中央線にグリーン車
国鉄時代は、東海道線、横須賀線、総武快速線にしかグリーン車はありませんでした。JRになってから、東北線、高崎線、常磐線にグリーン車を連結するようになりましたが、中央線は通勤型車両で運行されることもあり、グリーン車は連結されませんでした。
ところが、以前に紹介した「グループ経営構想V」で触れましたが、その中央線にグリーン車を連結するという構想があります。そして、それが実現することになりました。中央線の快速にグリーン車を2両連結して12両編成とするのです。グリーン車は1両90人なので、180人座ることができます。E231系の定員と同じなので、通勤型電車としては珍しくトイレがつくという見かたもあります。アテンダントが乗り込み、飲み物や軽食も販売するようです。グリーン車サービスの開始時期は2020年度です。
グリーン車を連結するのは、中央線(東京-大月間)でE233系通勤型電車(オレンジ帯の電車)で運行するすべての列車と、青梅線(立川-青梅間)で中央線と直通運転を行うすべての列車です。E233系電車の東京寄りから4両目、5両目に2階建てグリーン車を連結します。58編成にグリーン車を2両ずつ連結します。中央線の快速の中には、10両固定編成ではなく、6両編成と4両編成の組み合わせのものもありますが、それは6両編成のほうに連結されます。つまり、8両編成と4両編成の組み合わせとなります。平日の利用料金は乗車区間が50キロ以下の場合は770~1030円、51キロ以上は980~1240円となる予定です。
もちろん、このままではグリーン車付きの列車を走らせることはできません。グリーン車導入区間の全44駅及び車両基地等において、運行に必要な駅改良工事や線路・信号改良工事等を行います。44駅とは現行の快速停車駅と同じです。中野-三鷹間も快速らしく走らず、各駅停車です。今の中央線快速用電車は、早朝や深夜に各駅停車として緩行線を走っていますが、12両になるとそのようなことはできません。早朝・深夜にも快速を設定するなど運行系統の変更が考えられます。車両の費用のほか、駅改造工事などを含めて、750億円をかけて行います。中央線の運行間隔は短く、ターミナルの東京駅は1面2線なので、5分程度かかる車内整備の時間をひねり出すことができるか心配されますが、これについては引き上げ線を新たにつくるという話もあるようです。
グリーン車の連結により、混雑率が現在の194%から183%に緩和されるとしています。なお、ほかの首都圏のグリーン車の利用状況は、終日30~50%の席が埋まり、ピークの時間帯にはほぼ満席状態になるようです。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2014/20150203.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASH2454R2H24UTIL028.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/chuogreen/、えん乗りホームページ http://ennori.jp/2600/jr-east-introduces-green-car-to-chuo-line-as-a-luxury-train)
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