大阪市営地下鉄今里筋線等の延伸、新設に厳しい見かた
大阪市営地下鉄には今里筋線以外にも延伸、新設計画があります。延伸するのは、今里筋線今里-湯里六丁目間、長堀鶴見緑地線大正-鶴町間、千日前線南巽-弥刀間で、新設は敷津長吉線住之江公園-喜連瓜破間です。いずれも大阪市に1980年代に建設する計画だとして条例に盛り込みましたが、いずれも1000億円以上かかる建設費がネックとなり、凍結されたままです。
これらの延伸にについて有識者が議論する大阪市の審議会(「大阪市鉄道ネットワーク審議会」)が8月28日に開かれましたが、いずれの路線も採算が取れないとして、BRTなど代替の交通手段を検討すべきだとしています。延伸等をしてから40年経っても累積赤字を解消できないというのです。建設費は4路線合計で4761~5098億円、これに対して累積赤字は公営で4113億円、民営で3429億円に達するというのです(2025年に開業と仮定)。
橋下市長は大阪市営地下鉄の民営化を目指しています。もし民営化すると、条例に盛り込まれた延伸等はその根拠を失い、一から話を進めないといけません。そのため、大阪市議会の野党は民営化に反対していますが、採算の取れないものばかりならば、できなくても文句は言えません。橋下市長も、大阪市営地下鉄が民営化されない場合には、2015年度に行われる近畿地方交通審議会で計画路線に盛り込まないように求めていますが、妥当なところでしょう。その場合、一から新たにシステムを構築しないといけないLRTではなく、新たな設備投資がほとんどいらないBRTを軸に検討したほうがよいでしょう。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/140829/osk14082902080005-n1.htm、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/osaka/news/20140829-OYTNT50036.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC28H0E_Y4A820C1AC8000/、http://www.nikkei.com/article/DGXLASHC29H0C_Z20C14A8AC8000/)
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