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May 2015

JR東日本の車内販売でクレジットカード使用可能に

 「Suica」などの交通系電子マネーが使えるJR東日本の車内販売ですが、これまでクレジットカードは使えませんでした。しかし、明日6月1日から(寝台列車の「カシオペア」、「北斗星」は上野駅発車日を基準とします)、JR東日本管内の新幹線(北陸新幹線はJR西日本エリアを含む全線)や特急列車等(「草津」、「スーパーあずさ」、「ひたち」、「スーパービュー踊り子」、「スーパー白鳥」、「日光」等)、日本レストランエンタプライズが営業している車内販売で、クレジットカードの取り扱いを開始します。交通系電子マネー同様、小銭を気にせずに車内販売を使うことができます。訪日外国人だと交通系電子マネーは持ってないでしょうが、クレジットカードは持っています。彼らにとって外国通貨である日本円を使わなくても、自国で使ってきたクレジットカードがそのまま使えるのです。JCB、Visa、MasterCardなどの主要クレジットカードが使え、弁当、飲み物、おつまみ、土産、オリジナルグッズ、食堂車での支払いに使えます。一度の利用で、1万円まで使えます(寝台特急は2万円まで)。

 このような改善がなされるようになったのは、2014年から車内販売に新たな機械を導入したため(2008年に導入したハンディ端末で、交通系電子マネーに対応できるようになりました)。「ハンディ端末とプリンタ」の機能とシステムをフル活用することで実現しました。車内販売のアテンダント一人一人がPOSレジを持っているようなものです。

 クレジットカードの取り扱い開始を記念して日本レストランエンタプライズは、株式会社ビューカードなど関係クレジットカード会社と共同でプレゼントを行います。サービス開始初日の6月1日から車内販売でクレジットカードを税込み500円以上利用した人先着3万人に、日本レストランエンタプライズ特製フィナンシェをプレゼントします。期間は6月30日までですが、なくなり次第終了します。
(参考:日本レストランエンタプライズホームページ http://www.nre.co.jp/news/obj/file/000/184/150519-1845_pdf.pdf)

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特別な「トワイライトエクスプレス」、山陰、大分へ

 5月から復活した特別な「トワイライトエクスプレス」ですが、7月からの運転日、運転コース、主催旅行会社が決まりました。

 大阪発7月11日と18日(下関発は翌々日)は、従来通り山陽線経由で運転されます。そして7月25日からは、以前にも予告していた「山陰コース」が始まります。7月から9月の間に6往復催行されます。ダイヤは大阪を10:05に出て、琵琶湖に寄らずに山陽線を倉敷まで進みます。そこから伯備線で北上し、米子からは山陰線です。山陰線で日の出を迎えることになります。下関には翌14:50着です。反対の下関発は、大阪発の翌々日に運転されます。下関発10:37発で、行きと逆のコースをたどり(米子まで山陰線。山陰線内で日の入りを迎えることになります)、大阪には翌15:49着です。観光の時間も用意されています。行き、帰りともに東萩に3時間から4時間停車します。東萩では地元の人の出迎えがあり(予定)、松陰神社、松下村塾などに立ち寄る予定です。そのほか、鳥取、島根両県のいずれかの駅で停車できるように調整するとのことです。

 車両編成は前回と同じく、「スイート」、「ロイヤル」のみの豪華編成です。「スイート」、「ロイヤル」を4両つなぐので、定員はたったの40人です。そのほか、サロンカー、食堂車、乗務員室等、電源車がつきます。豪華列車だけに食事も充実していて、ディナー、朝食のパン、ディナーのデザートは、人気のブーランジェ、パティシエが協力します。

 そして、7月にはこの特別な「トワイライトエクスプレス」が九州に上陸します。7~9月の3か月間開催される「おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーン」に合わせてのもので、7月5日に大阪を10:05に出て、翌日15:26に大分に着きます。7月7日は大分を9:23に出て、翌日14:05に大阪に着きます。日本旅行の企画するツアーとなっていて、行き、帰りいずれかで特別な「トワイライトエクスプレス」を利用します。由布院温泉での1泊がついて、24万円からです。値段が高すぎて乗車は不可能でしょうが、後継の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」もJR西日本の中に閉じこもるのではなく、他社にも「遠征」をしてもらいたいです。

(追記)
 特別な「トワイライトエクスプレス」は、9月にも大分に行きました。往路が大阪発9月12日、復路が大分発9月14日でした。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/05/page_7201.html、マイナビニュース http://news.mynavi.jp/news/2015/05/26/617/、日本海新聞ホームページ http://www.nnn.co.jp/news/150529/20150529007.html、鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2015/09/jrjr_142.html)

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地下鉄で一番高いところにある駅

 12月に開業する仙台市営地下鉄東西線。その西端の駅は八木山動物公園ですが、ここがとある記録に認定されることになりました。

 日本地下鉄協会が認定したその記録とは、地下鉄の駅の中で一番高いところにある駅(レール面の高さで判断します)。これまでの記録は神戸市営地下鉄の総合運動公園、標高103メートルでしたが、八木山動物公園はそれを大きく上回る136.4メートルです。仙台からたった6駅で、坂を上ることとなります。住民らがつくる「東西線関連八木山まちづくり研究会」が日本地下鉄協会に調査を依頼し、認定されました。

 住民からは日本一を記念するプレートの設置を求める声があり、仙台市も検討を始めたようです。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201505/20150517_15011.html)

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大井川鐵道、北海道のホテル会社が経営再建へ

 大井川鐵道が厳しい経営環境であることは以前にも書いたとおりですが(関越道のツアーバス事故でツアーバスに対する規制が強まり、法規制が強まったため、ツアー客が減ったのです。沿線人口も減り、普通列車の本数もそれに合わせて減りました。乗客数はピーク時の2割、2012年度の旅客輸送密度は662人です)、新しい動きがありました。関連会社の大鉄商事とともに、29日に政府系ファンドの地域経済活性化支援機構が再生支援を決定したのです。

 新しいスポンサーは、北海道でホテルを運営する、新ひだか町のエクリプス日高。静内ウエリントンホテル(現:静内エクリプスホテル)を再生した実績があります。大井川鐵道は現在、名鉄が議決権ベースで約10%を保有していますが(大井川鐵道は1960年代に経営危機に陥り、名鉄が支援したという経緯があります)、それをエクリプス日高に実質無償で譲渡し、経営から撤退します。名古屋から離れていて、本業との相乗効果が見込めないからです。経営撤退により数億円の損失が出ますが、それでも構わないとのことです。その後大井川鐵道は8月末に増資を行い(3億円程度の株式を発行し、エクリプス日高に割り当てます)、エクリプス日高は約90%の株式を持つことになります。大井川鐵道には約35億円もの有利子負債がありますが(年間の支払利息も8000万円を超えます)、静岡銀行など取引金融機関は債務免除を行います。

(追記1)
 大井川鐵道関連なので、併せて書きます。

 大井川鐵道には元西武の電気機関車が3両あります。SLを金谷に乗り入れさせるために購入したのですが、ATS設置費用の3000万円が捻出できませんでした。そのため、SLの金谷乗り入れは中止となり、電気機関車は5年前から車庫で放置されたままです。

(追記2)
 金融機関の債務免除に加えて、客単価の大きい「きかんしゃトーマス」の運行で(本線の利用者が0.4%減ったにもかかわらず)売上高が6%増えたなどの理由で、大井川鐵道の2016年3月期の営業利益は前期比50%増の約1.25億円、最終利益は1200倍の24億円にもなりました。2016年4月27日、地域経済活性化支援機構は再生支援の完了を発表しています。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0139341.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO87411900Y5A520C1L61000/、http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ29HTH_Z20C15A5TJC000/、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20150529/CK2015052902000105.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2015/05/30/252347.html、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/73517?page=3、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/oigawa-3/)

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南海、130円で片道どこまででも乗車可能に

 以前にも書いたとおり、南海は今年(2015年)、創業130周年を迎えます。そこで南海は、6月13日と14日の2日間限定で利用することができる、「創業130周年記念乗車券」を発売します。

 この「創業130周年記念乗車券」は、南海全線において片道乗車が1回できるもの。値段は130周年にちなんで、130円です(座席指定車を利用する場合は、特急料金または座席指定料金が必要です)。初乗りより安い130円で片道1回だけですが、高野山や関空にも行くことができるのです。南海で一番高いのは、関西空港-高野山間で1790円もしますが、130円払えばよく、9割引以上の大幅値引きとなります。

 「創業130周年記念乗車券」は枚数限定です。6月1日7時から7日まで発売されます。1300枚限定で、難波(2階サービスセンター)、新今宮、堺、泉大津、岸和田、泉佐野、関西空港、和歌山市、加太、住吉東、堺東、北野田、河内長野、橋本、高野山の15駅で発売します。1人2枚限りしか購入できず、払い戻しはしません。
(参考:南海ホームページ http://www.nankai.co.jp/traffic/info/130anniversary_ticket.html、産経ニュース http://www.sankei.com/west/news/150526/wst1505260078-n1.html)

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タカラトミー、本物同様に磁石の力で浮いて動くリニアのおもちゃを開発

 タカラトミーは、本物同様に磁石の力で浮いて動くリニアのおもちゃ、「リニアライナー」を9月に発売します。モーターなどはなく、純粋に磁石同士の反発のみを推進力としています。このように(実際のリニアのように)磁石の力で浮いて動くのは、世界でも初めてのようです(タカラトミーの「プラレール」にもL0系はありますが、こちらは浮上せず、普通に車輪で走ります)。

 「リニアライナー」もモデルは、JR東海が開発しているL0系。「リニアライナー」は、車両(4両編成)、楕円形の高架レール(ポイントはありません)、駅などがセットになっています。橋やトンネルもあり、橋はリニア実験線にある小形山架道橋、トンネルは同じく実験線のトンネル緩衝工がモデルとなっています。レールの壁はプラスチック製となっていて、浮いて走る様子を見ることができます。リニアのスピードは時速6~7キロですが、実物に換算すると時速500キロを超えます。

 先ほども書いたように発売時期は9月ですが、すでに予約を受け付けています。希望小売価格は税込み37800円、購入するのは大人を想定しています。初回分はリニアライナーマガジンがついています。
(参考:タカラトミーホームページ http://www.takaratomy.co.jp/products/linearliner/index.html、朝日新聞5月27日朝刊 中部14版)

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阪九フェリー、連絡バスを和泉府中まで延長

 阪九フェリーは、なんばOCATと泉大津にバスを走らせています。どちらも岸和田観光バスが、船のダイヤに合わせて運行しています。このバスのうち、泉大津へのバスが、6月6日出発便から変わります。

