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芸備線東城-備後落合間の輸送密度は8人

 鉄道がどれぐらい利用されているかをみる指標として、輸送密度があります(いろいろな言いかたがあります。後述するJR西日本の場合は、「平均通過人員」です)。1日1キロ当たりの輸送量です。

 輸送密度は通常、線区ごとに発表されます。ただし、これでは不正確です。長い路線の場合、途中で大きく変化することがあるからです。JR東日本は、以前にも記事で参考にしたように、主要駅ごとに区切ってデータがあります。JR西日本にはそういうものはないと思っていたのですが、それがあったのです。「データで見るJR西日本」です。

 それを見ますと、区間によって利用状況が大きく変わることが読み取れます。例えば山陰線の場合、全体を平均すれば4784人(数字は2013年度のもの、以下同じ)で、1987年度の6516人から減っています(1987年度は線区ごとのデータのみ公表されていて、区間別にはわかりません)。区間別に細かく見ると、嵯峨野線区間の京都-園部間は42793人もいますが、西部の益田-長門市間は290人、長門市-小串、長門市-仙崎間は465人です。JRとしては当然のこと、第三セクターとしても鉄道として維持すること自体が厳しい数字です。区間別にみるとこのような鉄道として存続することが厳しい路線がごろごろしている現状が浮き彫りになります。

 さて、驚く数字は芸備線にありました。全体を平均すれば1733人で、1987年度の2561人から減っています。区間別に細かく見ると、広島に近い狩留家-広島間は9168人、三次-狩留家間は1569人であるのに対して、備中神代-東城間は111人、備後落合-三次間は197人、そして東城-備後落合間はたったの8人です。あの三江線(44人)より少なく、バスどころかタクシーで十分間に合う数字です。明日からでもバスを走らせたくなります。いくらJR直営でも線路の保守費用は浮きますから。

 JR西日本で輸送密度が500人未満のところをピックアップすると、越美北線、大糸線(南小谷-糸魚川間)、山陰線(益田-小串間、長門市-仙崎間)、姫新線(中国勝山-新見間)、芸備線(備中神代-三次間)、福塩線(府中-塩町間)、因美線(東津山-智頭間)、木次線、三江線、山口線(宮野-益田間)、小野田線です。特急が走る山口線以外はローカル輸送しかなく、鉄道として存続するのは正直言って、厳しいです。JR西日本に要求ばかりせず、「名誉ある撤退」を考えたほうがよいでしょう。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2014_08.pdf)

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