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黒磯の交直流切り替え方式変更へ

 JRの電化方式に直流と交流のふたつがあるのは皆様も御存じの通り。直流は首都圏、関西圏のほか、東海、中国、甲信越など、これに対して交流は北海道、東北、北陸、九州などをその範囲としています。

 しかし、直流と交流というふたつの電化方式を採用しているということは、どこかで両方の電化方式がぶつかるところが出てきます。そのひとつが東北線の黒磯。栃木と福島の県境に近く、首都圏の北の端にあるところと言えます。駅構内は、一部を除いて、直流にも交流にも切り替えることができます。「地上切り替え方式」です。列車はいったん停車して、直流と交流を切り替えることになります。一部の線路は走行しながら直流と交流の切り替えができる、「車上切り替え方式」にも対応しています。東北新幹線開業前、頻繁に「ひばり」などの在来線特急が行き来していた名残です。

 実は、「地上切り替え方式」は黒磯だけしか使われていません。「地上切り替え方式」は設備が複雑になるという欠点があるからです。「車上切り替え方式」なら配線が単純な駅間にデッドセクションを置くことができます。その唯一残っている黒磯も、具体的な完成時期は不明ですが、「車上切り替え方式」に切り替えるようです。構内は全て直流となり、デッドセクションは、黒磯の仙台寄りに置かれます。この5月11日から、月曜日(休日となる場合を含みます)の上野方面への始発列車は、隣の那須塩原までバスによる代替輸送を行います(2017年12月ごろまでの予定です)。この切り替え工事の影響です。

 「地上切り替え方式」から「車上切り替え方式」に変更することによって、どのような影響があるのでしょうか? 上野方面から黒磯にやってくる列車は従来通り、直流専用で対応できます。問題は、仙台方面から黒磯にやってくる列車。交流専用では対応できないようになるのです。仙台方面から黒磯にやってくる定期列車は、貨物列車と普通列車の二種類。そのうち貨物列車は、問題ありません。黒磯で機関車を付け替えることはありますが、黒磯以北を走る機関車は、直流、交流の両方に対応できるのです。EH500が投入され、交流専用の機関車を追い出したのです。問題は普通列車。仙台方面から黒磯にやってくるのは、交流専用の701系、E721系などです。このままでは黒磯の手前で立ち往生してしまいます。黒磯-郡山間の列車は、交直流でないといけません。

 ただ、心配はいらないでしょう。JR東日本は大量の交直流電車を有しています。上野から水戸方面への常磐線は、交直流電車でないと対応できません。首都圏の通勤路線のひとつなので、新車が次々と投入されるのです。そのお古を黒磯-郡山間に使えばいいのです。

(追記)
 新白河に折り返し設備をつくるという話もあり、その場合は黒磯-新白河間が交直流電車(またはディーゼルカー)、新白河以北が交流専用の電車となると考えられます。
(参考:「鉄道ジャーナル」2015年2月号 鉄道ジャーナル社、JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/suspend/、「鉄道ファン」2015年12月号 交友社)

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