 6月6日出発便からは、和泉府中駅前発着となります。和泉府中駅前から泉大津駅前を経由して、フェリーのりばに行きます(入港時は逆コース)。和泉府中では東口に発着します。泉大津までなら無料ですが、和泉府中まで利用するときは有料です。大人270人、子供140円です。なお、なんばOCATへのバスを利用するときは、従来と変わらず、大人410円、子供210円の運賃がかかります。

 いくら有料になるとはいえ、阪和線沿線の人なら便利になるので、朗報といえます。
(参考:阪九フェリーホームページ http://www.han9f.co.jp/access/izumi02.html)

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京都市交通局、幼児何人乗っても無料

 鉄道やバスで幼児(1歳~小学生未満)の運賃は、保護者等に同伴されている場合、1~2人までは無料となることが多いです。

 京都市交通局もこれまで2人までを無料にしてきましたが、6月1日からは父母等の親権を持つ保護者(祖父母等は対象外のようです)に同伴されている幼児の運賃は、何人でも無料とすることになりました。日本人に限らず、外国人観光客にも適用されます。幼児の無料化は、地下鉄、市バスの全線が対象で、乗り入れをしている近鉄や京阪、民営バス等は対象外です。なお、1歳未満の乳児については、以前から人数に関係なく無料です。全国の25ある公営交通では初めての取り組みです。

 地下鉄では改札口(乗車時、降車時)を通るときに保護者が同伴する幼児であることを駅職員に伝え、市バスでは運賃を払うときに保護者が同伴する幼児であることを運転士に伝えます。身分証の提示は不要のようです。ICカードや定期券での利用もできます。

(追記)
 保護者等に同伴された幼児が無料になるという取り組みは、7月18日に開始した京阪バスに続き、11月1日からは京都バスなど8つの交通事業者に広がりました。ただし、利用できない区間もありますので御注意ください。
(参考:京都市交通局ホームページ http://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000182945.html、http://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000123857.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/kyoto/news/20150520-OYTNT50419.html、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/150521/rgn1505210016-n1.html)

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伊予鉄道、自転車を載せることができるバス、タクシーを運行

 2014年10月、国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」が開催され、国の内外から約8000人のサイクリストが参加しました。このようなサイクリングのブームから、伊予鉄道は、2014年9月からサイクルトレインの実証実験を行ってきましたが、4月4日からは本格運行することになりました。休日の郊外電車全線において利用できます(大手町、石手川公園、鷹ノ子の3駅は乗降不可です)。指定された場所に利用者が自転車を載せ、車内では自己管理にて対応します。積み込むことができるのは、1列車につき10台までです。運賃のほか、自転車1台につき100円が必要です。

 伊予鉄道の取り組みは電車だけではありません。系列のバスやタクシーでも対応します。バスは伊予鉄道が運行する松山-三崎特急線と、伊予鉄南予バスが運行する面河線。松山-三崎特急線は1日3往復のうち、1.5往復をサイクルラック付きバスで運行します。面河線は1日2往復をサイクルラック付きバスで運行します(面河-石鎚土小屋間は4~11月の休日のみ運行)。両路線とも、バス前方に装着された可倒式サイクルラック(1両につき2台まで積載可)に利用者が自ら積載します。運賃のほか、自転車1台につき100円が必要です。伊予鉄タクシーは小型車両5両が対応します。事前予約が必要で、9時から23時の間運行します。運行経路に制限はなく(高速道路は通行できません)、車両後部トランク内に収納されたタクシー用自転車用キャリアに運転士が積載します。1両につき1台限り積載できます。運賃のほか、自転車1台につき200円が必要です。
(参考:伊予鉄道ホームページ http://www.iyotetsu.co.jp/topics/press/2014-15_dple.pdf)

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2015年の夏も「かがやき」増発

 22日、JR各社から春の臨時列車の発表がありました。

 人気の北陸新幹線については、に引き続き、「かがやき」を毎日3往復以上運転します(ただし、7月1日から9月30日まで毎日運転するのは1往復だけで、あとは日によって運転する便が変わります)。7月21日から8月30日までの夏休み期間には毎日4往復以上、そしてお盆やシルバーウィークには最大8往復します。毎日運転する1往復の臨時列車、「かがやき539号」(金沢22:31着)、「かがやき536号」(金沢7:14発)については、新高岡にも停車します。JR西日本によれば、「かがやき」の新高岡停車は、1年ぐらい継続して様子を見ていくようです。北陸新幹線の臨時列車は、「かがやき」か「あさま」であり、「はくたか」の臨時列車は、平日朝に上越妙高から長野に行く2本のみです。引き続き7月から9月までの平日朝に運転されます。

 それでは、北のほうから気になる列車を見ていきましょう。JR北海道では、8月18日から31日の間、札幌-函館間(ニセコ経由)に「ヌプリ」(函館行き)、「ワッカ」(札幌行き)を1日1本ずつ運転します。「ニセコエクスプレス」車両を使います。9月5日からの休日は、札幌-長万部間(ニセコ経由)に「ニセコ」を1日1往復運転します。「ニセコエクスプレス」車両を使い、10月以降も継続予定です。なお、SLの「SL函館大沼号」、「SLニセコ号」は運転の計画がありません。

 JR東日本関係では、「青森県・函館観光キャンペーン」に合わせて、ハイブリッドの「リゾートあすなろ」を八戸まで運行します。新青森発八戸行きの「リゾートあすなろ八戸2号」(新青森8:30発)、八戸発大湊行きの「リゾートあすなろ下北1号」(八戸10:49発)、大湊発新青森行きの「リゾートあすなろ下北2号」(大湊13:00発)の組み合わせで、新青森に戻ります。休日を中心に運転されます。新青森-三廐間の「リゾートあすなろ」は、弘前発着に延長されます。従来八戸-大湊間を運転していた快速「はまなすベイライン」は、八戸線にも乗り入れ、鮫-大湊間を休日を中心に1日1往復運転します。キハ48のリクライニングシート車を使い、全車自由席です。奥羽線では全通110周年を記念して、臨時列車を運転します。9月12、13日に新庄-秋田間で運転する「つばさリレー号」、9月12日に湯沢発青森行き、翌13日に青森発湯沢行きを運転する「奥羽本線全線開通記念号」です。快速「つばさリレー号」は485系6両編成(全車指定席)、快速「奥羽本線全線開通記念号」は583系6両編成(全車指定席)です。当然ながらどちらも国鉄色です。東北本線をグリーン車、食堂車付きで走っていた全盛期から見ると寂しい姿でしょうが、かつてのスターの競演が見られます。8月1日から16日の間は、盛岡-久慈間で「さんりく北リアス号」が運転されます。JR東日本の「Kenji」(3両編成)もしくは三陸鉄道の3両編成(レトロ車2両と一般車1両の組み合わせ)が1日おきに走ります。全車自由席です。久慈発の「さんりく北リアス号」では、弁当の予約販売などのサービスがあります。

 上野東京ラインを活用した臨時列車としては、大宮発着の「踊り子115号」「踊り子114号」(東京-伊豆急下田・修善寺間は定期列車)、我孫子発着の「踊り子161号」「踊り子162号」があります。大宮発着はお盆のみの設定ですが、我孫子発着は週末に運転されます。「踊り子161号」「踊り子162号」は185系を使用しますが、全車指定席です。大船-鬼怒川温泉間の「きぬがわ93号」「きぬがわ92号」もあります。中央線では、塩山-長野間に「甲信エクスプレス」(189系6両編成)が7月から9月に8日間運転されます。甲府と長野を直接結ぶ特急は通常設定はなく、珍しい存在です。

 西に話を移します。京都と関空を結ぶ特急、「はるか」も臨時列車が運転されますが、そのうちの「はるか86号」(関西空港13:46発)は7~9月の毎日、運転されます。新大阪発桜島行きの直通快速は、土曜日に運転します。それにうまい具合に接続する新幹線、「さくら580号」もしくは「ひかり580号」も土曜日を中心に運転されます。「プラレールカー」は8月30日まで一部の日を除いて、1日1往復運転します。キハ40のリニューアル車両により寺前-和田山間を走っている「天空の城 竹田城跡号」ですが、9月19日から23日は、寺前-城崎温泉間に延長します。快速扱いとなり、2両編成になります。予土線の「鉄道ホビートレイン」は、休日に近永-宇和島間の1往復を運休させ、江川崎-宇和島間に1往復運転します。長い間乗車することができます。九州では、7月18日から、「ゆふいんの森1号」、「ゆふいんの森2号」、「ゆふいんの森5号」、「ゆふいんの森6号」が5両編成になります。

 貴重な存在の夜行列車については、「北斗星」、「カシオペア」、「サンライズ出雲91号」、「サンライズ出雲92号」、「ムーンライトながら」、「ムーンライト信州81号」が運転されます。青函トンネル関係は、以前に発表した通り、「北斗星」が上野発は8月21日まで、札幌発が8月22日まで運転されます。7月22日以降は隔日で運転されます。「カシオペア」は9月まで運転されます。7月21日から9月2日までは隔日で運転されます。ただし、「北斗星」、「カシオペア」、定期列車の「はまなす」ともに、北海道新幹線がらみで運休や時刻変更があります。285系7両編成の「サンライズ出雲91号」、「サンライズ出雲92号」はに続いての登場です。「サンライズ出雲91号」は8月12日、16日、「サンライズ出雲92号」は8月11日、15日に運転されます。「サンライズ出雲91号」は東京22:40発、出雲市翌13:43着、「サンライズ出雲92号」は出雲市15:36発、東京翌6:00着です。昼間もかなり長い時間走りますが、車内販売はありません。「ムーンライトながら」は東京発が7月24日から8月22日、大垣発がその翌日に運転されます。2014年と同じ29日間の運転です。「ムーンライト信州81号」が7月から9月の金曜日を中心に運転されます。2014年より2日間少ない23日間の運転です。定期列車の「サンライズ瀬戸」ですが、金曜日、土曜日を中心に琴平まで延長されます。2014年秋に引き続いてのものです。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150522-2.pdf、JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2015/20150516.pdf、JR東日本秋田支社ホームページ http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20150522.pdf、JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/05/page_7163.html、JR西日本福知山支社ホームページ https://www.westjr.co.jp/press/article/items/150522_00_fukuchiyama.pdf、JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/15-05-22/02.htm、JR九州ホームページ http://www.jrkyushu.co.jp/top_info/pdf/517/natsunorinnjiressya.pdf、三陸鉄道ホームページ http://www.sanrikutetsudou.com/?p=2423、新潟日報ホームページ http://www.niigata-nippo.co.jp/news/national/20150522182620.html、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/moonlight/、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150521-00026150-kitanihon-l16)

