2014年度上半期の江差線木古内-江差間輸送密度、大幅増の618人
11月7日、JR北海道は2015年3月期第2四半期決算(4~9月)を発表しました。
JR北海道の本業の経営成績を示す営業損益は、一連のトラブルで鉄道運輸収入が大きく落ち込み、反対に安全基盤の強化に向けた修繕費を増額したことや車両の更新による減価償却費の増加などにより大幅に悪化しました。しかし、営業外損益では、安全投資や修繕を行うための資金確保を目的に、円安・株高などにより投資環境が好転する中で、外国債券や株式などを売却したことから経営安定基金運用収益が大幅に増加したため、経常利益、四半期純利益は2013年を上回ることになりました。経常利益は6%増の147億円、四半期純利益は27%の134億円です。ともに連結決算の公表を始めた2000年以降で過去最高の数字となっています。
ところで、この決算には興味深いデータがついているのです。2014年上期の各線ごとの利用状況が発表されているのです。輸送密度500人未満の線区は、札沼線北海道医療大学-新十津川間(87人、対前期比率99%)、石勝線新夕張-夕張間(120人、対前期比率106%)、留萌線深川-増毛間(144人、対前期比率95%)、日高線苫小牧-様似間(304人、対前期比率92%)、根室線滝川-新得間(319人、対前期比率98%)、宗谷線名寄-稚内間(392人、対前期比率90%)、根室線釧路-根室間(429人、対前期比率95%)です。輸送密度10000人以上の線区は、函館線小樽-札幌-岩見沢間、千歳・室蘭線白石-苫小牧間、千歳線南千歳-新千歳空港間、札沼線桑園-北海道医療大学間です。輸送密度500人未満の線区について1993年度の数字と比較すると、半分程度に落ち込んでいます。JR北海道全体では1割減にとどまっていますから、ローカル線の落ち込みが著しいのです。よって、将来性もないのです。経営資源を鉄道がその特性を発揮できる区間に集中させるため、閑散路線の廃止を真剣に検討すべきでしょう(特急の走る宗谷線は頭の痛いところでしょうが)。JR北海道直営のバス代行にするだけでも保守の手間が省けます。
これらのデータに常連の江差線木古内-江差間(5月11日営業終了)が入っていません。実はこの区間、廃止直前のお名残り乗車で利用者が大幅に増えたのです。輸送密度は618人、対前期比率389%だったのです。鉄道ファンの力を見せつける、ある意味恐ろしい数字です。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2014/141107-2.pdf、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/jrhokkaido/)
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