鉄道博物館の新館オープンは2017年秋
鉄道博物館が増築されるという話は以前に書きましたが、その時期が明らかになりました。開館10周年を迎える2017年10月です。現在ある建物の本館の南側に地上5階建ての新館(仮称)を建設し、展示面積は現在の約1.5倍、約14800平方メートル(延床面積は約36800平方メートル)となります。
新館には吹き抜け空間があるようで、自然の力を最大限利用した環境負荷低減システムを導入します。すなわち、吹き抜け空間上部に上昇する暖気を夏は排気し、冬は回収して空調負荷を低減します。トップライトや壁面から自然光を多く取り込むことで、照明負荷を低減します。シースルー太陽光発電及び風力発電を導入するなど、再生可能エネルギーを活用します。雨水は屋外広場の灌水に利用します。
展示ゾーンは本館、新館合わせて6つになります。新館には、鉄道の仕事、歴史、未来、旅を、本館には車両、科学をテーマにした展示ゾーンを設けます。なお、展示ゾーンのことを鉄道博物館では、ステーションといいます。
新館1階にあるのが、仕事のステーション。プロが実際に使用する設備や機器を使用して、駅の仕事、運転士や車掌の仕事のほか、普段は目にすることのない指令員の仕事や、車両、線路、架線のメンテナンスの仕事も体験することができます。車両はE5系と400系が展示され、技術開発のドラマを紹介する解説ツアーが行われます。E5系のシミュレータもあります。新館2階にあるのが、未来のステーション。自らが作成したアバター(自分の分身となるキャラクター)が、未来の鉄道の世界が広がる大型映像ジオラマに入り込み、鉄道の未来をみんなで考えるというものです。新館3階にあるのが、歴史のステーション。明治前期、明治後期~大正、昭和前期、昭和中期、昭和後期、平成の6つの時代に区分し、それぞれの時代を当時の人々の視点で体験することができます。新館4階にあるのが、旅のステーション。鉄道の旅を疑似体験します。駅弁のほか、文学作品や映像作品も登場します。
本館1階にあるのが、車両のステーション。現在のヒストリーゾーンをリニューアルします。最新の情報通信技術を活用して、車両が活躍していた時代の姿を再現します。本館2階と3階にあるのが、科学のステーション。現在のラーニングゾーンの2階と3階をリニューアルします。そのほか本館には、模型鉄道ジオラマ(観客席との間のガラス仕切りを撤去するなど、全面的につくり直します)、キッズスペース(現在のラーニングゾーン1階をリニューアルします。カフェテリアもあります)があります。外のミニ運転列車は、順次新型車両を導入していきます。なお、新館5階には新幹線の走行する姿を見ることができるレストランを新設します。
京都鉄道博物館も行きたいですが、こちらにも行きたくなります。
(追記1)
ところが、近年の建設費高騰に伴い、計画の見直しが避けられない状況となりました。新たな規模や開館時期等は不透明なようです。
(追記2)
鉄道博物館の新館計画ですが、展示スペースを現在の約1.5倍から約1.3倍に縮小することにしました。5階建ての建物は4階建てになり、鉄道の旅を疑似体験することができるコーナーがなくなります。新幹線が見えるレストランの位置も変わります。環境負荷低減システムについては、一部を取りやめます。鉄道の仕事を体験したり、未来の鉄道を考えたりする1~3階は当初の計画通りです。
設計を修正したため、完成予定時期は2017年秋から2018年夏になります。
(追記3)
鉄道博物館の新館オープンの日が2018年7月5日になりました。展示面積が現行の約1.3倍になります。それより少し前の2018年3月14日からは、E1系新幹線の屋外展示を始めます。
なお、新館オープンに合わせて、値上げがなされます。大人1000円が1300円になります。
(追記4)
鉄道博物館に展示されるE5系は、展示用に新たにつくられたものです。車内設備は営業に使っているものとほぼ同じですが、走行機器などは省略されているものもあります。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2014/20141104.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2017/20180212.pdf、「鉄道ジャーナル」2015年12月号 鉄道ジャーナル社、神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201602/0008819122.shtml、鉄道博物館ホームページ http://www.railway-museum.jp/press/pdf/hp_1.pdf、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/79197/2)
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