです。以前に書いた、客車の寝台列車が消えてしまう危険性が高いのです。

 「北斗星」に関しては、車両の老朽化という問題があります。「トワイライトエクスプレス」同様、国鉄時代の古い車両で、どうにもならないのです。しかし、「カシオペア」の車両は1999年と新しく、その理屈は成り立ちません。

 「北斗星」「カシオペア」(そして「トワイライトエクスプレス」も)が存続できない理由、それは北海道新幹線の開業にあります。2016年春に新青森-新函館間が開業すると、新幹線と在来線が共用する、青函トンネルなどの電圧は20000ボルトから25000ボルトに上がります。これまで使われた機関車は使えません。この事態に対処するため、JR貨物は新しい機関車をつくりますが、JR北海道はつくる予定がないのです。機関車の製造費は新幹線(1両2~3億円)よりも高いのです。今のところ、借りるという話も聞きません。貨物と共用する区間において、新幹線の保守時間の間合いをどうやって確保するのか、という問題もあります。本来、新幹線では6時間を保守時間としていますが、貨物列車がたくさん通るため、4時間にする案が国交省で検討されているようです。当然ながら、2018年から行う予定の、青函トンネルの一部列車200キロ運転の設定にも苦労をしました。

 ただ、「北斗星」「カシオペア」の運行は、第三セクターにおいては貴重な財源になっています。青い森鉄道では年間旅客収入約19億円のうち4億円、IGRいわて銀河鉄道では約15億円のうち3億円が寝台列車の通過で得られるものです。北海道新幹線の開業によって江差線五稜郭-木古内間も第三セクターとなりますが、寝台列車が走り続けたならば、ここにも約1億円の線路使用料が支払われます。

 実は、鉄道事業の売上高が800億円台のJR北海道にとっても寝台列車は貴重な収入です。「北斗星」「カシオペア」「トワイライトエクスプレス」の運行によって得られる収入は年間27億円とする試算もあります。
(参考:朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASG5X4S39G5XIIPE00S.html?iref=com_alist_6_01、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/38893)

| |

« 常磐線「フレッシュひたち」、金曜日の夕方に増発 | Main | 5月31日、「モーニング娘。’14」特別列車運行 »

鉄道」カテゴリの記事

JR北海道」カテゴリの記事

JR東日本」カテゴリの記事

北海道・東北私鉄」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「北斗星」「カシオペア」も北海道新幹線開業時に廃止か?:

« 常磐線「フレッシュひたち」、金曜日の夕方に増発 | Main | 5月31日、「モーニング娘。’14」特別列車運行 »