臨時「北斗」を渡島砂原経由で運転
函館線の大沼-森間には2本の線路があります。大沼公園経由と渡島砂原経由です。特急は距離が短く、観光地の大沼公園を通る大沼公園経由で走りますが、渡島砂原経由には海岸沿いなので勾配が緩いという特徴があります。長万部・札幌方面は下りとなるので特に問題はないのですが、函館・本州方面は急勾配を上るかたちとなり、これを避けようと渡島砂原経由を選択していました。また、上りが渡島砂原経由を採ることにより、大沼-森間は実質的に複線の役割を果たすことができ、線路容量の拡大につながりました。かつては函館・本州方面への特急も渡島砂原経由でしたが、今は大沼公園経由に改められています。しかし、今なお急行「はまなす」や貨物列車は渡島砂原経由です(下りは以前から大沼公園経由)。
このような話をなぜ今するかといえば、ゴールデンウィーク期間中、渡島砂原経由の特急が運行されるからです。5月2日から6日の間、函館線に1往復の臨時「北斗」を運行します(定期列車で9往復の「北斗」がありますから、合計で10往復体制となります)。「北斗85号」(函館10:41発、札幌14:52着)、「北斗92号」(札幌15:14発、函館19:57着)です。183系のグリーン車のない5両編成で、車内販売もありません。時刻表を見ると、「北斗85号」は大沼公園にも停車しますが、「北斗92号」は大沼公園には停車しません。ほかの線、すなわち渡島砂原経由であることを示す印があるだけです。「北斗」で渡島砂原経由となるのは、近年では珍しいことといえます。
(追記1)
お盆においても、渡島砂原経由の「北斗」が運行されます。8月7日から16日の間、運行します。
(追記2)
秋の5連休においても、渡島砂原経由の「北斗」が運行されます。キハ183系の6両編成(グリーン車、車内販売なし)で、9月19日から23日の間、運行します。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/pdf/150408.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150619-1.pdf、http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150724-2.pdf)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
「JR北海道」カテゴリの記事
- 室蘭線でただで定期券も配るモニター事業(2025.06.22)
- 「青春18きっぷ」は値上げせず、「北海道&東日本パス」は小幅な値上げ(2025.06.03)
- 白糠に道内で22年ぶりの踏切(2025.05.11)
- 青函トンネル以外の共用走行区間でも時速260キロ運転へ(2025.05.05)
- JR北海道、2025年度中に特急全車指定席へ(2025.04.30)
Comments