« 阪神に真っ黄色のタイガースラッピング車 | Main | JR東日本、東海道線でのE217系営業運転終了 »

「つるぎ」の開業3日間の乗車率、25%

 JR東日本、JR西日本の両社から、北陸新幹線開業3日間(14~16日)の利用状況が発表されました。開業日の土日を含む3日間の実績だけで判断するのは困難ですが(16日の平日だけが本来の姿を現している?)、おおよその傾向はつかめると思われます。

 まず新幹線全体の利用客数は、上越妙高-糸魚川間で調べたところ、3日間の合計は8.4万人でした。内訳は14日が3.5万人、15日が2.8万人、16日は2.1万人です。昨年同時期の北陸線直江津-糸魚川間における(在来線特急)「はくたか」「北越」の利用実績と比べると、およそ3倍となっています。16日でも昨年の2.5倍は乗っているということになります。「グランクラス」の乗車率は83%でした。

 この北陸新幹線の乗車率は48%。座席の半分は空いているということで、空いているようにも感じられますが、北陸新幹線で一番混むのは大宮-長野間であり、北陸に入ると減っていきます。しかも、朝から晩までならした数字です。これでも山陽新幹線よりは良い数字のようで、繁忙期や休日の混雑を考えると、これぐらいの余裕を持たせたほうがよいとJR西日本は考えています。

 ちなみに、富山-金沢間で1日18往復する「つるぎ」の利用者数は1日平均で5800人、乗車率は25%でした(使用している8両部分だけで計算した数字のようです)。キャパが「サンダーバード」等に比べて大きすぎるためか、かなり空いているようです。今後の状況を見ないと何とも言えませんが、富山-金沢間については都市間需要を取り込むため、割引切符の設定を考えてもよいでしょう。並行在来線でもそんなにかかりませんし、高速バスも低価格を武器に殴り込みをかけています。そのときには全席指定の「かがやき」がネックになりますので、この区間に限っては自由席料金で乗車できるような工夫もいるでしょう。

 駅の一日平均利用者数(JR西日本は団体利用客を除きます)は、長野が7000人、飯山が800人、上越妙高が2300人、糸魚川が600人、黒部宇奈月温泉が700人、富山が4700人、新高岡が1600人、金沢が9800人です。長野以遠で富山しか停まらない「かがやき」の停車駅選定は妥当と言えるでしょう。ただ、「かがやき」通過駅の中では、上越妙高、新高岡の両駅が飛びぬけています。新高岡で「かがやき」のうち臨時列車1往復が停まっているように(1日当たり280人が乗車しているようです)、上越妙高や新高岡には一部の「かがやき」が停まってもよいでしょう。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2014/20150318.pdf、JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/03/page_6960.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/toyama/news/20150318-OYTNT50463.html、http://www.yomiuri.co.jp/local/niigata/news/20150320-OYTNT50241.html)

| |

« 阪神に真っ黄色のタイガースラッピング車 | Main | JR東日本、東海道線でのE217系営業運転終了 »

鉄道」カテゴリの記事

JR東日本」カテゴリの記事

JR西日本」カテゴリの記事

Comments

こんばんは、たべちゃんさん。
富山~金沢間の「つるぎ」ですが、確かに需要が伸び悩むのも分かります。
金沢どまりのサンダーバードの乗客を、この区間で「はくたか」の指定が取れない可能性もある不安に配慮したからでしょう。
九州の博多~熊本の「つばめ」も同様の理由で伸び悩んでいます。近距離客は新幹線が高いので乗らないのです。こちらは直通の「みずほ」「さくら」が便利なので、もっと悲惨だと想像されます。

Posted by: かずちゃん2015 | 2015.03.24 09:03 PM

 かずちゃん2015さん、おはようございます。

* 富山~金沢間の「つるぎ」ですが、

 12両のうち8両しか使っていないことからもわかる通り、ある程度は織り込み済みなのでしょう。

* 金沢どまりのサンダーバードの乗客を、この区間で

 「つるぎ」なら「サンダーバード」等に合わせてダイヤを設定することができますが、「はくたか」は東京に合わせてダイヤを設定しなければなりません。「はくたか」に大阪、名古屋連絡をさせるのは難しいです。

Posted by: たべちゃん | 2015.03.25 06:10 AM

東海道新幹線(乗車率6割)にすら「値段を高止まりさせて空気を運んでいるのは、公共交通として問題」

3―《上山信一の 〃あまのじゃく〃改革談義》
http://blogs.mobile.yahoo.co.jp/p/blog/myblog/content?bid=hanashimakaoru&id=25903541&ySiD=CYERVSE1xl15Es5ua85E&guid=ON

との指摘がありますが、北陸新幹線に「飛行機のような柔軟な割引運賃制度を導入」したらどうなるんでしょうか?柔軟というからには、九州新幹線の早特のように博多〜鹿児島中央間で26%割引がなされるのが当たり前どころかまだ生温い、という扱いになるんでしょう。とはいえ、閑散期や平日に安売りで乗車率を上げても新幹線の収支が改善されるか、整備新幹線の場合は新幹線の線路使用料の支払いにどう影響するかは分かりませんが。

Posted by: 日置りん | 2015.03.25 07:11 AM

 日置りん さん、おはようございます。

* 東海道新幹線(乗車率6割)にすら

 連日満員のほうが鉄道会社としては良いでしょうが、たくさん乗客がいるからと言って簡単には増発できない交通の特性を考えると、机上の空論にすぎません。

* 北陸新幹線に「飛行機のような柔軟な割引運賃制度を導入」

 確かに鉄道は運賃が硬直的です。普通運賃で経営できるような大都市近郊を除いて運賃を値上げして(いくらローカル線でも山手線と大して変わらない運賃で乗せること自体が無理です)、状況に応じて割引切符を出したほうがよいと思われます。

Posted by: たべちゃん | 2015.03.27 06:05 AM

連投失礼します。
先の主張をさらに進めるなら、「そもそも人ではなく空気しか運べないような新幹線は、公共交通として問題」というところに行き着きます。すでに

"東海道と東京〜高崎・仙台、新大阪〜広島間以外は輸送密度が1日3万人に届かず、片道30分に1本のダイヤでも多すぎるくらい"
"整備新幹線の輸送密度は単線でも運べる程度にとどまっている"(福井義高 「鉄道は生き残れるか」)

との指摘があります。単線やら片道30分やらは東海道の16両1323人での輸送を念頭に置いてのことでしょうが、やはり低密度新幹線であっても輸送力は多めに確保しておく必要があります。低密度の"「ローカル」新幹線"をJRがどうするのか、"最悪の場合、運行休止という可能性も一概には否定"すべきではないのかはまた別の問題ですが。

Posted by: 日置りん | 2015.03.30 06:27 AM

 日置りん さん、おはようございます。

* 先の主張をさらに進めるなら、「そもそも人ではなく

 整備新幹線が建設中のレベルでは、そういう心配はいらないでしょう。1時間に1本、8両編成の新幹線が走ることができれば、それなりの採算性があるということは、すでに開業した新幹線が証明しています。

Posted by: たべちゃん | 2015.03.31 06:13 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 「つるぎ」の開業3日間の乗車率、25%:

« 阪神に真っ黄色のタイガースラッピング車 | Main | JR東日本、東海道線でのE217系営業運転終了 »