国交省、2025年の道路の面積目標原案提示
国交省は5月28日に国土審議会計画部会を開き、2025年の国土利用計画の面積目標を定めた、第5次国土利用計画の原案を提示しました。
一番面積が広いのは森林。ここ数十年間、7割近くを占めている状況は変わりません。ですから、増加率(減少率)のほうが重要となります。これまで道路や宅地(工業用地などを含みます)が増え、農地が減る傾向が続いていましたが、今回の原案では宅地が横ばいとなりました。人口の減少傾向を反映させてのことです。
これに対して、道路は3.6%増加します(もっとも、これでも増加カーブは従来に比べて緩やかにしたようです)。人口は減少傾向にあるものの、国土形成計画の主要なテーマとなる地域間ネットワークの構築や、災害時の避難、輸送の多重性などのため、今後も道路の整備が必要だとしています。
確かに、人口の減少に比例して交通需要が減るわけではありません。とは言っても、人口が減って、期待される税収も減るのに、そんなことはお構いなしに道路につくる余裕はありません。それよりももっとかかる費用があります。インフラの修繕費です。笹子トンネルの事故のように道路の整備不良で事故になっては一大事です。「この道路がないとどこにも行くことができない」というのもありますから採算性だけでは考えられないでしょうが、高速道路などの幹線道路については、採算性を考慮し、不採算のものについては中止するなどの見直しが必要となるでしょう。鉄道の廃止も難しいですが(バスで十分足りる程度しか利用者がいないのに、赤字が新幹線や大都市の通勤輸送で埋めてくれるJRローカル線を廃止しようとすると、とたんに反対の声が出てきます)、道路を廃止にするのはさらに難しいです。下手につくってしまうとつぶせないのです。高速料金でカバーしようともしない新直轄道路は特に見直しの対象にしなければなりません。
国土形成計画、国土利用計画はともに2015年度中に策定します。国土形成計画はパブリックコメントを行います。国土利用計画はパブリックコメントを行うかどうかは検討中とのことです。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87440280Z20C15A5000000/)
| Permalink | 0
「道路、車」カテゴリの記事
- 全国幹線旅客純流動調査をわかりやすく分析したblogがあった(2022.05.21)
- 首都高速にハイウェイオアシス(2022.04.03)
- 新名神八幡-高槻間の開通、4年遅れる(2022.02.26)
- 阪神高速14号松原線の一部区間が3年間通行止め(2022.01.16)
- 電気自動車のバッテリーを鉄道で再利用(2022.01.09)
Comments