四国急行フェリー、7月16日から24時間運航取りやめへ
宇野と高松を結ぶフェリーはかつて4社も運行していましたが、2012年に国道フェリーが運休し、現在は四国急行フェリー1社のみとなっています。
その四国急行フェリーはこれまで24時間運航を行ってきました。50年近くにわたって続けてきましたが、7月16日にダイヤ改正を行い、夜間便を廃止して、1日22往復を14往復にします(日中の運航間隔はほぼ変わらないようです)。宇野、高松ともに始発は7時、最終は20時となります。宇野-高松航路で働いていた船員など約40人のうち10人程度はほかの航路に配置転換させます。
このように24時間運航を取りやめることになったのは、燃料費の上昇に加えて、4月に高速道路料金が改定され、瀬戸中央自動車道でETC搭載車の料金が大幅に安くなったため。4~5月のトラックの利用台数は前年同期比で約3割減りました。6月には4割以上の減少が見込まれています。5月の旅客数は前年同期に比べて7%、輸送車両数は19%減っています。
四国急行フェリーの宇野-高松航路の2013年度旅客数は約15.5万人、車両数は約25.4万台、売上は約10億円で、2000万円程度の赤字となっています。利用率が5割以下の便も多く、中には1割程度のものもあります。四国急行フェリーは24時間運航を取りやめることで年間2.5億円ほどのコスト削減になるとみていますが、減便により売り上げも減るので、黒字になるのは難しいとしています。四国急行フェリーとしては日中便は存続させたいとしていますが、将来にわたって存続できるかどうかは国や自治体などからの支援が受けられるかどうかにかかっているという見方もあるようです。
(追記1)
四国急行フェリーは24時間運航が取りやめとなる7月16日から、新たなサービスを始めました。一つ目は、ポイントカード。乗用車が対象のサービスで、平日に利用すればシールが1枚、休日なら2枚もらえます。10枚たまれば次の乗船が無料になります。シールの配布は12月末までで、2015年1月末まで使えます。二つ目は、Wi-Fiと電源コードの新設。コンセントはこれまでの1か所から窓側の全11席に拡大します。三つ目は、子供向けのサービスとしてのミニ図書室。児童図書、絵本、小説、漫画など約200冊を用意しています。
(追記2)
本数を減らしても経営状況は厳しいままで、四国急行フェリーは2015年3月1日から1日14往復を10往復に減らしました。宇野、高松ともに始発は7時、最終は20時10分とほぼ変わりませんが、利用客が比較的少ない昼間の便を減らし、2隻で運航できるようになります。
ただこのようにしても年間1億円程度のコスト削減ができるだけで、1億数千万円の赤字となってしまいます。
(追記3)
2019年6月現在、宇野と高松を結ぶフェリーは1日5往復のみです。
(追記4)
2019年12月16日に四国急行フェリーが休止したことにより、宇高航路は実質的に全廃されました。1910年に連絡船が開設されたのが起源のこのルートがなくなってしまったのです。
(参考:四国新聞社ホームページ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20140620000195、http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20150217000161、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140620/kgw14062002080002-n1.htm、http://sankei.jp.msn.com/region/news/140716/kgw14071602310001-n1.htm、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXNZO73012220Z10C14A6LA0000/、四国フェリーグループホームページ https://www.shikokuferry.com/timetable/takamatsu-uno、「鉄道ジャーナル」2020年2月号 鉄道ジャーナル社)
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