筑豊電鉄、地元支援で新車&JR直方駅付近まで延伸か?
黒崎駅前と筑豊直方を結ぶ筑豊電鉄は、1959年9月に開通し、最盛期の1974年には年間2100万人を運びました。しかし、2013年度はその1/4ほどの500万人にまで減っています。並行して走る国道200号の利便性が向上したことなどが原因です。ただ、この筑豊電鉄は政令指定都市の北九州市の近郊を走る鉄道であり、北九州、中間、直方の沿線3市は公共交通の利用促進を目指すため、重要な路線と認識しています。
そこで、筑豊電鉄と北九州市など沿線3市は9日、新型車両の導入やICカードシステム導入を支援する協定に調印しました。支援内容は新型車両約11億円、ICカードシステム2億円、橋梁の非常脱出用歩道整備約4.8億円で、国と福岡県が5/9、3市が共同で1/3を助成します。直方市は約5%となるようです。新型車両は製造してから50年以上たって老朽化した3両編成の2000形電車(6編成)の置き換えのためにつくられるもので、2018年3月までに4編成投入されます。2000形は観光列車として活用することも考えられているようです。筑豊電鉄が独自に新型車両を導入するのは初めてのことで、最初の車両は2015年3月ごろに登場する予定です。新型車両も3両編成で全長17.6メートル、定員は87人で、線路から床までの高さが36センチという低床型車両なので、車いすでも乗り降りしやすいです。ICカードは「nimoca」に対応するようです。
そして、直方市にはもうひとつの構想があります。延伸を考えているのです。筑豊直方駅はJRの直方駅から歩いて15分のところにあります。もともと筑豊電鉄は直方止まりではなく、最終的には福岡までつくる予定でした(1970年代にその計画は断念されました)。そのため、中心部から1キロほど離れた郊外に駅をつくりました。高架が途切れたような、中途半端な終わり方は、延伸構想があったときの名残です。
2013年度に直方駅付近の市街地整備事業を終えました。そこで今年度、筑豊直方駅から直方駅付近までの延伸ルートや需要などを検討するため、直方市は(新車導入等による負担とは別に)1000万円を計上しました。すでに6月から福岡県、直方市、筑豊電鉄の3者による会合を開いています。今後も月1回のペースで会合を開き、延伸の可否を検討します。
(追記1)
筑豊電鉄の「nimoca」導入は、2015年3月の予定です。すべての営業車両に「nimoca」車載機を導入します。
(追記2)
2014年度に直方市が需要予測調査をしたところ、一定の経済効果が見込めることが判明しました。そこで2015年度は詳細な調査を行います。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/news/20140709-OYTNT50487.html、毎日jp(会員登録要) http://mainichi.jp/area/news/20140528ddp008020011000c.html、http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20140711ddlk40020375000c.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/chikuho/、筑豊電気鉄道ホームページ http://www.nishitetsu.co.jp/release/2014/14_129.pdf、西日本新聞経済電子版ホームページ http://qbiz.jp/article/57521/1/)
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