「八木新宮特急バス」、当面は現状維持
高速道路を使わない路線バスとしては日本で一番長い、「八木新宮特急バス」。1日3往復していて(区間運転もあり)、八木と新宮を6時間半で結んでいます。全線の運賃は5250円です。166.9キロを走り、167の停留所があります。何回か途中下車しながら、一度乗車したことがあります(そのときの旅行記はこちら)。
このバスが運行を開始したのは半世紀前の1963年。しかし、1970年以降、林業の衰退や過疎化により人口が減ったため赤字が続いています。2001年度からは国と奈良県、和歌山県が補助金を出して維持してきました。
しかし、2011年に起きた水害で、沿線は大きく被害を受けました。十津川村の折立橋が川の氾濫で崩落し、土砂崩れも多発しました。そのため、2か月間、部分運休しました。観光客も減少し、2013年度の乗客は5年前の7割、約9.2万人にとどまっています。補助金は2013年度も約5400万円出ていますが、それでもカバーできず、約1億円の赤字となっています。人口の多い奈良市など北部でカバーをするのも限界で、2012年10月、沿線8市村に対して廃止や減便を申し入れています。
このような路線は「八木新宮特急バス」だけではありません。奈良交通は2012年10月に県中南部の25路線45系統の運行見直しを打診していたのです。そして2014年6月9日、結論が出ました。2014年10月から、45系統のうち、10系統を廃止し、18系統を減便します。17系統は現状維持です。肝心の「八木新宮特急バス」は沿線自治体から新たな補助金を受け、当面現状維持することになりました。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/20140606-OYT1T50125.html、http://www.yomiuri.co.jp/local/nara/news/20140609-OYTNT50240.html)
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