北陸新幹線で増えるのは「はくたか」?
北陸新幹線の看板列車といえば、停車駅を絞った「かがやき」で、「はくたか」は脇役ともいえる存在です。JR西日本での乗車率を見ても、「かがやき」のほうが「はくたか」を上回っています。
しかし、JR東日本の見かたは異なります。同じ乗車率でも、JR東日本エリアでは「はくたか」のほうが高いのです。「かがやき」が63%であるのに対し、「はくたか」は71%。「かがやき」もよい数字ですが、「はくたか」はさらに高い数字で、需要に応じた供給ができていない状態です。
そこでJR東日本が考えているのは、「はくたか」を増やすこと。北陸新幹線開業時のダイヤでは、速達型の「かがやき」を10往復も運行して(「思い切ったダイヤ」という意味で)予想を裏切りましたが、それは新幹線の速さをアピールするのが狙いです。「かがやき」の2時間28分(東京-金沢間の最速)ほどではありませんが、「はくたか」でも停車駅の少ないものは東京-金沢間を3時間以内で結んでおり、それほど遅くはないのです。これはほかの新幹線でも言えることで、開業当初はノンストップの列車があっても、だんだん停車駅が増える傾向があります。もっとも、「かがやき」が「はくたか」になるとイメージダウンなので、「かがやき」の停車駅を増やすことで対応すると考えられます。
ただ、「かがやき」より「はくたか」が人気があるのはJR東日本の事情であって、JR西日本エリアでは「かがやき」のほうが人気があります。しかも、JR東日本エリアでの「かがやき」の数字は悪くはなく、むしろ良い部類の数字です。それを考えると、JR東日本エリアで必要なことは、「かがやき」を「はくたか」に代えることではなく、長野県内で利用できる「あさま」を増やすことでしょう。E7系、W7系を増備することのほかに、E2系の廃車を遅らせることでも対応できます。
2016年3月には北海道新幹線が開業するので、北陸新幹線を含めてJR東日本エリアの新幹線のダイヤは変わるでしょう。そして、その1年後ぐらいに北海道新幹線の利用実績を踏まえてダイヤ改正を行う可能性が高いと考えられます。2016年か遅くとも2017年ぐらいには北陸新幹線も利用実績を踏まえたダイヤ改正が行われる可能性が高いと思われます。
(参考:タビリスホームページ http://tabiris.com/archives/hokuriku-shinkansen-5/)
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Comments
>長野県内で利用できる「あさま」を増やすことでしょう。
これは、東京-大宮間の線路容量が逼迫していることからして困難でしょう。
むしろ、利用者が比較的多いのに、「かがやき」が通過している高崎や軽井沢等に一部列車を停車させることや、逆に、長野以西各駅停車になっている「はくたか」は速達化、中間駅の利用者には長野-金沢間にかつての100系山陽「こだま」並みの短編成列車を運転するなど、メリハリをつけた方がいいでしょう。
Posted by: かにうさぎ | 2015.06.13 09:41 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* これは、東京-大宮間の線路容量が
ここは頭の痛いところです。在来線並みのスピードしか出せないことを逆手にとって、詰め込むしか方法はないでしょう。それが無理なら、大宮発着しかありません。
* むしろ、利用者が比較的多いのに、「かがやき」が
軽井沢以遠ならともかく、高崎あたりに停まると、富山や金沢まで行きたい人の席を奪う危険性があります。
* 中間駅の利用者には長野-金沢間にかつての
北陸新幹線はそれほど長距離でなく、長野以遠各駅に停まってもそれほど時間はかかりませんから、わざわざ別便で通過させる必要はないでしょう。そもそも、北陸新幹線長野以北にお古はありません。あるのは長野以南のE2のみです。
Posted by: たべちゃん | 2015.06.14 05:32 AM