北陸新幹線、コンセントがあっても電波届かず、8月から黒部宇奈月温泉-金沢間で走行試験
北陸新幹線用のE7系、W7系にはすべての座席にコンセントが備えられています。全席にコンセントがあるのは、新幹線では初めてのことです。
座席にコンセントがあれば、座席でビジネスマンなどがインターネットで仕事ができます。そう思いたいところですが、トンネル内で携帯電話の通話やインターネットができないことが判明しました。北陸新幹線もほかの整備新幹線同様、トンネルが多いので(新規開業する長野-金沢間では約44%がトンネル区間です)、東京-金沢間2時間半のうち、1時間程度は電波が届かない「圏外」となります。
トンネル内でも通話やインターネットができるようにするには、トンネル入口に基地局を設置し、内部に光ケーブルを通してアンテナを設けることが必要です。東海道新幹線ではすでに工事が終了し、山陽、東北、九州の各新幹線では工事が進んでいます(上越、長野の各新幹線は未着手です)。ネックは工事費。国の補助が1/3、残りを携帯電話事業者でつくる移動通信基盤整備協会とJRで負担するのですが、山陽新幹線40キロの工事に約40億円がかかったということもあります。JRサイドも改善したいと考えてはいますが、少しずつ工事を進めているのが現状です。
話は変わりまして、黒部宇奈月以西の走行試験についての話。北陸新幹線新規開業区間のうち、長野-黒部宇奈月温泉間は2013年12月から走行試験が行われてきましたが、残る黒部宇奈月温泉-金沢間も8月1日から10月31日の間の延べ50日程度、走行試験を行います。1日1~3往復します。線路や架線、土木構造物、信号設備の機能の確認のほか、ATCの作動状況などを確かめます。基本的には日中に走行試験を行い、長野に乗り入れる場合は夜間にも走行があります。
初日の8月1日には、JR東日本の新幹線電気・軌道総合検測車「イースト・アイ」が長野を未明に出発します。黒部宇奈月温泉からは時速30キロの低速で走り、金沢には夜になって着きます。その後3日間は「イースト・アイ」で走行しますが、8月5日からはW7系を使った走行試験となります。スピードを徐々に上げ、9月中旬には最高速度の260キロで運転します。10月後半からはE7系も加わります。
11月からはJRによる訓練運転が始まります。
(参考:北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20140607101.htm、http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20140620101.htm)
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