山田線の三陸鉄道移管、2016年に一部復旧?
東日本大震災以降、運休が続いているJR東日本山田線宮古-釜石間について、第三セクターである三陸鉄道に移管するという話があります。その話についてですが、以前にも書いたとおり、地元の全12市町村が移管に合意したため、岩手県は三陸鉄道とも協議した結果、移管受け入れに合意しました。年明けになってからJR東日本と基本合意します。
津波で181か所が被災し、駅舎や線路が流出した山田線の復旧工事着工は、震災から4年になる2015年3月11日より前になるようです。そして、2016年の岩手国体より前に一部区間を復旧させる予定のようです。山田線55.4キロのうち、被災した区間は9.4キロ(三陸鉄道に比べて6割ほど長いです)で、比較的被害の小さい区間から部分的に運行を再開するようです。具体的には、以前にも書いたように、宮古-豊間根間や鵜住居-釜石間が早期復旧の対象となるようです。被災区間についてはかさ上げしたり、高台移設を検討したりしなければならないところもあり、すぐには全線復旧しないようです。
復旧にかかる費用は210億円ですが、そのうち原状復旧相当分の140億円はJR東日本が負担し、まちづくりに関わる70億円は国の復興交付金を充てます。JR東日本は地元に対して一時金30億円を払い、車両(8両)の無償譲渡、施設管理拠点の整備、人的支援も行います。9割強を高規格レールに替え、枕木の65%をコンクリート化し、バラストの52%を入れ替えます。移管を受ける三陸鉄道は、ダイヤ改善や施設管理拠点の統合など効率化を進めます。
もっとも、移管したから万々歳というわけにはいきません。もともと震災前から需要が少なく、鉄道が復旧したからといって需要が増えるわけではありません。沿線自治体が利用促進策を講じても、震災前の7割にとどまるという見方が出ています。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141225_32009.html、http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141225_32026.html、http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201412/20141227_32018.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/iwate/news/20141224-OYTNT50232.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H44_U4A221C1CC0000/)
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