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台湾高雄に建設中のLRTは架線レス

 台湾の高雄では、LRTが建設中です。全長22.1キロの市内をぐるっと回る環状線ですが、そのうち海岸部の8.7キロは2015年末に開業予定です。

 このLRT、線路の80%が緑化されていて、環境に配慮された設計になっています。そして高雄LRTの大きな特徴は、電車なのに架線がないこと。地下鉄のような第三軌条でもありません。

 それでは、どうやって電気を取り入れているのかといえば、各駅の構内だけ短い架線が取り付けられています。20~25秒という短い時間でパンタグラフを上げて充電し、パンタグラフを下げて走行を再開します(日本でもLRTではありませんが、烏山線で蓄電池駆動電車が走っています。しかし、充電するのは電化区間と終点の烏山のみです)。また、走行中にブレーキをかけるとモーターが発電し、それを蓄えることもできます。省エネにもつながります。LRTは道路上を走ることが多いため、どうしても定時走行は難しいです。そこで、電車が近づくと、優先的に青になるように信号を制御する「路面電車優先システム」を導入しています。

 高雄市によれば、一部区間で架線レスのLRTはありますが、全線架線なしは世界初のようです。
(参考:Yahoo!ニュース http://bylines.news.yahoo.co.jp/ieiriryota/20150507-00045477/、日経ケンプラッツ http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/it/column/20150521/700809/?P=2)

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日高線代行バス6月から増発

 JR北海道日高線は、厚賀-大狩部間の高波被害により、一部区間が運休したままです。しかも、その復旧には少なくとも4年かかります。そこで、以前にも書いたとおり、JR北海道は6月1日から代行バスを充実させることになりました(これまで札幌からバスと乗務員を送り込んできましたが、ジェイ・アール北海道バスなど地域のバス会社から協力してもらうようになりました)。主な利用者の高校生への影響を小さくするためです。

 鵡川-静内間においては、現在上り6本、下り4本の代行バスを運転していますが、6月1日から上り7本、下り8本(学校の始業時刻に合わせて増発される、富川6:27発静内7:45着を含みます)の運行となります。運休前は8往復だったので、かなり近くなりました。通学時間帯を過ぎると昼過ぎまでバスがないという事態はなくなります。夕方の通学時間帯の利便性確保のため4月1日に静内19:30発の便が増発されましたが、これについては放課後のクラブ活動等を考慮してさらに遅らせ、運休前と同じ静内19:58発とします。

 静内-様似間においては、現在4往復の代行バスを運転していますが、6月1日から日中の便を増発し、6往復(浦河13:30発様似行きを含みます)の運行となります。運休前は7往復だったので、かなり近くなりました。以前からある4往復はすべてダイヤが変わります。学校の始業時刻に合わせて、静内8:00着の代行バスの到着を早めて7:40着とするとともに、夕方については放課後のクラブ活動等を考慮して遅らせ、運休前と同じ静内20:07発とします。

 鉄道がある苫小牧-鵡川間については、代行バスと接続するために夕方以降の鵡川発の列車2本の運転時刻を3~5分遅らせます。

 鉄道があること自体が目的ではなく、あくまでも輸送のための手段です。利用者があまりにも少ないので無理に鉄道を残す必要はないですが、地元からの要望に応えて、できる範囲で利便性を向上させることは必要でしょう。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150514-3.pdf)

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明知鉄道SL、夏にも圧縮空気構内走行へ、2019年には本格運行

 明知鉄道明智駅には、かつて国鉄明知線を走ったSL、C12(1940年製)が保管されています。今年2月にJR東海から恵那市に無償譲渡されました。

 その明知鉄道のある恵那市は、以前にも書いたように、SLを走行させたいと考えています。恵那市が明知鉄道や沿線住民、商工会議所などに呼び掛けて「蒸気機関車の復元に向けた研究会」を発足させました。2027年のリニア中央新幹線開業に向け、観光の目玉としてSLを復活させようとしているのです。

 その背景にあるのが、明知鉄道の利用者数減少。明知鉄道の年間利用客は1986年度の約90万人から減り続け、2013年度は約半分の約45万人まで減っています。ところが、この研究会によれば、SLの本線走行に必要な初期費用は車両整備費などの約5.7億円、車両検査費や人件費などの維持費が約0.9億円ですが、約5億円の経済効果があると見込んでいます(SL運行が100日、1日当たりの観光客が約300人と仮定)。

 明知鉄道のSL走行は、構内の試験走行から始まります。圧縮空気により、明智駅構内の軌道約220メートルを夏から走らせます。しかし、これだけでは終わりません。本来の蒸気による走行を目指して、SLを整備します。2019年には本線での本格運行を始めたいとしています。

 SL関連で話を続けますが、明知鉄道はこのほどJR貨物で使われてきた車掌車(1979年製のヨ18080号車、主に静岡地区で使用し、2011年秋に休車。2015年3月に廃車)を1両購入し、22日に明智駅に搬入されました。ブレーキなど駆動部分を整備し、一部の塗装をし直し、その後恵那市が買い取ります。早ければ夏の試験走行の際に連結して、来場者に車掌車のデッキに乗ってもらえるよう検討するとのことです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/gifu/news/20150519-OYTNT50265.html、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20150523/CK2015052302000021.html)

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京成、「スカイライナー」の利用者数減少

 京成は2015年3月期の決算を発表しましたが、それによりますと有料特急利用者数(ほぼ「スカイライナー」)は前年度に比べて3%減少し、412.9万人となりました。また、成田空港の2014年度運用状況を見ても、航空旅客数が2%減少しました。

 しかし、京成の輸送人員自体は大きくは減っていません。定期が0.2%増の1.56億人、定期外が0.7%減の1.10億人です。「スカイライナー」の減少が目立っているのです。成田スカイアクセス線が開業して以来、東日本大震災の影響のあった2011年度を除いて、このように利用者数が減少したのは2014年度が初めてです。

 このように「スカイライナー」の利用者数が減少した原因は何でしょうか? 成田空港の状況から推測している記事があります。成田空港の2014年度の航空旅客数は3530万人と前年に比べて2%減少していますが、内訳は国際線(2930万人)が5%減少しているのに対して、国内線(600万人)が16%も増えているのです。国際線が減少した原因は羽田発着の国際線が増えたこと、国内線が増加した原因はLCCが増えたことです。成田から国際線で出るのなら「スカイライナー」は決して高くはないのですが、国内線、特にLCCで行くのなら「スカイライナー」は高いです。安さがLCCの売りなのに、わざわざ2500円近くもかけて「スカイライナー」に乗っては意味がありません。鉄道に乗るなら運賃だけでよい「アクセス特急」でしょう。また、成田から国内線を使うのは空港のある千葉の人が多いでしょう(羽田のほうが近ければわざわざ成田に行くことは少ないでしょう)。千葉の人なら日暮里を出たらノンストップの「スカイライナー」は選択肢にも上がりません。以前に書いた記事にもあるように、国際線利用者数が減り、国内線利用者数が増えることによって、「スカイライナー」の利用者が減ったと考えられています。

 ちなみに、成田へのアクセスとして好調なのが「東京シャトル」(京成グループ運行)などの格安リムジンバスですが、その利用者数は不明です。もっとも、以前書いた記事では、LCC利用者のバス利用の割合は小さいとなっています。
(参考:タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/skyliner-2/)

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遠州鉄道、吊り掛け車の定期運用を終了していた

 合併で浜松市内のみを走ることとなった遠州鉄道。日中でも12分間隔で運行する利便性の高さで知られています(朝夕も12分間隔ですが、通勤、通学需要には増結で対応しています)。

 その遠州鉄道ですが、今となっては全国的にも貴重な吊り掛け駆動車があることでも知られています。新車が導入された後も平日朝のラッシュ時に限りますが、定期運用がありました。ところがその貴重な定期運用も、4月21日を最後に定期運用を終了していました。

 今後は、予備用の車両として残すことになるようです。
(参考:鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2015/04/115211.html)

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非ETC車の高速料金値上げか?

 ETCのある車(ETC車)とない車(非ETC車)とでは、非ETC車のほうが高速料金が高いケースがあります。例えば、首都高速の場合、ETC車だと距離に応じて510~930円(普通車)かかりますが、非ETC車は距離に関係なく上限額の930円を払わないといけません。

 ETC車のほうがお得なため、高速道路を通行する車の9割がETCを搭載していますが、残り1割が高速道路を通行するために料金所は今まで通り維持しないといけません。非ETC車の料金徴収コストはETC車の5倍にもなっているのです。また、国内の保有台数ベースでみると、ETC車の割合は5~6割程度にすぎません。

 そこで国交省は、首都圏の高速道路でETCを搭載せずに通行する車について、2016年度にも通行料金を値上げする方針です。先ほども述べたとおり、非ETC車の徴収コストは高く、受益者負担の観点からも見直すことにするのです。夏をめどに料金の引き上げ幅や対象となる区間などを決め、2016年春からの実施を目指す方針です。混雑状況に応じた料金体系を導入するため、将来的にはETC搭載の義務付けも検討するようです。1台でも非ETC車がいる限り、料金所を維持しないといけないのですから、完全に非ETC車をなくさない限り、大幅なコストダウンはできないのです。すぐには無理でも、新車にはETC搭載を義務付けるなどの方法で、100%ETC車にするということも考えてもいいでしょう。

(追記)
 国交省の試算によれば、東日本、中日本、西日本、本州四国連絡、首都、阪神の6つの高速道路には合計6937本の料金所レーンがあります。このうち4割近く(2560本)が現金も取り扱うレーンです。仮にこのレーンがなくなった場合、現金を扱う機器の設置費などがいらなくなることから、レーンの建設費は4320億円から2750億円と4割節約できたことになります。また、非ETC車に対応するための人件費は786億円(2014年度)で、100%ETC車になれば数百億円程度節約できるようです。
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/politics/news/150502/plt1505020006-n1.html、http://www.sankei.com/politics/news/150712/plt1507120002-n1.html)

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JR東日本、新型電気式ディーゼルカーを導入

 JR東日本の新潟地区、秋田地区等においては、キハ40系という国鉄時代からのディーゼルカーが走っていますが、2017年度から新型ディーゼルカーが走ることになりました。以前にあった話が遅くはなりましたが、実現するようです。

 従来のキハ40系は、液体式といわれるもので、トルクコンバータと減速機で動力を伝達しますが、新型ディーゼルカーは電気式。エンジンで発電し、電車と同じ駆動システムで動力を伝達します。ディーゼルエンジンと発電機による電力により、モーターで走行します。電車等で培ってきた技術の採用、共通化により、安全安定輸送と質の高いサービスを提供するのが狙いです。

