フリーゲージトレイン、敦賀開業に間に合わず、「米原ルート」に否定的
過去にも書いたような内容ですが、改めて書くことにします。
JR西日本の真鍋社長は2月19日、大阪市の本社で記者会見しました。そこで、敦賀までの開業が3年早まることになった北陸新幹線についても話がありました。
真鍋社長は北陸新幹線の敦賀開業が3年早まることになったことについては評価しています。しかし、3年早まったことにより、敦賀開業時にフリーゲージトレインを導入することができなくなってしまいます。フリーゲージトレインはただいま試験中ですが、技術を確立するのに10年かかるため、間に合わないのです。また、フリーゲージトレインの導入区間は金沢や富山までであり、新潟に延長するのは次の段階と考えています。フリーゲージトレインは北陸新幹線金沢暫定開業で不便となる、北陸と関西を乗り換えなしで結ぶのが主眼であり、所要時間がかかり、しかも50ヘルツ対応などもいる新潟への延伸は(富山-大阪間に比べて)必要性が低いでしょう。
もちろん、北陸新幹線の最終形は大阪までのフル規格です。しかし、敦賀以西のルートはいまだに決まっていません。敦賀以西のルートは「若狭ルート」、「米原ルート」、「湖西ルート」の3つが考えられていますが、このうちの「米原ルート」について、以前同様、否定的な見解を出しています。過密ダイヤの東海道新幹線に乗り入れることができるか(特に鳥飼の車庫がある京都-新大阪間を問題としています)、東海道新幹線と北陸新幹線の運行管理システムの違いなどを挙げています。真鍋社長は3つのルートから1つを決める権限はないとしているものの、運行主体となるJR西日本が明確に否定的な見解を出している「米原ルート」にはできないでしょう。京都を通らないことを理由に「若狭ルート」はダメだとする意見がありますが、現状ではフル規格で大阪まで全線開業させる場合、「若狭ルート」しか選択肢はないのです。東海道新幹線に乗り入れる、「米原ルート」、「湖西ルート」は論外なのです。
なお、金沢-福井間を東京オリンピックに合わせて先行開業させることについては、車両を留置するために、1面2線とされている福井駅の新幹線ホームを、2面4線にしなければならず、用地買収などが新たに必要となります。コスト面はもちろん、5年という短い期間で建設できるのかということも含めて夏までに検討するようです。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/kenmin-fukui/article/kenmin-news/CK2015022002000216.html)
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Comments
>現状ではフル規格で大阪まで全線開業させる場合、「若狭ルート」しか選択肢はないのです。
タビリスの記者が書いているように、JR西日本のホンネは、全線開業は必要なく、敦賀止りにして、大阪方面はFGTで十分ということでしょう。
若狭・湖西ルートとも、関西の自治体が費用負担に難色を示しているし、その費用対効果を考えれば、現実問題として実現の可能性は薄いでしょう。
リニア早期全線開業で地元負担を迫られている中、北陸にまで手が回らないということもあります。
若狭ルートは、JR東海が障害にならなくても、今度は京都府が非協力的でしょうから、もし、どうしても大阪が全線開業に拘るなら、大阪府が京都府の負担の肩代わりを迫られるでしょう。
FGTの開発状況にもよるが、敦賀以西は未来永劫FGTになる確率が高いと思われます。
Posted by: かにうさぎ | 2015.03.08 09:37 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* JR西日本のホンネは、全線開業は必要なく、
フリーゲージトレインが実用化すれば、北陸新幹線金沢暫定開業の欠点は解消されるので、それでいったん落ち着くことは十分考えられます。
* 若狭ルートは、JR東海が障害にならなくても、今度は京都府が
京都府議会の自民党府議団は、「若狭ルート」を会派として推しています。京都府が障害になることはないでしょう。
(参考:「笹岡一彦、前へ。」 http://sasaokakazuhiko.net/?eid=1890)
Posted by: たべちゃん | 2015.03.12 06:19 AM