非ETC車の高速料金値上げか?
ETCのある車(ETC車)とない車(非ETC車)とでは、非ETC車のほうが高速料金が高いケースがあります。例えば、首都高速の場合、ETC車だと距離に応じて510~930円(普通車)かかりますが、非ETC車は距離に関係なく上限額の930円を払わないといけません。
ETC車のほうがお得なため、高速道路を通行する車の9割がETCを搭載していますが、残り1割が高速道路を通行するために料金所は今まで通り維持しないといけません。非ETC車の料金徴収コストはETC車の5倍にもなっているのです。また、国内の保有台数ベースでみると、ETC車の割合は5~6割程度にすぎません。
そこで国交省は、首都圏の高速道路でETCを搭載せずに通行する車について、2016年度にも通行料金を値上げする方針です。先ほども述べたとおり、非ETC車の徴収コストは高く、受益者負担の観点からも見直すことにするのです。夏をめどに料金の引き上げ幅や対象となる区間などを決め、2016年春からの実施を目指す方針です。混雑状況に応じた料金体系を導入するため、将来的にはETC搭載の義務付けも検討するようです。1台でも非ETC車がいる限り、料金所を維持しないといけないのですから、完全に非ETC車をなくさない限り、大幅なコストダウンはできないのです。すぐには無理でも、新車にはETC搭載を義務付けるなどの方法で、100%ETC車にするということも考えてもいいでしょう。
(追記)
国交省の試算によれば、東日本、中日本、西日本、本州四国連絡、首都、阪神の6つの高速道路には合計6937本の料金所レーンがあります。このうち4割近く(2560本)が現金も取り扱うレーンです。仮にこのレーンがなくなった場合、現金を扱う機器の設置費などがいらなくなることから、レーンの建設費は4320億円から2750億円と4割節約できたことになります。また、非ETC車に対応するための人件費は786億円(2014年度)で、100%ETC車になれば数百億円程度節約できるようです。
(参考:産経ニュース http://www.sankei.com/politics/news/150502/plt1505020006-n1.html、http://www.sankei.com/politics/news/150712/plt1507120002-n1.html)
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Comments
ETC搭載義務付けは不可能です。
ETCカードを作るには、クレジットカードを持つこと、もしくは最低4万円のデポジットを支払うことが求められます。
クレジットカードを全国民に義務付けはもちろん不可能ですし(発行できない人もいます)、年に数回も高速道路を使うかわからない人に、預かり金とはいえ4万円の負担を求めることも現実的ではありません。
かと言ってデポジットを軽減・廃止すれば、支払う意志がなく料金所を通過した人からの収受の手段がなくなるので、それも難しいと思われます。
Posted by: もよっこ | 2015.07.19 07:41 AM
もよっこさん、こんにちは。
* ETCカードを作るには、クレジットカードを持つこと、
クレジットカード対策として、プリペイド式のETCカードをつくるということで解決するのではないでしょうか? もっとも、収受漏れ対策としてある程度のデポジットは預かる必要があるでしょうが(こうしないと料金所は全廃できません)。
Posted by: たべちゃん | 2015.07.19 11:29 AM