青函トンネル、2016年元旦は完全運休
1988年の開業以来、多くの旅客や貨物が通ってきた、青函トンネル。その青函トンネル、来年の元旦、2016年1月1日はまったく営業を行いません。
それは、北海道新幹線開業準備の最終段階として、開業直前に予定されている「地上設備最終切替」の「事前確認」を行うため。現在、青函トンネルなど新幹線と貨物列車が共用する区間(新中小国-木古内間)では、在来線用の運行管理システムで運行しています。これでは新幹線は運行できないので、新幹線が走行試験を行う際は、新幹線用の運行管理システムに切り替えて運行します。具体的には、電圧を20000ボルトから25000ボルトに変え、信号保安設備を新幹線用にします。夜間の試験走行が終わると逆の手順で在来線が走行できるようにします。この夜間の試験走行は在来線のダイヤに影響を及ぼさないように行っていますが、時々夜行列車を運休させるなどの方法で試験走行時間を拡大しています。
しかし、現在の試験走行の段階では、新幹線開業後も残る、貨物列車の試験走行はできません。現在の在来線の運行管理システムは新幹線との直通に対応していないのです。新幹線に対応した電気機関車(EH800)が走行試験を行うときは、あらかじめ木古内や新中小国で待機させ、システムを新幹線用に変えてから走らせるのです(このときは在来線の木古内、新中小国構内も新幹線用の運行管理システムの運行管理システムに切り替えるようです)。
ただ、このままでは新幹線開業後も運行を続ける貨物列車に対応できません。新幹線開業と同時に青森-五稜郭間については、在来線の運行システムも新しいのに切り替え、新幹線用の運行管理システムと直通運転できるようにするのですが、在来線の運行管理システムを切り替えると、作業時間がかかるため、走行試験のたびに運休する列車が多発します。やりたくてもできないのです。
とは言っても、ぶっつけ本番で開業に臨むわけにはいきません。やはり新幹線開業直前の「地上設備最終切替」の前に実験をしておく必要があります。「事前確認」というものですが、これをやると在来線は旅客も貨物も全面運休しないといけません。そこで選ばれたのが、貨物列車の運行予定がなく、物流に影響を及ぼさない年末年始。2014年から2015年にかけての年末年始においても、夜行列車が運休したのは記憶に新しいところです。今回は昼間の特急も全面的に止まるので、年末年始の中でも特に利用の少ない1月1日を選び、「事前確認」を行います。1月1日に新幹線、在来線ともに新幹線開業の新しいシステムに切り替え、地上設備や運行管理システムを開業後と同じ状態にして、(1)貨物列車を走行させ、共用走行区間と在来線区間を直通できること (2)新幹線、貨物列車を走行させた状態で、開業後のシステムが24時間安定して稼働すること についての「事前確認」を行います。
「事前確認」を行うため、2015年12月31日深夜から2016年1月2日早朝にかけて津軽海峡線を通過する全列車、特急「スーパー白鳥」、「白鳥」、急行「はまなす」は全面運休します。江差線、津軽線についても一部区間、一部列車が運休しますが、具体的にどの列車が運休するかは決まっていません。詳細は秋ごろに発表されます。代替の交通機関はフェリーまたは航空機となります。
先ほども書きました通り、「地上設備最終切替」は新幹線開業の前に行います(このときには、もう従来の在来線システムには戻しません)。数日前に行うようで、このときも津軽海峡線を通過するすべての旅客列車は数日間運休となる予定です。「スーパー白鳥」、「白鳥」、「はまなす」は新幹線開業の前日まで走り続けるのではなく、遅くとも数日前で引退するようです。なお、貨物列車は運行を続けるようです。詳細は冬ごろに発表されます。
(参考:JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2015/150717-3.pdf)
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