名古屋駅改造計画、名鉄に空港行き専用ホーム建設か?
ターミナル駅の常といえばそうですが、名古屋駅には多くの鉄道会社が乗り入れ、構造が複雑になっています。新幹線、在来線、名鉄、近鉄、地下鉄、あおなみ線が乗り入れています。
ここに新たな鉄道が加わります。2027年に開業するリニアです。リニアの駅は地下鉄桜通線よりもさらに下、地下30メートルのところにできます。東海道新幹線とは違ってリニアは名古屋止まりのため、リニアを利用する人は乗り換えをしないといけません。乗り換え需要が増えるのです。リニアと新幹線は3~9分で乗り換えられるように配慮するようですが(ただしリニアと新幹線は直交しているため、どうしても1か所に集中しやすく、スムーズな乗換ができるかどうかは疑わしいです)、そのほかの私鉄や地下鉄との乗り換えについては特段の配慮がありません。
名古屋市は経済団体や学者らを集めて何回か会合を開き、6月に「名古屋駅周辺まちづくり構想案」を示しました。JRと名鉄が1か所にまとまっている隣の金山駅をモデルにしているようで、パブリックコメントで市民の意見を集め、秋に構想を固めます。もっとも、肝心の河村市長は名古屋駅前に1000メートルタワーのような集客施設をつくるほうに熱心で、乗り換えをスムーズにしようとする考えは薄いといわれています。
また、リニアの駅は東西約1キロ、幅最大60メートルありますが、JR東海は一体の土地を買い、地上から掘って駅をつくります。この埋め戻した後の活用方法も重要な課題です。6月の「名古屋駅周辺まちづくり構想案」では、具体例を挙げています。防災機能を有する広場空間、タクシーの滞留や一般車の送迎ができる場所、観光バスの乗降場所や自転車駐輪場が候補に挙がっています。
話は変わりますが、名古屋駅に乗り入れている名鉄。たった2本の線路、3本のホームで多くの利用者をさばいています。豊橋行きも中部空港行きも、「ミュースカイ」も普通も、同じホームから発車します。名鉄の山本社長は、経済界などからの要望に応え、中部空港行きの専用ホームをつくる考えです。
ただそのためには、隣の近鉄との協力が必要です。そもそも名鉄名古屋駅が広ければ、少ない線路とホームで芸術的にさばく必要はありません。ターミナルらしく、ゆったりと列車を停めることができます。名鉄と近鉄はリニア開業に向け両社の駅ビルを一緒に立て直す計画で、その中で調整するようです。
(参考:朝日新聞8月2日朝刊 中部14版)
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