 製造するのは、両運転台の1両編成を19編成(19両)、片運転台の2両編成を22編成(44両)の合計63両。新潟地区は2017~2019年度、秋田地区は2020年度の導入予定です。まず両運転台1両と片運転台2両の3両を2017年度に先行導入し、そのほかの60両は2019年度以降導入します。この新型ディーゼルカーが走るのは、羽越線新津-酒田間、信越線新津-新潟間、米坂線米沢-坂町間、磐越西線会津若松-新津間、津軽線青森-三廐間、五能線東能代-川部間、奥羽線秋田-東能代間、弘前-青森間です。

 この新型ディーゼルカーも八戸線に続いて、世界中からの公募調達を行います。日本語と英語で関係書類の掲載がなされ、7月24日16時(日本時間)が参加申込期限です。

 今回導入するのは63両ですが、その後も増備する計画です。JR東日本は今回導入する63両を含めて、約150~250両を新造し、既存のディーゼルカーを置き換える予定です。JR東海JR北海道に続いて、キハ40系が置き換えとなるのでしょうか?
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2015/20150510.pdf、http://www.jreast.co.jp/order/procurement/pdf/20150519_procurement.pdf)

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東京メトロ銀座線の車両、さらに2両が熊本電鉄へ

 東京メトロ銀座線で走っていた車両2両(01-136号車と01-636号車)が熊本電鉄に譲渡され、2014年度末から営業を開始していることは皆様も御存じのとおりですが、さらに2両が熊本に行くことになりました。01-135号車と01-635号車の2両が、2015年度中に譲渡されます。

 このことを記念して、東京メトロと熊本電鉄の両社は、5月23日から6月7日まで01系車両による譲渡記念列車を同時運行します。譲渡記念列車は、東京メトロ、熊本電鉄ともに1編成ずつ。東京メトロは熊本へ行く01-135編成、熊本電鉄は熊本に来たばかりの01-136編成です。両譲渡記念列車には、01系車両譲渡を記念したヘッドマークを掲出します。01-135編成は東京メトロ銀座線浅草-渋谷間で、01-136編成は熊本電鉄上熊本-北熊本間で運行します。もちろん、掲出期間(5月23日から6月7日まで)であっても検査等の都合で運行しない時間帯もあります。
(参考:熊本電鉄ホームページ http://www.kumamotodentetsu.co.jp/news/pdf/zerowan.pdf.pdf)

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「リゾートしらかみ」(橅編成)にハイブリッド

 東能代と川部の間を海岸沿いに走る五能線には、「リゾートしらかみ」という観光列車が走っています。秋田新幹線の開業により、1997年にデビューしました。現在は年間10万人以上の利用があります(累計では2015年3月末現在で134万人です)。

 「リゾートしらかみ」には3種類の車両があります。青池編成、くまげら編成、そしてこれから取り上げる橅<ブナ>編成です。橅編成はキハ40系で運行されていますが、その後継車両として、青池編成に続いて、ハイブリッドのHB-E300系を導入します。約14億円かけて、1編成4両を製作します。五能線の旅客収入(2013年度)は約3.8億円で、4年分近い数字になる、大型の投資です。ちなみに、定員は約140人で、最高速度は時速100キロです。営業運転の開始は、「青森県・函館デスティネーションキャンペーン」に合わせて、2016年7~9月となります。奥羽線、五能線(秋田-東能代-川部-弘前・青森間)を運行します。

 それでは、ハイブリッドの橅編成とはどういうものでしょうか? デザインはE6系などJR東日本の車両で実績がある、「KEN OKUYAMA DESIGN」(代表:奥山清行氏)が行います。白神山地と日本海に囲まれた沿線の美しい大自然、移ろいゆく季節感、どこか神聖で神々しい空気感を「緑豊かな橅の葉とそこから溢れ出る優しい木漏れ日」で表現したデザインとなっています。外観には橅の林が緑色の濃淡で描かれています。

 車内には2種類のボックス席を用意しています。そして、今までなかった取り組みとしては、「食」。中間車両にはフードカウンターを設置し、沿線にまつわる食を提供する予定です。先頭車両にはイベントスペースもあります。インテリアには橅や杉などの木材を取り入れ、暖かみのある内装にします。

(追記1)
 「リゾートしらかみ」(橅編成)の車両デザインが発表されました。車内については、1号車、4号車が展望、ラウンジスペース、2号車がBOX席(一部はフルフラットにすることができます)、3号車がフードカウンターとなります。1号車、4号車の展望、ラウンジスペースは、青森、秋田県産の工芸品やオブジェで非日常空間を演出し、展望や新たな車内イベントのスペースとして多目的に活用します。2号車のBOX席は、秋田杉や青森ヒバを部材に使用し、従来よりさらに開放感や展望性を高め、明るいイメージにしています。3号車のフードカウンターは、青森、秋田が誇る地酒や白神山地の天然水でいれた挽きたてコーヒー、沿線の旨いものを中心に販売し、地産池消のカフェのような空間にします。

(追記2)
 「リゾートしらかみ」(橅編成)は2016年7月16日から営業運転を開始します。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2015/20150506.pdf、JR東日本秋田支社ホームページ http://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20150715.pdf、https://www.jreast.co.jp/akita/press/pdf/20160517.pdf、タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/shirakami/、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20150517-OYTNT50162.html、「編集長敬白」 http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2016/07/06/)

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黒磯の交直流切り替え方式変更へ

 JRの電化方式に直流と交流のふたつがあるのは皆様も御存じの通り。直流は首都圏、関西圏のほか、東海、中国、甲信越など、これに対して交流は北海道、東北、北陸、九州などをその範囲としています。

 しかし、直流と交流というふたつの電化方式を採用しているということは、どこかで両方の電化方式がぶつかるところが出てきます。そのひとつが東北線の黒磯。栃木と福島の県境に近く、首都圏の北の端にあるところと言えます。駅構内は、一部を除いて、直流にも交流にも切り替えることができます。「地上切り替え方式」です。列車はいったん停車して、直流と交流を切り替えることになります。一部の線路は走行しながら直流と交流の切り替えができる、「車上切り替え方式」にも対応しています。東北新幹線開業前、頻繁に「ひばり」などの在来線特急が行き来していた名残です。

 実は、「地上切り替え方式」は黒磯だけしか使われていません。「地上切り替え方式」は設備が複雑になるという欠点があるからです。「車上切り替え方式」なら配線が単純な駅間にデッドセクションを置くことができます。その唯一残っている黒磯も、具体的な完成時期は不明ですが、「車上切り替え方式」に切り替えるようです。構内は全て直流となり、デッドセクションは、黒磯の仙台寄りに置かれます。この5月11日から、月曜日(休日となる場合を含みます)の上野方面への始発列車は、隣の那須塩原までバスによる代替輸送を行います(2017年12月ごろまでの予定です)。この切り替え工事の影響です。

 「地上切り替え方式」から「車上切り替え方式」に変更することによって、どのような影響があるのでしょうか? 上野方面から黒磯にやってくる列車は従来通り、直流専用で対応できます。問題は、仙台方面から黒磯にやってくる列車。交流専用では対応できないようになるのです。仙台方面から黒磯にやってくる定期列車は、貨物列車と普通列車の二種類。そのうち貨物列車は、問題ありません。黒磯で機関車を付け替えることはありますが、黒磯以北を走る機関車は、直流、交流の両方に対応できるのです。EH500が投入され、交流専用の機関車を追い出したのです。問題は普通列車。仙台方面から黒磯にやってくるのは、交流専用の701系、E721系などです。このままでは黒磯の手前で立ち往生してしまいます。黒磯-郡山間の列車は、交直流でないといけません。

 ただ、心配はいらないでしょう。JR東日本は大量の交直流電車を有しています。上野から水戸方面への常磐線は、交直流電車でないと対応できません。首都圏の通勤路線のひとつなので、新車が次々と投入されるのです。そのお古を黒磯-郡山間に使えばいいのです。

(追記)
 新白河に折り返し設備をつくるという話もあり、その場合は黒磯-新白河間が交直流電車(またはディーゼルカー)、新白河以北が交流専用の電車となると考えられます。
(参考:「鉄道ジャーナル」2015年2月号 鉄道ジャーナル社、JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/suspend/、「鉄道ファン」2015年12月号 交友社)

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銚子電鉄、駅名に命名権導入

 鉄道業というより、食品製造業の会社といったほうが正確な銚子電鉄。その銚子電鉄ですが、駅名にネーミングライツ(命名権)を募集しています。7月31日の17時まで募集しています。

 ネーミングライツを募集するのは、JRとの接続駅、銚子を除いた、仲ノ町から外川までの9駅。販売額は駅ごとに異なり、年間100~200万円です。一番高いのは、多くの観光客が利用する犬吠駅、年間200万円です。次に高いのは、本社のある仲ノ町駅や終点の外川駅などで、180万円です。一番安いのは、沿線住民以外の利用が少ないと考えられる西海鹿島駅の100万円です。9駅合計で1410万円です。ネーミングライツは国内に本社や本店などを1年以上有する法人で、1年更新ですが、継続する場合は優先交渉権があります。ネーミングライツを募集することによって、銚子電鉄は車両の入れ替え(2015年度は2両を入れ替える予定です)に充てたいと考えています。駅舎も維持できます。また、銚子電鉄の一番の観光地、犬吠埼には温泉も出ますが、その存在は知られていません。知名度アップと観光客の掘り起こしを兼ねて、犬吠駅を犬吠埼温泉駅に変更する案もあるようです。

 ネーミングライツは駅名だけではありません。外川駅には留置している引退車両を使った施設がありますが、それの名前も変更になりました。ぬれせんべい関連で取引があった会社が年間200万円(税抜)で買い取りました。

 話は変わりますが、銚子電鉄は2016年の年明けまでに「買い物電車サービス」を始めます。本社で注文を受けた日用品などを最寄り駅まで届け、駅員や車掌から受け取るサービスです。日常的な買い物が難しい買い物弱者向けのサービスは、宅配会社やコンビニが先行していますが、銚子電鉄も参入することになったのです。銚子電鉄が走っている銚子市は、人口約6.6万人の市ですが、65歳以上の高齢者の割合が3人に1人と全国平均より高く、買い物弱者(経産省の推計によれば、全国に約700万人いるとされています)がそれなりにいると見込んでのことです。

(追記1)
 銚子電鉄がこのような取り組みを行う背景には、厳しい経営状態があります。

 2014年度の乗客数、運賃収入は前年度を下回る見込みで、これまで数千万円単位で入ってきた東京電力からの賠償金も次回で入ってこなくなるとみられています。2015年度末には資金がショートする危険性もあるのです。

