「SLやまぐち号」に旧型客車復刻の新しい客車投入
新山口と津和野とを結ぶ「SLやまぐち号」、客車は12系を改造したものとなっています。それぞれ展望車風、欧風、昭和風、明治風、大正風の内装となっています。
JR西日本は今後も少なくとも数十年は安定的にSLの動態保存ができるよう、以前にも書いたとおり、SLの解体検査に特化した専用検修庫を新設し、D51の本線復活を行います。そして、客車も新しいものに取り替えます。
その客車は、SL全盛期の旧型客車を復刻したもの。マイテ49、オハ35、オハ31を復刻します。マイテ49を復刻する1号車は定員約20人のグリーン車となります。2人掛けと1人掛けの回転リクライニングシートが並びます(一部はボックスシート)。展望デッキのほか、展望室もあります。2~4号車はオハ35を復刻したものとなります。普通車で、定員は合わせて約170人となります。ボックスシートが並びます。ただ、そのシートピッチは1700ミリと非常に拡大されたものとなっています(旧型客車は1300ミリ)。テーブルがあるためです。5号車はオハ31を復刻したものとなり、ボックスシートが並びます。車いす対応席、多目的室、バリアフリートイレがあり、定員は約50人です。展望デッキもあります。5両編成全体での定員は約240人で、現行の2/3程度となります。SLの音や煙を体感できるように開放型展望デッキや開閉窓を設置し、SLを体験し、学ぶことができるフリースペースを設けます。運転シミュレーターもあるようです。フリースペースのある3号車には、販売カウンターも設置されます。旧型客車を復刻しますが、時代に合うように、バリアフリー対応とし、ベビーカー置場、温水洗浄器付きトイレなども備えます。
新しい客車の投入に合わせて、「SLやまぐち号」の一部停車駅において、今まで以上に線区全体で「SLやまぐち号」の旅を楽しむことができるよう、改修を行います。新山口駅ではSLが停車するホームの床面を昭和初期レトロ風にします。仁保駅では急こう配前の準備作業の見学スペースを確保するために、ホームの待合室を移設します。地福駅では駅舎の内外装を昭和初期レトロ風に改修し、津和野駅ではコンコースやトイレなどを改修します。
なお、D51、新しい客車の投入と駅の改修は、山口デスティネーションキャンペーンを開催する2017年9月を予定しています。
(追記1)
2017年9月2日にデビューする「SLやまぐち号」用の新しい客車は35系というようです。座席にはコンセントもあります。なお、SLはこれまで通りC57が主に担当するようです。なお、2017年6月11日に行われた、幡生から下関までの回送において、牽引にキヤ143の2両が使われました。
(追記2)
展望デッキは最後尾のみ開放します。SLの直後にある前のほうは燃えた石炭の細粒が降り注ぐからです。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/03/page_7018.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2016/05/page_8700.html、http://www.westjr.co.jp/press/article/2017/06/page_10589.html、SL情報局 http://www.c571.jp/html/slinfo/guestroom/、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO02235780S6A510C1LC0000/、railf.jp http://railf.jp/news/2017/06/02/130000.html、http://railf.jp/news/2017/06/12/170000.html、乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/72490/、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/yamaguchi35/、「鉄道ファン」2017年9月号 交友社、「鉄道ジャーナル」2018年2月号 鉄道ジャーナル社)
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