名鉄に新型機関車、EL120
名鉄は、新型の直流電気機関車EL120形を2両導入します。この機関車を製造した東芝にとっては、約45年ぶりの私鉄向け機関車です(JR貨物には、約30年にわたって機関車を納入しています)。
今回導入した機関車の特徴は、電車との共通化を図ったということ。通常は電車と機関車とで、電機品や装置の据え付け方法が異なります。しかしEL120形は、電車の床下吊り構造を機関車に応用することで機関車の小型化を実現し(車両の重量は従来の3~4割です)、運転操作などの取り扱いにおいても電車との共通化を行っています。最高速度は機関車だけの単独走行の場合、時速100キロです(貨物をけん引する場合は、時速45キロ)。機関車だけなら、日中の移動もできます(従来は時速45キロなので、日中でもダイヤの合間を縫っての移動は難しかったのです)。
この機関車は主に保線作業での砕石やレール、客車の運搬などを目的として使用される予定で、製造から70年以上経っている古い電気機関車を置き換えていきます。2両の新しい機関車で、6両を置き換えるのです。あまりにも古いので、部品の調達が困難となっていて、2016年度までに順次廃車にしていきます。ちなみに、EL120の120は、名鉄の120周年にちなんだものです。色はこれまでの青ではなくて赤で(ステンレスの帯も入っています)、名鉄らしくミュージックホーンも取り付けられています。形はこれまでの凸型ではなく、箱型の両運転台です。
貨物運送をする鉄道ではないのに機関車を新調するとははっきり言って意外でした。古い電車を機関車の代用にすればいいのですから。ともかく、名鉄が新しい機関車を導入するのは意外です。5月から運行を開始する予定です。
(追記1)
7月21日、旧型の機関車6両のうち、デキ600形4両が廃車回送されました。残り旧型機関車は、デキ400形2両です。
(追記2)
残るデキ400形2両も、2016年6月6日に廃車回送されました。
(参考:東芝ホームページ http://www.toshiba.co.jp/sis/topics/2015/20150216.htm、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2015/02/16/244447.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ16IDC_W5A210C1TJ1000/、メーテレホームページ http://www.nagoyatv.com/news/?id=99585&p=2、「鉄道ジャーナル」2015年5月号 鉄道ジャーナル社、railf.jp http://railf.jp/news/2015/07/24/130000.html、http://railf.jp/news/2016/06/07/173000.html)
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