名古屋市、大井川鐵道とSLレンタル交渉
通勤鉄道のあおなみ線にSLを走らせたがっている河村名古屋市長。2013年2月に2日間の実験走行を行いましたが(そのときは乗客1200人のほか、見物客約4.3万人を集めました)、金城ふ頭で2017年春に「レゴランド」がオープンするのに合わせて、2016年度からは年2日ほど運行させたいとしています。
しかし、あおなみ線は自前でSLを持っていませんから、どこからか借りてくる必要があります。2013年のときはJR西日本から借りましたので、普通ならばJR西日本に頼むところでしょうが、交渉はうまくいきませんでした。そこで、定期的に運行している大井川鐵道から借りることを考えました。大井川鐵道はSLを4両持っていますから、1両ぐらいなら何とかなると考えていたのかもしれません。名古屋市は4両あるSLのうち、(2013年の実験走行時と同じ)C56を希望していました。
ところが、大井川鐵道は運行中の車両を貸すのは難しいとして、C56を貸すのを断りました。4両が常時運行しているわけではありませんが、故障のための代替車や整備などのため、4両を確保する必要があるというのです。代わりに提案したのは、駅に展示中のC12を貸すことです。しかしC12はボイラーの不具合などで2005年から運行していないため、あおなみ線で走らせるには修理が必要となります。初期費用に約6.3億円を要するので、約3億円で済むC56を希望している名古屋市との間で話はまとまっていません。
そもそも、観光客が来なければ話にならない大井川鐵道のようなロケーションならともかく、通勤路線のあおなみ線にSLを走らせる意味はあるのでしょうか?
(追記)
結局、大井川鐵道は4月に引き続いて、5月22日にも否定的な回答を行い、レンタルを断ることとなりました。
(参考:朝日新聞2015年3月7日朝刊 中部14版、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20150305/CK2015030502000053.html、毎日jp http://mainichi.jp/select/news/20150526k0000e040199000c.html)
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