常磐線特急に新たな着席サービス導入
昨日の記事で予告した、常磐線特急の話です。
上野東京ライン開業に伴い、常磐線特急も大きく変わります。まず名称が変わります。現在は「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」の2種類の特急が走っていますが、これが速達タイプの「ひたち」、停車タイプの「ときわ」になります。「ときわ」はかつて常磐線の急行として走っていましたが、1985年に廃止されました。30年ぶりの復活です。新潟-新井間の「しらゆき」といい、センスの良さがうかがえます。どこかの会社に爪の垢を煎じて飲ませたいところです。
さて、その常磐線特急ですが、乗客に座ってゆったり利用することを目的として、従来の指定席・自由席の区分をなくし、普通車の全席に、新たな着席サービスを導入します(グリーン車は従来通りです)。指定席特急券を買うか、乗車日・区間のみを指定し、列車・座席は指定しない特急券(「座席未指定券」)を買います。自由席特急券はありません。「座席未指定券」を買った場合、乗車するまでに「みどりの窓口」等で座席の指定を受けるか(追加料金はかかりません)、そのまま空席に座ります(満席だからと言って、払い戻しできません)。座席上方にランプがついていますので(651系を復帰させてまでやったのは、この工事なのでした)、それを見て空席かどうかを判断します。空席なら赤色が点灯し、間もなく座席指定を受けた人が来るときは黄色が点灯します。青色のときは指定席が発売された区間なので、そこに座ってはいけません。空席がない場合はデッキ等に立つことになります。なお、車内で買う場合は指定席特急料金(事前料金)から260円高い額となります(大人の場合)。
気になる料金(普通車、事前料金)は年間を通じて同一の料金で、50キロまでが750円、100キロまでが1000円、150キロまでが1550円、200キロまでが2200円、300キロまでが2500円となっています。150キロまではB特急料金(普通車指定席)より安く、150キロを超えるとB特急料金並みの数字です(ただし、常磐線でB特急料金が適用されるのは勝田以南だけなので、A特急料金と比較するとそれなりに安くなっています)。「スワローあかぎ」の「スワローサービス」とも違う、独自の設定です。指定席特急券と「未指定特急券」が同額なのも違うところです。なお、グリーン料金も普通車に新しい特急料金を設定することに伴い、変更します。それにしても、いくら現行の指定席特急券より安いとはいえ、自由席特急券に比べると高いです。50キロ以下の短い区間では750円は高く感じられます。短距離利用者向けの料金は再考が必要でしょう。また、特急料金の徴収漏れを防ぐためにも車内での料金を高くすることには異議はありませんが、それならホームで気軽に特急券を買うことができるよう、端末を用意することも必要です。
なお、これまで発売していた「ひたち回数券」等は2015年3月13日で利用が終了するとともに、これまであった水戸または勝田で改札を出ずに特急を乗り継ぐ特例が廃止となります。
話は変わりますが、2015年3月14日から、「Suica」エリア内にあるJR東日本のすべての指定席券売機で、新幹線や在来線の指定席特急券などを「Suica」「PASMO」「ICOCA」など交通系ICカードで購入することができます(20000円以上のものは購入できません)。
(追記)
12月8日のNHKニュースによれば、常磐線特急の自由席を廃止する理由として、常磐線特急が品川に乗り入れることによって、東京駅のホームの混雑が予想されるからだそうです。ターミナル型の上野駅とは事情が違うようです。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141022.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141021.pdf、テレビプレスホームページ http://p.jcc.jp/news/9037477/)
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