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新幹線開業で富山空港の着陸料半減

 新幹線が開業すると、ライバルの航空機の利用は減ります。

 今回の北陸新幹線開業では、小松空港や富山空港の利用が減ると考えられています。小松や富山の主力である羽田-小松線、羽田-富山線は便数を減らさずに機材を小型化して存続させます。なお、富山空港には羽田-富山線のほか、新千歳、ソウル、大連、上海、台北に路線があります。

 しかし、機材を小型化することにより、富山空港の収支は悪化します。機材が小さくなれば、機材の重さや騒音の程度によって算出される着陸料も減ってしまいます。大雑把に言って、座席数に比例するようです。公表されている2010年度の収支によれば(2011年度以降、富山県は空港の収支を発表していません。設備投資の有無によって収支の振れ幅が大きくなるからだそうです)、収入は4.96億円、内訳は着陸料収入が3.72億円、国の補助金0.44億円などです。これに対して支出は6.04億円、内訳は空港維持運営に4.96億円、空港整備事業に0.68億円などです。その後も同様の傾向のようで、毎年1億円程度の赤字が続いていますが、それは富山県が穴埋めしているようです。先ほども述べたように、新幹線開業後は機材が小型化するので、当然ながらその分、着陸料は減り、赤字額は増えます。座席が小型化して座席数は45%減るようなので、着陸料収入は半減します。

 新幹線が開業間近になって航空機利用客が減り、主力の羽田-富山線が消えるのを恐れた富山県は、羽田-富山線利用者に対してすでに支援事業を始めています。2014年11月から3月の間に5往復以上利用すると、5000円分の旅行券がもらえるキャンペーンを行ったり、羽田経由で国際線に乗り継いで国際交流などを行った企業に1人5000円を助成したりしています。

 富山県が空港維持のために赤字の助成額を増やすのはともかく(富山空港がもたらす時間短縮効果を国内線が年間約23億円、国際線約6億円としています)、羽田-富山線に補助を出す必要はあるのでしょうか? 新幹線誘致に必死になったのに、開業が目前になれば航空機の撤退を防ごうと必死になります。高速道路も新幹線も航空機もすべて欲しがるのは、人口が右肩上がりに上がる可能性は低いことを考えると、甘い見かたのような気もします。

(追記)
 これまで公表されていなかった2011年度以降の収支が発表されました。2011年度は設備の更新にお金がかかったこともあり約1.8億円の赤字、2012年度は約1.2億円の赤字、2013年度は約1.3億円の赤字でした。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/economy/20150204-OYT1T50052.html、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20150225/CK2015022502000018.html、チューリップテレビホームページ http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20150224175633)

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Comments

まさに、二兎を追う者は一兎をも得ず。ですね。

Posted by: ▲ 飛遊人 | 2015.02.12 12:27 AM

 ▲ 飛遊人さん、おはようございます。

* まさに、二兎を追う者は一兎をも得ず。

 新幹線も航空機も両方維持できる需要があるならともかく、そうでない限りはいずれは厳しくなることでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2015.02.12 05:20 AM

確かに富山空港は中途半端な存在ですね。小松空港でも似たような課題に直面しておりますが、そんな中で小松-成田の定期化に成功した経緯があります。

富山は小松よりも条件が厳しく、富山-羽田の維持は難しいと思います。しかし、東京便の維持を考えるのであれば代わりに富山-成田に活路を見出す、という方法もあるのではないかと思います。

Posted by: うえしょう | 2015.03.03 02:07 AM

 うえしょうさん、おはようございます。

* 富山は小松よりも条件が厳しく、富山-羽田の

 確かに成田のほうがパイは小さいでしょうが、国際線乗り継ぎ客などを拾うことができます。

Posted by: たべちゃん | 2015.03.03 06:11 AM

こんにちは。

先般、HND-TOYを利用して来た者です。
羽田国際化の流れの中で、富山も2便くらいは残るのでは?と思います。
特に北陸は、新幹線開業により製造業での優位性がこれから出て来るでしょう(本社移転もありましたね)。もし、私が経営者であれば、海外との取引でも富山、小松·羽田-海外(ヨーロッパ、アメリカ方面)というルートがあれば、何も都心にオフィスを構えなくとも良いと考えます(特にメーカーの研究開発部門等)。
東北方面は、空路がほとんど機能していないこと、そして環境面に『不安』(?)があり、海外勢から見てもこれらを売りにするならば、多少の持ち出しもありと思いますが。。。

Posted by: 証券コード 9042 | 2015.03.08 01:10 PM

 証券コード 9042さん、おはようございます。

* 羽田国際化の流れの中で、富山も2便くらいは残るのでは?

 それぐらいの本数だと、事実上の国際線連絡便みたいなものでしょう。

* 私が経営者であれば、

 日本の企業は東京に集中しすぎなので、東京から分散するのは好ましいことであります。

Posted by: たべちゃん | 2015.03.10 06:17 AM

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