あいの風とやま鉄道、iPadで指定券を発売
あいの風とやま鉄道は、朝夕のラッシュ時に、運賃のほかに300円のライナー券がいる、全車指定席の快速「あいの風ライナー」を走らせています。この「あいの風ライナー」、IRいしかわ鉄道エリアの金沢から乗ると、車内でライナー券を購入します。アテンダントに降車駅を告げて、300円を払うと、列車名、日付、座席番号などが記載されたライナー券が印字され、渡されます。
なぜ座席番号まであるライナー券が車内で購入できるのでしょうか? それは、アテンダントにタブレット端末とモバイルプリンタを渡しているからです。JRでは専用の端末を使っていますが、小さな鉄道会社のあいの風とやま鉄道では、一からシステムを組みことができません。そこで、LCCなどではすでにやっているように、既存の汎用のスマートデバイス、iPadを活用することにしたのです。回線も既存のものを使うので、新たに通信インフラをつくる必要もありません。駅の窓口だけではなく、このように車内でも簡単に指定券を発売することができます。最終的にはKDDIと組んで、発券や払い戻しなど、徹底的に機能を絞り込んだシステムをつくることになりました。
しかも、あいの風とやま鉄道のシステムの特徴は、操作が簡単なこと。一番使う業務である、ライナー券発行業務のボタンが大きくなっています。画面の半分を占めています。日付や列車を指定する画面を経て、乗降駅を入力する画面では間違えないように色をつけています。最後に空席が表示され、ライナー券を発行できます。空席が表示されるということは、乗客がライナー券を持っているかを簡単にチェックすることもできるということになります。ライナー券を持っている人に声をかける必要がなく、ない人にだけ声をかけるという、効率的な業務ができます。操作が簡単だということは、見るのが面倒なマニュアルが要らないということにもなります。手間のかかる現場向けのマニュアルは不要となり、つくったのは管理者向けのマニュアルのみです。
JRは、専用のシステムを構築して、「みどりの窓口」で指定券を発売していますが、このシステムを改良すれば、簡単に車内でも指定券を発売できるかもしれません。今の常識が変わる可能性があります。また、今はライナー券の発売のみに使われているあいの風とやま鉄道のシステムですが、将来的には運行司令と運転士とのやり取りなどにも応用することを考えているようです。
(参考:IT Pro ACTIVE http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/14/368405/052700035/)
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