静岡鉄道に約40年ぶり新車
合併によって静岡市内のみを走る鉄道となった静岡鉄道。地方の中小私鉄は大手の古い車両が走ることが多いのですが、ここ静岡鉄道は自社のオリジナル車両、1000形が走っています。1973年にデビューして以来、40年以上沿線の人々に親しまれました。
しかし、その静岡鉄道が約40年ぶりに新車を導入することとなりました。今と同様、大手のお古ではない、純然たる新車です。全12編成(1編成は2両)について、2016年春から8年計画で導入します(2016年春に投入されるのは1編成のみです)。定員は現行の140人から119人に減りますが、これは日本工業規格の1人当たり床面積が拡大したことによるもので、立席の広さは現行と変わりません。最高速度は70キロのままですが、加速度が毎秒2.5キロから毎秒3キロに上昇するため、全車両の置き換え後には新しい加速度に基づく運用を行う予定です。所要時間は変わりませんが、遅れの回復には効果があります。車内に液晶画面を設けることによって多様な情報提供を行い、乗客同士の接触を減らすために座席端部に仕切り板を新設します。使いやすい吊手やポールを採用し、ベビーカー、車いすスペースを新設します。ステンレス鋼製で車体の強度を高め、雨でも滑りにくいように車輪の滑走防止機能をつけました。故障発生時には早期復旧ができるように主要機器を二重化しています。また、新しいモーター等を採用し、LED照明を使うことによって、現行車両比で約50%の省エネルギー性能を追求し、環境負荷の低減を図ります。構造を見直した新しいモーターは騒音の低減にもつながります。
なお、外観については「都会的で魅力的な街並みをつくる車両」とのことですが、カラーリングは現在検討中とのことです。また、新車導入費用の総額は約48億円で、国や静岡県、静岡市への補助申請も検討しているようです。
(追記1)
新型車両はA3000形といいます。12編成のうち7編成は創業100周年を迎える2019年度までに登場します。1編成に1色ずつ、色とりどりの7色の外観カラーが採用されます。富士山、お茶、ミカン、久能山のイチゴなどをモチーフとしていて、いずれも静岡らしさを象徴する色となっています。残る5編成は従来と同じ銀色ベースです。
(追記2)
2016年3月24日に運行を開始する第1編成の色が「クリアブルー」に決まりました。静岡と日本を象徴する富士山をモチーフに、「安心、誠実」をイメージさせています。
(参考:静岡鉄道ホームページ http://train.shizutetsu.co.jp/shingata-syaryou.html、http://www.shizuoka-rainbow.jp/info003.php、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/shizutetsu/、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASGCX6R9ZGCXUTPB01D.html、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2015/06/19/700/、http://news.mynavi.jp/news/2015/12/05/076/)
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