 銚子電鉄は6~7月ごろに30円程度値上げするとともに、増便を計画しています。

(追記2)
 銚子電鉄の18年ぶりの値上げは、10月ごろになるようです(7月1日に関東運輸局に変更許可を申請)。銚子-犬吠・外川間は現行の310円から340円になります。

(追記3)
 銚子電鉄は、伊予鉄道の700系(1963年製造の元京王の車両)を購入します。2両1編成で定員は130人です。伊予鉄道から車両を譲り受けるのは2009年11月以来の三度目です。購入金額は約130万円ですが、輸送、改修、検査などの費用を加えると約7500万円にもなります。一部は国、千葉県、銚子市の補助金で賄います。

 伊予鉄道の車両は2015年9月に銚子に運ばれました。2016年3月までには運行を開始したいとしています。
(参考:千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/news/local/253827、http://www.chibanippo.co.jp/news/local/247736、http://www.chibanippo.co.jp/news/economics/265059、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/150511/rgn1505110038-n1.html、http://www.sankei.com/region/news/150916/rgn1509160043-n1.html、朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASH4Z4W2WH4ZULFA01L.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH4Z4W2WH4ZULFA01L)

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大阪バス「名古屋特急ニュースター号」、名古屋栄、愛知県庁前へ

 当blogでも何回か取り上げた、大阪バスの「名古屋特急ニュースター号」。これまで名古屋側のターミナルは、名古屋駅西口のビックカメラ前だけでしたが、5月1日から2か所追加されることになりました。

 追加された停留所は、名古屋栄と愛知県庁前。名古屋の中心部まで乗り入れることになります。運賃は名古屋駅と同額で、1日2往復運行します(一時期休日等のみの運転だったのですが、いつの間にか毎日運転に戻ったようです)。大阪側も同じ5月1日から、1往復だけですが、USJに寄ります。天王寺駅-USJ(停車便のみ)-大阪駅-東大阪長田駅-高速京田辺-名古屋駅-名古屋栄-愛知県庁前というルートで運行します。
(参考:大阪バスホームページ http://www.osakabus.jp/2015/04/post-81.html、http://www.osakabus.jp/route/nagoya.html)

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四日市あすなろう鉄道、新型車両を導入か?

 近鉄内部線と八王子線は、4月1日から四日市あすなろう鉄道になりました。

 その四日市あすなろう鉄道ですが、2015年秋以降に新型車両を導入する予定です。詳しいことは全くわかりませんが、四日市あすなろう鉄道は軌間が762ミリと狭いためか、古い車両ばかりなので、どのようなものになるか期待されます。

 また、従来からある車両についても、冷房化などのリニューアル工事を行うようです。

(追記1)
 四日市あすなろう鉄道が導入する新型車両には、ロングシート部分がないようです。

(追記2)
 昭和50年代につくられた車両は修理を行い、昭和20年代につくられたつくられた車両は新造されます。新しい車両はエアコンやLEDを搭載し、車いすスペースもあります。

 新しい車両は10月に登場する予定です。
(参考:railf.jp http://railf.jp/news/2015/04/26/183000.html、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/75491?page=4、「四日市あすなろう鉄道 あすなろう新聞」(あすなろう四日市駅に掲示されていたもの))

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八戸ノ里から近大への直通バスを運行していた

 関西のマンモス大学、近大(東大阪キャンパス)の最寄り駅といえば、近鉄大阪線の長瀬ですが、近鉄奈良線の八戸ノ里からも近いです。八戸ノ里は、附属高校・中学校からも近いため、通学や通勤に利用する学生、生徒や教職員がたくさんいます。

 従来から八戸ノ里から近大方面に向かうバスはありました。片道230円で東大阪キャンパス近くの停留所、上小阪住宅前に行くバスです。途中4か所のバス停に停まります。

 しかし、近大と近鉄バスが提携し、近大の入学式のあった4月4日から、八戸ノ里と近大(近畿大学東門前)をノンストップで結ぶ「近大シャトルバス」の運行を始めました。近大側のバス停、近畿大学東門前はこのシャトルバスのために設置されたバス停で、八戸ノ里駅前-近畿大学東門前約1.4キロを1日116便運行します。八戸ノ里駅前、近畿大学東門前双方ともに7時台~18時台の間、運行します。一般の人も利用できますが、大学のスケジュールに合わせて運行されるため、基本的には休日、年末年始、春休み、夏休みは運休します。

 気になる運賃は、たったの100円。気軽に利用できます。近大、近鉄バスとしては、八戸ノ里の利用者が増えることにより、長瀬から近大までの混雑が緩和されることを期待しているようです。
(参考:近鉄バスホームページ https://www.kintetsu-bus.co.jp/sys/dat/pdf/to_img0_20150325124538.pdf)

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いすみ鉄道、ベジタリアン向け弁当を発売

 いすみ鉄道にはいくつかの駅弁がありますが、3月1日から新たな駅弁を発売しています。

 それは、日本初の本格的ベジタリアン向け「ベジミール弁当」。ベジタリアン・ビーガンといわれる完全菜食主義の人にも対応できる弁当で、肉、魚を使用しないのはもちろんのこと、乳製品や卵も使わず、調味料も動物性のものは一切使用していません。化学調味料、添加物などは避け、麹菌の自家製味噌、醤油を使っています。できる限り大多喜町近辺と関東周辺の自然栽培のものを使っていて、食材の野菜、根菜、豆、海藻はすべて国産です。日本の古くからの食文化を大切にした弁当です。宗教的な戒律がある人にも対応しています。

 毎週日曜日のみの販売で、値段はお茶付きで1800円。大多喜駅の売店で4個だけ販売します。11時からの販売です。普通の駅弁に比べると、手がかかっているだけに、値が張ります。精進料理みたいに、肉に見えるところも野菜などでつくっているのですから。大多喜町内の日本食レストラン、蔵精<くらしょう>が製造しています。
(参考:いすみ鉄道ホームページ http://www.isumirail.co.jp/2544、http://www.isumirail.co.jp/2754、えん乗りホームページ http://ennori.jp/2707/isumi-railway-vegetable-lunchbox)

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「サザン」の10000系と7000系が懐かしの緑塗装に

 南海の車両といえば、やはり緑。今の塗装になって20年ほど経ちますが、未だに違和感があるというのが正直なところです。

 そこで南海は創業130周年を記念して、10000系の特急「サザン」5編成中1編成を緑の旧塗装で運転します。10000系4両のほか、自由席の7000系4両も旧塗装になり、8両すべてが懐かしの緑塗装になります。なお、7000系の緑塗装は10年前にも行っています(しかも、10年前に緑に塗装されたのも、今回と同じ7000系の7037編成でした)。

 緑塗装で運転される期間は、10000系が6月13日から2016年3月まで、7000系が6月13日から2015年9月までです。130周年を記念して付けられるヘッドマーク(10000系は横楕円形、7000系は丸形)は、2015年8月末で掲出を終了します。このように10000系と7000系の運行期間が異なるのは、7000系が今年の秋で引退するからです。片開きのドアの4扉車両、7000系は1963年から半世紀余り走り続けていますが、8300系の投入により引退するのです。ですから、今回の緑塗装は「南海電鉄創業130周年&さようなら7000系」と銘打っています。緑塗装の「サザン」は、難波-和歌山市・和歌山港間を運行し、6月分はすでに運行ダイヤが決まっています(5月11日現在)。

 また、緑塗装の「サザン」運行開始に伴い、記念グッズを発売するほか(6月13日から難波駅サービスセンターほかで発売します)、運行開始日の6月13日には、営業運転初列車の先頭車両を使って、鉄道タレントの斉藤雪乃と行くツアーも開催されます。
(参考:南海ホームページ http://www.nankai.co.jp/traffic/info/130anniversary/、http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/150511.pdf、THE PAGE http://osaka.thepage.jp/detail/20150614-00000001-wordleafv)

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嵯峨野観光鉄道に「ストーブ列車」

 古い話ですが、備忘録を兼ねて書きます。

 嵯峨野観光鉄道は山陰線の旧線を活用したトロッコ列車。3月から12月29日まで運行しています。大観光地京都に近く、人気の観光鉄道です。しかし、冬寒い京都にあるにもかかわらず、トロッコ列車には暖房設備はありません。これまで嵯峨野観光鉄道は、3月前半及び12月後半の寒い時期には乗客にカイロを配るなどの対策をしてきました。

 嵯峨野観光鉄道は暖房設備の設置を検討してきましたが、電源容量の問題からヒーターは設置できません。代わりに石炭等を燃料としたダルマストーブを設置することになりました。側板や床まで素通しの特別車両、「ザ・リッチ」の5号車を除いた1~4号車に設置します。車両中央部のボックスシート(8人分)を外し、ストーブを1基取り付けます。ストーブ付近の座席(8人分)は発売せず、だれでも自由に使うことができます。つまり、発売する座席は1両につき16人分減ることになります。3月と12月にストーブを設置し、それ以外の時期はストーブを外して、座席を置きます。当然ながらその座席も発売します。

 2月28日には一般の人も利用できる試乗会を行い、3月1日から17日の間、試行を行います。4号車のみにストーブを設置します。試行期間中は4号車は先着順での当日券の扱いとなります。その後問題がなければ(5月11日現在、どうなったかはわかりません)、12月中旬から本格的に「ストーブ列車」を運行する予定です。

(追記)
 嵯峨野観光鉄道の「ストーブ列車」は、12月10日に運行を開始しました。
(参考:嵯峨野観光鉄道ホームページ http://www.sagano-kanko.co.jp/upload_pic/stove_trial_150206.pdf、http://www.sagano-kanko.co.jp/upload_pic/stove_trial_150218.pdf、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/ASHDB41LTHDBPLZB00R.html)

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北陸新幹線、「金沢自由席往復きっぷ」「富山自由席往復きっぷ」発売

 JR西日本は、北陸新幹線富山-金沢間を快適かつスピーディーに移動することができる、「金沢自由席往復きっぷ」「富山自由席往復きっぷ」を発売開始しました。「金沢自由席往復きっぷ」は富山発で金沢まで往復するもの、「富山自由席往復きっぷ」は金沢発で富山まで往復するものです。発売期間は5月10日から9月30日まで(利用日の1か月前から前日まで発売します)、設定期間は5月11日から10月1日までの毎日です。有効期間は1日限りです。

