683系を289系にして「くろしお」「こうのとり」等に投入
683系2000番台は、この3月のダイヤ改正まで「しらさぎ」用に使われてきましたが、「しらさぎ」が6両化されたのに伴い、活躍の場を失ってしまいました。この683系2000番台については、すでに「くろしお」の取り替えに使われるという話がすでにありましたが、4月28日にJR西日本からも「くろしお」等の置き換えについての発表がありました。683系2000番台を289系に形式変更して(直流区間のみの運転となるため、形式の変更を行います。交流用機器の使用を停止します)、「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」に投入するというのです。
「しらさぎ」用の683系2000番台は、5両編成が12本、3両編成が9本ありますが、これを組み替えて(5両編成のサハ683を外して4両編成にしたり、逆にサハ683を追加して6両編成にしたりします)、各列車の使用状況に合うように、「くろしお」は6両編成5本、3両編成3本(合計39両)に、「こうのとり」「きのさき」「はしだて」は4両編成7本、3両編成6本(合計46両)にして投入します(サハ683が2両余ります)。置き換えられるのは、381系。「くろしお」用に381系6両編成5本、3両編成3本(合計39両)、「こうのとり」「きのさき」「はしだて」用に4両編成7本、中間の電動車ユニット6組(合計40両)ありますが、これが置き換えられます。381系のまま残るのは、「やくも」のみとなります。この置き換えにより、「くろしお」「こうのとり」「きのさき」「はしだて」もようやくすべての車両がJR発足後に製造された車両で運行されることになります。289系の運転開始日や運用区間は未定で、決まり次第発表されます。
さて、381系から289系に置き換えられることで、客室設備は改善されます。トイレは和式だけだったのが洋式、小便所、車いす対応トイレの組み合わせとなり、381系にはなかったコンセントも各客室の最前後部の壁のみだけですが設置されます。381系にはなかった多目的室も設置されます。しかし、振り子機能はなく、「くろしお」に関してはスピードダウンが懸念されます。事実、283系がデビューしたときは天王寺-新宮間を最速3時間18分で結んでいましたが、今では20分以上も遅くなっています。停車駅が増えたとはいっても国鉄時代と比べて10分程度しか速くなっていません。
(追記1)
それどころか、天王寺-新宮間で見たところ、分割民営化時に比べて遅くなっています。分割民営化時は3時間38分、1997年3月には3時間18分にまで短縮しましたが、その後は逆に伸び続け、2015年3月時点では3時間42分と4分遅くなっています。
(追記2)
「くろしお」用の289系は、吹田総合車両所日根野支所ではなく、吹田総合車両所京都支所の配置となっています。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/04/page_7100.html、https://www.westjr.co.jp/company/info/issue/data/pdf/data2015_10.pdf、鉄道コム http://www.tetsudo.com/news/1323/、「鉄道ジャーナル」2015年7月号 鉄道ジャーナル社、「鉄道ジャーナル」2016年1月号 鉄道ジャーナル社、「特急列車『高速化』への提言」 川島令三著 中央書院)
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