銚子電鉄、駅名に命名権導入
鉄道業というより、食品製造業の会社といったほうが正確な銚子電鉄。その銚子電鉄ですが、駅名にネーミングライツ(命名権)を募集しています。7月31日の17時まで募集しています。
ネーミングライツを募集するのは、JRとの接続駅、銚子を除いた、仲ノ町から外川までの9駅。販売額は駅ごとに異なり、年間100~200万円です。一番高いのは、多くの観光客が利用する犬吠駅、年間200万円です。次に高いのは、本社のある仲ノ町駅や終点の外川駅などで、180万円です。一番安いのは、沿線住民以外の利用が少ないと考えられる西海鹿島駅の100万円です。9駅合計で1410万円です。ネーミングライツは国内に本社や本店などを1年以上有する法人で、1年更新ですが、継続する場合は優先交渉権があります。ネーミングライツを募集することによって、銚子電鉄は車両の入れ替え(2015年度は2両を入れ替える予定です)に充てたいと考えています。駅舎も維持できます。また、銚子電鉄の一番の観光地、犬吠埼には温泉も出ますが、その存在は知られていません。知名度アップと観光客の掘り起こしを兼ねて、犬吠駅を犬吠埼温泉駅に変更する案もあるようです。
ネーミングライツは駅名だけではありません。外川駅には留置している引退車両を使った施設がありますが、それの名前も変更になりました。ぬれせんべい関連で取引があった会社が年間200万円(税抜)で買い取りました。
話は変わりますが、銚子電鉄は2016年の年明けまでに「買い物電車サービス」を始めます。本社で注文を受けた日用品などを最寄り駅まで届け、駅員や車掌から受け取るサービスです。日常的な買い物が難しい買い物弱者向けのサービスは、宅配会社やコンビニが先行していますが、銚子電鉄も参入することになったのです。銚子電鉄が走っている銚子市は、人口約6.6万人の市ですが、65歳以上の高齢者の割合が3人に1人と全国平均より高く、買い物弱者(経産省の推計によれば、全国に約700万人いるとされています)がそれなりにいると見込んでのことです。
(追記1)
銚子電鉄がこのような取り組みを行う背景には、厳しい経営状態があります。
2014年度の乗客数、運賃収入は前年度を下回る見込みで、これまで数千万円単位で入ってきた東京電力からの賠償金も次回で入ってこなくなるとみられています。2015年度末には資金がショートする危険性もあるのです。
銚子電鉄は6~7月ごろに30円程度値上げするとともに、増便を計画しています。
(追記2)
銚子電鉄の18年ぶりの値上げは、10月ごろになるようです(7月1日に関東運輸局に変更許可を申請)。銚子-犬吠・外川間は現行の310円から340円になります。
(追記3)
銚子電鉄は、伊予鉄道の700系(1963年製造の元京王の車両)を購入します。2両1編成で定員は130人です。伊予鉄道から車両を譲り受けるのは2009年11月以来の三度目です。購入金額は約130万円ですが、輸送、改修、検査などの費用を加えると約7500万円にもなります。一部は国、千葉県、銚子市の補助金で賄います。
伊予鉄道の車両は2015年9月に銚子に運ばれました。2016年3月までには運行を開始したいとしています。
(参考:千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/news/local/253827、http://www.chibanippo.co.jp/news/local/247736、http://www.chibanippo.co.jp/news/economics/265059、産経ニュース http://www.sankei.com/region/news/150511/rgn1505110038-n1.html、http://www.sankei.com/region/news/150916/rgn1509160043-n1.html、朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASH4Z4W2WH4ZULFA01L.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH4Z4W2WH4ZULFA01L)
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