 この「金沢自由席往復きっぷ」「富山自由席往復きっぷ」の値段は、3600円。富山-金沢間の北陸新幹線自由席往復料金は5620円ですので、2020円お得ということになります。実は発売額の3600円は、北陸新幹線開業前に発売されていた「金沢富山往復きっぷ」(在来線特急自由席が利用できました)と同額です。結構思い切った価格設定です。発売箇所は北陸エリアのJR西日本の主な駅の「みどりの窓口」、富山、金沢両駅の「みどりの券売機」のほか、IRいしかわ鉄道、あいの風とやま鉄道の主な駅、北陸エリアの主な旅行会社でも購入できます。なお、この「金沢自由席往復きっぷ」「富山自由席往復きっぷ」は、(自由席のない)「かがやき」、並行在来線では使えません。指定席に乗ることはできず、ゆき券はかえり券を一緒に持っている限り有効です。途中下車はできず、旅行日の変更やほかの切符への変更はできません。

 ただ、破格の「金沢自由席往復きっぷ」「富山自由席往復きっぷ」が出た理由としては、近距離の利用が振るわないということがあります。新幹線は短距離ではそれほど時間の短縮がないのに、特急料金がそれなりにするからです。北陸新幹線の乗車率からもそれはうかがえます。4月24日から5月6日までの乗車率は、「かがやき」が約57%、「はくたか」が約46%であるのに対して、富山-金沢間の単距離便の「つるぎ」は約20%に留まりました。開業直後3月中のデータと傾向は同じです。早々に「つるぎ」のテコ入れが必要だと考えたのかもしれません。

(追記1)
 開業3か月間の「つるぎ」の乗車率は2割のままですが、JR西日本としては想定内の数字のようです。ちなみに、「かがやき」、「はくたか」の開業3か月間の乗車率はそれぞれ54%、42%でした。

(追加2)
 「金沢自由席往復きっぷ」「富山自由席往復きっぷ」の発売期間、設定期間が延長されました。設定期間は2016年3月31日までです。

 このきっぷ、前日までに購入しないといけないのですが、前日までに電話予約をすれば当日にきっぷを受け取ることができます。事前に電話予約すれば当日にきっぷを受け取ることができるという同様の措置は、「北陸おでかけパス」でもとられています。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/05/page_7128.html、https://www.westjr.co.jp/press/article/2015/09/page_7617.html、チューリップテレビホームページ http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20150507160807、http://www.tulip-tv.co.jp/news/detail/?TID_DT03=20150508170331、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20150625/CK2015062502000027.html)

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会津田島-只見間にツアーバスを運行中

 福島県の只見はかなり不便なところにあります。鉄道もありますが、4年前の豪雨のため、一部区間がいまだに不通のままです。

 ただ、そんな只見でも、うまくバスを使えば気軽に行きやすくなります。一般社団法人只見町観光まちづくり協会が会津田島-只見間を運行するツアーバスです。浅草から会津田島までは乗り換えなしの一直線。1か所バスに乗り換えるだけで、只見に行くことができます。

 このツアーバス、以前から走っていたようですが、2015年度(2015年4月1日~2016年3月31日)は1日2往復運行します(2016年1月1日のみ運休)。会津田島駅、只見駅のほか、只見町にあるホテル季の郷・湯ら里1階入口前にも停まり、片道運賃は2000円、会津田島-只見間の所要時間は1時間20分です。乗車3日前までに予約をする必要があり、代金は事前に只見町観光まちづくり協会売店窓口で支払うか、只見町観光まちづくり協会が指定する口座(東邦銀行、ゆうちょ銀行)に振り込む必要があります。1人でも予約があれば運行し(最大人数17人)、予約人数によって小型タクシー、大型タクシー、マイクロバスを使い分けます。

(追記)
 2016年度(2016年4月1日~2017年3月31日)も2017年1月1日を除いて、会津田島-只見間にツアーバスを運行します。本数は1日3往復に増え、運賃は1500円に値下げされます。
(参考:一般社団法人 只見町観光まちづくり協会ホームページ http://www.tadami-net.com/access/bus-timetable.html)

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京王、「有料座席列車」の運行を検討

 京王は8日、2015年度から2017年度までの3か年の京王グループ中期経営計画を策定したことを発表しました。

 そこでの目玉は、「有料座席列車」の運行の検討。京王には特急から各停までさまざまな種類の列車が走っていますが、特急料金等は必要なく、すべて運賃だけで乗車できます。そのような「有料座席列車」になるかはこれから検討を開始するということです。

 京王がそのような「有料座席列車」の運行を検討するのは、ライバルのJR東日本中央線にグリーン車を連結するという話が大きく影響しているのではないでしょうか? 中央線のグリーン車はそういうインパクトのある話だったのです。

 どのような車両になるのか(京王の車両はロングシートばかりです。専用の特急車両をつくるのか、東武の「TJライナー」のような通勤車両としても使える車両になるのか?)、どのような運行形態になるのか(日中からある程度走らせるのか、朝夕の「ホームライナー」的な存在になるのか、高尾山への観光用に走らせるのか?)、料金はいくらぐらいになるのか、まったくわかりません。何もわからないだけに、楽しみとも言えます。
(参考:レスポンスホームページ http://response.jp/article/2015/05/08/250709.html)

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常磐道常磐富岡-浪江間にインターチェンジ2か所追加

 常磐道は3月1日に常磐富岡-浪江間が開通し、全線開通しました。大半は帰還困難区域にあります。

 この区間、約14キロありますが、途中にインターチェンジはありません。ところが、4月24日の国交相の記者会見によれば、この区間内に2つインターチェンジを追加する方針です。ETC専用ではなく、通常のインターチェンジです。追加されるインターチェンジは、大熊町(常磐富岡インターから北に4キロ)と双葉町(大熊町に追加されるインターチェンジからさらに北に5キロ)に計画されています。福島第一原発の避難住民の帰宅や、復興事業につながるとして、福島県などから追加の要望を受けたためです。中間貯蔵施設への搬入ルートとしても使われると考えられています。

 追加される両インターチェンジは、用地買収が順調に進めば、3年で完成する見通しです。
(参考:河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150425_63032.html、福島民報ホームページ https://www.minpo.jp/news/detail/2015042522377)

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上越新幹線2015年3月ダイヤに対する新潟市民の声

 新潟市のホームページには、公共交通に関する意見や要望を聞く欄があります。過去に出された意見や要望はホームページ上で公表されています。

 2014年4月から9月に出された意見や要望は、地元の越後線やバスに関するものでしたが、秋以降上越新幹線に関する意見、要望が増え、2015年3月のダイヤが発表されて以降、その不満を爆発させています。東北新幹線の「はやぶさ」や北陸新幹線の「かがやき」に相当する列車がほとんどなく、各駅停車かそれに近い新幹線ばかり(速達便の増発を求める声が強いです)。熊谷、本庄早稲田、上毛高原、浦佐に停まるのがやり玉に挙がっています。臨時列車を運行するのでなく、定期列車に格上げすることにより増発を求める声もあります。

 新潟市民の不満はもっともなことですが、改善される見通しは低いでしょう。各駅に停まって走っても、新潟には2時間余りで着いてしまいます。航空機は運航されておらず、車やバスを速度の面では圧倒するので、改善のインセンティブが働かないのです。東京から同程度の距離の仙台には時速320キロの「はやぶさ」が1時間に1本運転されていますが、それは青森など遠方の旅客に対応するもので(北海道新幹線が伸びる2016年には函館もターゲットになります)、上越新幹線にはそれがありません。新潟より先、大きな町はないのです。時速240キロでチンタラ走っても支障はないのです。車両も東北新幹線のお古で間に合ってしまうのです。せっかくの設備を持て余す状態が(整備新幹線としてつくったなら、省略される設備は多いでしょう)、今後も続くでしょう。格下のはずの北陸新幹線のほうが、今は優先されるので、気分は悪いでしょうが。
(参考:新潟市ホームページ http://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/kotsu/goiken-goyoubou.html、http://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/kotsu/goiken-goyoubou.files/H27.3.pdf)

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京福、JR太秦駅近くに新駅

 京福は嵐電北野線帷子ノ辻-常盤間に2016年春、新駅を開業させます。2008年3月に開業した嵐電天神川以来、8年ぶりの新駅となります。

 新駅は京都市右京区太秦上ノ段町1の5にあり、JR西日本の嵯峨野線太秦駅から南東に約200メートル、徒歩3分のところにあります。もともと京福の所有する空き地だったところに駅を設置します。2015年秋に着工する予定です。2両編成に対応する、長さ35メートルのホームを線路の両側に2面設け、手すり、スロープや点字誘導ブロックを有するバリアフリー対応の駅となります。建設費は約4000万円です。1日の乗降客数は1000人を見込んでいます。名称は未定で、正式に決定次第、発表されます(仮称は太秦新駅となっています)。

 北野線沿線には金閣寺、竜安寺、仁和寺など世界文化遺産にもなっている有名な寺がありますが、アクセスの悪さが問題となっていました。嵯峨野線の駅からすぐのところに新駅をつくることにより、徒歩連絡とはなりますが、新幹線等からのアクセスがしやすくなります。また、東映太秦映画村にも近く、すでにある嵐電嵐山線太秦広隆寺駅とともに観光への拠点となることが期待されています。

(追記)
 京福が嵐電北野線帷子ノ辻-常盤間に2016年春の開業を目指している新駅の駅名が「撮影所前」に決まりました。年明けに着工する予定です。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20150430000166、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/articles/CMTW1505012700001.html、日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXLZO86339090R00C15A5LDA000/、http://www.nikkei.com/article/DGXLZO95063220S5A211C1LDA000/、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2015/05/04/250452.html)

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新潟の国鉄色485系、5月にラストラン

 JR東日本の新潟車両センターには、特急用として485系が配置されていました。その中でも人気だったのが、国鉄色に塗られたT18編成といわれる6両編成。2008年に国鉄色に戻されました。このT18編成は、ほかの新潟車両センター所属の485系とともに、特急「いなほ」、「北越」、快速「くびき野」、臨時快速「ムーンライトえちご」などで使われてきましたが、E653系の導入列車そのものの廃止により、3月14日のダイヤ改正で定期列車としての運用は終了しました。そもそも485系の定期運用自体激減していて、新潟-糸魚川間の1日1往復の快速ぐらいでしょう。

 そこで5月23日、30日の2日間、このT18編成を使用して、団体臨時列車を運行します。23日が「485系国鉄色周遊号」、30日が「ありがとう485系国鉄色号」です。23日は今まで485系が運行した思い出の路線を周遊するもので、新潟→犀潟→越後湯沢→新津→新発田→新潟のルートで走ります。犀潟、越後湯沢、新発田の3駅では、ヘッドマークの表示を切り替えるイベントが行われます。T18編成最後の運行となる30日は、新潟と酒田を往復します。

 23日、30日の2日間とも、JR東日本の旅行商品「びゅう」のツアー列車として運行します。旅行代金は大人10000円、子供6500円からとなっていて、弁当や記念品もつきます。追加料金を出せば、2人分の座席を独り占めできます。インターネットでの予約抽選販売(5月7日現在、すでに受付は終了しています)のほか、5月8日からは新潟支社管内の「びゅうプラザ」等で一般販売を行います。
(参考:レスポンスホームページ http://response.jp/article/2015/04/29/250057.html、JR東日本新潟支社ホームページ http://www.jrniigata.co.jp/、http://www.jrniigata.co.jp/Scripts/press/20150428485last.pdf)

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臨時「北斗」を渡島砂原経由で運転

 函館線の大沼-森間には2本の線路があります。大沼公園経由と渡島砂原経由です。特急は距離が短く、観光地の大沼公園を通る大沼公園経由で走りますが、渡島砂原経由には海岸沿いなので勾配が緩いという特徴があります。長万部・札幌方面は下りとなるので特に問題はないのですが、函館・本州方面は急勾配を上るかたちとなり、これを避けようと渡島砂原経由を選択していました。また、上りが渡島砂原経由を採ることにより、大沼-森間は実質的に複線の役割を果たすことができ、線路容量の拡大につながりました。かつては函館・本州方面への特急も渡島砂原経由でしたが、今は大沼公園経由に改められています。しかし、今なお急行「はまなす」や貨物列車は渡島砂原経由です(下りは以前から大沼公園経由)。

 このような話をなぜ今するかといえば、ゴールデンウィーク期間中、渡島砂原経由の特急が運行されるからです。5月2日から6日の間、函館線に1往復の臨時「北斗」を運行します(定期列車で9往復の「北斗」がありますから、合計で10往復体制となります)。「北斗85号」(函館10:41発、札幌14:52着)、「北斗92号」(札幌15:14発、函館19:57着)です。183系のグリーン車のない5両編成で、車内販売もありません。時刻表を見ると、「北斗85号」は大沼公園にも停車しますが、「北斗92号」は大沼公園には停車しません。ほかの線、すなわち渡島砂原経由であることを示す印があるだけです。「北斗」で渡島砂原経由となるのは、近年では珍しいことといえます。

(追記1)
 お盆においても、渡島砂原経由の「北斗」が運行されます。8月7日から16日の間、運行します。

(追記2)
 秋の5連休においても、渡島砂原経由の「北斗」が運行されます。キハ183系の6両編成(グリーン車、車内販売なし)で、9月19日から23日の間、運行します。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/pdf/150408.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150619-1.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150724-2.pdf)

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E7系、W7系増備で「あさま」用E2系置き換え

 3月に開業した北陸新幹線は好調のようで、早速2015年3月決算にも表れています。

 JR西日本の場合、2015年3月期では18億円の増収効果があり、年間を通じて北陸新幹線の効果が出る2016年3月期の連結業績予想では、130億円の運輸収入の増収効果が出るとされています。特急「はくたか」などの廃止で170億円の減収となりますが、北陸新幹線だけで300億円の収入になると見込まれているのです。JR東日本も同様に、北陸新幹線で2015年3月期に20億円の増収効果があり、2016年3月期は300億円の増収を見込んでいます。

 その影響なのでしょうか、JR東日本、JR西日本は北陸新幹線用の車両、E7系とW7系を1編成ずつ秋以降に追加投入します。北陸新幹線でも「あさま」には一部の列車にE2系を使用していますが、それを順次E7系等に入れ替えるのです。北陸新幹線の定期列車はすべてE7系、W7系となります。

 また、現在、北陸新幹線には東京-金沢間で1日最大8往復の臨時列車を運行していますが、参考にした記事によれば追加投入で秋以降も続けるようです。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2015050102000205.html)

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日高線の復旧には最短でも2019年8月

 日高線の鵡川-様似間は、厚賀-大狩部間の線路脇の土砂が高波によって流出したため、運休中です(バスによる代行がなされています)。この区間の復旧費用に関しては以前にも記事にしましたが、JR北海道は4月28日、災害対策の概算工事費と必要工期について発表しました。

 JR北海道は被災箇所を元通りに戻すだけでは安全は確保できないと考えています。そして、復旧のための対策案にはAとBの2種類があります。Aが本格的なもの、Bが対策を必要最小限にして被災箇所を時速25キロで徐行することにより安全を確保するものです。Bの場合は本来の時速60キロ運転に比べて所要時間が10分以上長くなります。どちらも護岸対策と斜面対策の2つからなり、Aの場合は護岸対策が約42億円、斜面対策が約15億円の合計約57億円、Bの場合は護岸対策が約24億円、斜面対策が約2億円の合計約26億円、工期はBの場合が約30か月です(護岸対策と斜面対策は並行して行います)。工事施工が可能なのは、4月から10月までの7か月間だけなので、実質的には4年以上かかります。早くても復旧は2019年8月です。なお、Aの場合の工期は、護岸改築4500メートル、吹付枠工1100メートルの施工に長期間要する見込みであるため、はっきりした期間は示されていません。あまりにも長期間かかるため、JR北海道は6月以降、バス代行運転を充実させる考えです。

 問題は費用。57億円かかる本格的な案はすでにあきらめ、安い26億円の案を採用するようですが、経営の苦しいJR北海道が出せるのは準備工事の1億円だけで、そのほかの財源を調達してこなければなりません。地元の新聞は沿線自治体に対して負担を求めるJR北海道の姿勢を非難していますが、日高線はそれだけの価値のある路線ではありません。災害がなくても、即バス転換になっても文句の言えない、需要の少ない路線です。輸送密度300人程度の路線でJR北海道にお金を出させるほうが虫のいい話です。そういう発言は利用者を2桁増やしてから言うものです(輸送密度が万単位なら、JRが勝手にやってくれるかもしれません)。JR北海道にお金があるのなら、北海道新幹線や函館線のような主要路線に出したほうが有用です。JR北海道としては廃線は考えていないということですが、地元の熱意(=お金)を見せなければ、廃線になっても文句は言えないでしょう。国がお金を出すのももったいないところで、どうしても鉄道が欲しければ北海道と沿線自治体が買い取るしか方法はないでしょう。たとえ地元が全額出したとしても、日々の運営費はJR北海道が負担せざると得ません。そういうことを考えると、JR北海道のまま復旧させること自体がもったいないような路線です。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150428-1.pdf、苫小牧新報ホームページ http://www.tomamin.co.jp/20150425021、北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0025934.html)

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「スーパーカムイ」、新千歳空港への直通廃止か?

 札幌と旭川を結ぶ特急「スーパーカムイ」の一部は、札幌から快速「エアポート」に名前を変えて、新千歳空港まで直通します。このような運転体系は1992年の「ライラック」時代から行われ、現在1日12往復が運行されています。

 しかし、この「スーパーカムイ」の新千歳空港直通、2016年3月のダイヤ改正で廃止されるようです。JR北海道の話によれば、新千歳空港への直通需要が減少していることが廃止の理由のようですが、ほかにも理由はあるのでしょう。それは、特急が直通する以上、「エアポート」にも特急用の車両を使わざるを得ないということ。しかも、通常の「エアポート」より1両短い5両編成です。転換クロスの721系でさえ、混雑に対する苦情が寄せられているのに(そのため、「uシート」以外はすべてロングシートの733系3000代をつくりました)、特急用だとさらに苦しいのでしょう。

(追記)
 「スーパーカムイ」が新千歳空港乗り入れをやめるのは、冬季の岩見沢付近の雪による遅れを千歳線内に持ち込まないことも理由に挙げられます。
(参考:「鉄道ファン」2015年6月号 交友社、東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/154649?page=2)

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ひたちなか海浜鉄道、キハ11を購入

 JR東海は新型ディーゼルカーの導入を進めていて、キハ40、キハ11を置き換えようとしています。一部はミャンマーに行きますが、国内の他の鉄道に移籍するものもあります。

 それはひたちなか海浜鉄道。4月22日にキハ11を3両購入したのです(東海交通事業所属の2両を含みます)。三木鉄道の車両以来、約6年ぶりの新車です。購入・改修費用は約3350万円ですが、国、茨城県、ひたちなか市がそれぞれ1/3ずつ負担しました。今回購入したキハ11は1989~1993年の製造であり、まだまだ使えます。短距離なので、トイレがなくても問題はありません。

 ひたちなか海浜鉄道は8両のディーゼルカーがあります。半分は平成以降につくられたものですが、製造後50年近く経った車両も運行しています。比較的新しい車両とは加速度など性能に差があり、ダイヤを組むのにも苦労しているというのが現状です。ひたちなか海浜鉄道は古い車両があることで人気の鉄道ですが、鉄道ファンはともかく、通常の利用者にとっては適切なサービスができていないというのが現状です。なお、羽幌炭鉱鉄道から来たキハ22のうち最後の1両(キハ222)は2014年12月のイベントで一般運用から外れ、間もなく引退となります。

 古い車両だと、エンジンなどの交換部品を探すのも手間です。整備費用も掛かります。新車だとその心配はありませんが、規模の小さい中小私鉄に新車を投入する余力はありません。新車1両の値段が約1.3~1.5億円もするのです。比較的新しくて安い中古車両を求めることになるのです。ひたちなか海浜鉄道は2009年以降、第三セクターや私鉄など約10社に中古車両の購入を打診していましたが、今年3月にJR東海が比較的新しい車両を引退させるとの情報があり、交渉をした結果、購入することができたのです。

 しかし、中古車両を欲しがっているのは、ひたちなか海浜鉄道だけではありません。ほかの中小私鉄も欲しがっているのです。廃線となった三木鉄道から購入したときも、本当は3両とも欲しかったのですが、1両は沿線の公園での展示用となり、残る2両はほかの鉄道会社2社とのオークションに負け、結局は展示予定の1両を購入することになったのです。

 今回購入した3両は年内にも運行を開始する予定で、ダイヤ改正などのサービス向上策を講じるようです。

(追記1)
 ひたちなか海浜鉄道の本音としては、キハ11は旧型車両の数と同じ、4両欲しかったようです。しかし、ミャンマーとの競争に敗れ、3両だけしか購入できませんでした。旧型車両は3両引退することになります。

 また、キハ11の輸送方法について、鉄道で運ぶことも考えていましたが、輸送用のダイヤを組むのに数か月かかり、その間車両を預かってくれるところもなく、接続駅の勝田でポイントを整備するのに数百万円かかることから、断念しました。結局、稲沢駅から那珂湊駅までトラックで2日かけて運ぶこととなりました。

(追記2)
 ひたちなか海浜鉄道が購入したキハ11は、12月30日から運行を開始しました。帯はオレンジとグリーンの2色からオレンジのみとなっています。なお、元留萠鉄道のキハ2004は12月25日で引退しました。

(追記3)
 キハ2004は平成筑豊鉄道で動態保存されることになり、2016年10月13日に九州に向けて運び出されました。平成筑豊鉄道では運転体験などに使われることになります。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/ibaraki/news/20150502-OYTNT50250.html、レスポンスホームページ http://response.jp/article/2014/10/10/234637.html、http://response.jp/article/2015/05/07/250599.html、http://response.jp/article/2015/12/29/266994.html、ひたちなか海浜鉄道ホームページ http://www.hitachinaka-rail.co.jp/blog/2015/03/20/3705.html、鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2015/05/jr11_2.html、http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2016/10/2004_1.html、毎日jp http://mainichi.jp/feature/news/20150515mog00m040022000c.html、「鉄道ジャーナル」2016年4月号 鉄道ジャーナル社)

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新大阪駅に00番線ができる?

 在来線が4面8線の新大阪駅ですが、以前にも記事にしたように、おおさか東線の新大阪乗り入れのため、旧17・18番線の横に新たに1面2線のホームをつくり、徐々に東海道線、JR京都線のホームを移動させています。2019年春には、5面10線の在来線ホームとなります。

 その時の配置は、11番線が特急「はるか」とおおさか東線、12番線がおおさか東線、13番線が特急「サンダーバード」と貨物、14番線が特急「サンダーバード」、15番線が新快速・快速、16番線が普通、17番線が普通、18番線が新快速・快速、19番線が特急「サンダーバード」、そして00番線が特急「こうのとり」となっています。本来なら「20番線」としたいところでしょうが、すでに新幹線で使われているので、使えないのです。0番線なら全国で時折見られますが、00番線は実現すれば初めてのケースとなります。

 もっとも、参考にした新大阪駅の掲示では、「図中のホーム番線は想定です」となっています。実際には、在来線ホームを1番線からにするなどの措置が取られる可能性もあります。
(参考:新大阪駅の掲示)

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世界に一番近い温泉へのフリーきっぷ

 南海バスウイング南部は4月1日から、泉佐野と犬鳴山を結ぶ南海バスウイング南部犬鳴線が1日乗り放題となる、「INUNAKISAN 1day Free Pass」を発売します。期間限定ではなく、通年発売の商品です。

 泉佐野駅前-犬鳴山間の往復運賃は940円ですが、この「INUNAKISAN 1day Free Pass」は700円(子供用はありません)。単純に往復するだけでもお得です。しかも、犬鳴山周辺の宿泊施設にこの切符を提示すると、日帰り入浴の割引などの特典が受けられます。泉佐野市観光協会のほか、南海ウイングバスの車内等(本社営業所管内)でも発売しています。

 犬鳴温泉のある泉佐野市は、関空に近いところ。この切符も外国人にも利用しやすいよう、英語表記となっています。世界に一番近い温泉を楽しむのもよいでしょう。
(参考:南海ウイングバス南部ホームページ http://www.nankai.co.jp/library/groupinfo/news/pdf/150323_2.pdf)

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阪和線に新車122両投入!

 阪和線は快速こそ新型車両の223系、225系に置き換えられましたが(一番古いものでも20年程度)、普通に関しては分割民営化前後につくられた205系(6両編成4本、4両編成5本)を除いては、旧型の103系が今なお使われ続けています。

 ところがその阪和線に、新型車両が入ることになりました。4月30日にJR西日本から発表された「JR西日本グループ中期経営計画2017 進捗状況と今後の重点取り組み(アップデート)」によれば、2017年度までに阪和線に122両の新車を投入するということです。

 阪和線に投入される122両の新車がどういうものかは、わかりません。ただ、どう考えても置き換えが必要なのは、103系です。阪和線は103系だらけというイメージがありましたが、225系の大量投入によりすでにその数を減らしており、6両編成10本、4両編成8本、3両編成2本の合計98両しかありません。十分置き換えられる数字です。リニューアルされている205系をラッシュ時の助っ人(もしくは他線へ転用)として残して、103系を廃車(状態のいいのは他線の103系に転用)させるのでしょうか? 大阪環状線の323系と合わせると、アーバンネットワークの主要線区(大阪環状線、阪和線、大和路線)から103系を追放できそうです。ともかく、かなり遅れたとはいえ、楽しみなニュースです。

 話は変わりますが、「JR西日本グループ中期経営計画2017 進捗状況と今後の重点取り組み(アップデート)」には「ICOCA」についても触れられています。この前、導入エリアの拡大を発表したばかりですが、北陸、特急停車駅、近畿エリア周辺への拡大、IC車載器導入の検討を行うようです。IC車載器は無人駅の多い区間用でしょうか? また、「ICOCA」による利用に応じた新たな近距離利用促進サービスの導入も検討するようです。何らかの割引ができるのかもしれません。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/04/page_7106.html)

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JR東海、新横浜で折り返し訓練

 JR東海は5月28日の23時50分から26時30分までの予定で、新横浜駅構内において異常時を想定した実践訓練を行います。

 これは、自然災害などの異常事態発生に備えて、社員の対応能力、技術レベルを向上させるため、各現場での日々の教育訓練に加えて、定期的に行うものです。今回の想定は、地震により列車が停止し、係員による点検に相当な時間を要するという想定で行います。

 訓練には、東海道新幹線の駅係員、乗務員のほか、沿線の施設、電気関係の現業機関社員など、約140人が参加します。訓練は3つ行います。まずひとつは、駅手前に停止している列車から乗客をはしごを用いて車外へ降車させ、線路脇通路を通って駅まで約200メートル歩かせて誘導するという訓練です。二つ目は、新横浜で折り返し運転することとなった(東京-新横浜間の運行が不能となったという想定です)列車の車内点検や清掃、座席転換の手順を確認するという訓練です。16号車、15号車の2両で訓練を行うようです。最後三つ目は、新横浜駅で折り返し運転を実施するための車両の入換訓練です。上りのホームに停まっている列車を、東京寄りにある渡り線を使って、下り本線に転線させます。その後、新横浜駅下り1番線に入線させるというものです。このような途中駅での折り返し訓練を行うのは、2014年の正月に起きた有楽町付近での火事で、東海道新幹線が大混乱したことの反省から行っているのでしょうか? もちろん、通常と同じことはできないでしょうが、ある程度は新幹線を運行させることができます。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000026498.pdf)

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南海、不発弾処理のため5月9日大幅運休

 第二次世界大戦から70年が経ちましたが、未だに不発弾が見つかることがあります。

 今回見つかったのは、大阪市浪速区日本橋西一丁目のマンション建設現場。3月16日に見つかりました。しかし、この場所、南海難波駅のすぐ南東にあります。不発弾の処理、撤去作業を行うときは、不発弾から半径300メートル以内は立ち入り禁止となりますが、それに南海本線、高野線が入ることになります。処理、撤去作業を行う5月9日の7時半から規制解除までの間(午前中に終了する予定です。規制解除がなされれば、速やかに運転再開準備を行い、順次、通常運転に戻ります)、南海は大幅に列車を運休させることになります。

 南海本線、空港線は難波-住之江間はすべて運休します。特急はすべての区間で運休し、急行、区間急行、空港急行は堺以南で運転します。住之江-堺間は普通のみの運転となります。住之江-堺間を除いて、通常通りの休日ダイヤで急行以下を運転します(羽倉崎6:49発難波行き普通は運休します)。

 高野線(汐見橋線は除きます)は難波-堺東間はすべて運休します。堺東-河内長野・三日市町間は10~15分間隔、河内長野・三日市町-橋本間は概ね25分間隔で運転します。各駅停車のみの運転であり、準急以上はすべて運休します。橋本以南は特急を除くすべての列車を通常通り運転します。この不発弾処理、撤去の影響は泉北高速にも及び、泉北高速は中百舌鳥-和泉中央間で折り返し運転を行います。7時ごろから、おおむね10分間隔です。その他の路線、高師浜線、多奈川線、加太線、和歌山港線、汐見橋線、ケーブルカーは通常通りの運転です。約7万人に影響が出るとみられています。

 規制が行われている間は、振替輸送も行われます。JR西日本(阪和線など)、大阪市営地下鉄(御堂筋線難波-中百舌鳥間など)、近鉄(南大阪線、長野線)が対象です。また、立ち入り禁止区域にある難波駅2階南改札口は、始発から規制解除まで閉鎖します。

 そのほか、南海なんば高速バスターミナル付近も立ち入り禁止区域となるため、高松、徳島方面への高速バスが南海なんば高速バスターミナルに停まらず(バス自体は運行します)、6:30以降に南海なんば高速バスターミナルに到着する夜行バス(5路線が対象です)は近くの交差点で降車することになります。なんばCITY南館、なんばパークスも13時からの営業となります。ウインズ難波は休日営業休止です。

(追記)
 当日は阪和線で、臨時の快速電車が運行されました。JR難波行きです。
(参考:南海ホームページ http://www.nankai.co.jp/library/company/news/pdf/150424_2.pdf、南海バスホームページ http://www.nankaibus.jp/future/20140422.html、大阪日日新聞ホームページ http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/150422/20150422029.html、大阪市ホームページ http://www.city.osaka.lg.jp/naniwa/cmsfiles/contents/0000308/308342/hinankuiki_zu.pdf)

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北越急行、ゴールデンウィークに上越新幹線接続の快速を運転

 ドル箱の特急が消えて、ローカル輸送のみとなった北越急行。その北越急行でゴールデンウィーク期間中、臨時列車を運転します。

 臨時列車はすべて快速。ダイヤは日替わりです。東京から向かう人が多い5月1日は、越後湯沢20:52発まつだい21:37着の1本。5月2日、3日は、越後湯沢9:42発十日町10:10着、越後湯沢11:15発十日町11:43着、越後湯沢12:37発十日町13:18着、越後湯沢14:14発まつだい14:52着の4本を運転します。反対に東京に戻る人が多い5月5日、6日は、十日町発11:41発越後湯沢12:09着、十日町発13:41発越後湯沢14:16着、十日町発15:40発越後湯沢16:12着の3本を運転します。先ほども述べたように、いずれも快速なので、途中停まる駅は六日町、十日町にしか停まりません。また、すべての便が越後湯沢で新幹線と接続していて、6~12分での接続です。
(参考:北越急行ホームページ http://www.hokuhoku.co.jp/pdf/gw2015.pdf)

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