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JR西日本、福井発福井着の切符をPR

 北陸新幹線金沢開業後、福井から東京まで往復するのに、東海道新幹線、北陸新幹線のどちらを使えば安くなるのでしょうか?

 答えはどちらでもありません。割引のない通常の切符で考えた場合、東海道新幹線と北陸新幹線を片道ずつ利用したほうが安いのです。東海道新幹線で東京まで往復した場合は29320円(普通車指定席を利用、通常期。以下同じ)、北陸新幹線で東京まで往復した場合は32100円ですが、両方を片道ずつ利用した場合は26500円となります。乗車券は福井発福井着となり、東京では途中下車というかたちで降りることになります。有効期間は7日間で、東海道新幹線、北陸新幹線のどちらを先に乗っても構いません。

 東海道新幹線と北陸新幹線を片道ずつ利用したほうが安いのでしょうか? なぜそのからくりは、JRの乗車券は距離が長ければ長いほど割安になるからです。福井-東京間の片道切符2枚よりも、福井-東京-福井間の片道切符のほうが安いのです。

 もちろん、これは割引切符の存在を無視した比較です。割引切符を考慮に入れると一番安いのは、依然として東海道新幹線経由です。「東京往復割引きっぷ」の福井-東京間は25590円です(普通車用、繁忙期は利用不可)。この「東京往復割引きっぷ」は北陸地区の駅で普通に売っているため(首都圏では発売していません)、鉄道の知識がなくても、ネットでしか買えない北陸新幹線の割引切符よりも気軽に買うことができます。ただ、「J-WESTカード」会員なら、前述の東海道新幹線と北陸新幹線を片道ずつ利用するタイプが最も安くなります。24940円です。

 そういうこともあってJR西日本は6月26日から、東海道新幹線と北陸新幹線を片道ずつ利用する、一周切符のPRを行います。福井県内の特急停車駅、芦原温泉、福井、鯖江、武生、敦賀の各駅でPRします。東海道新幹線のみを利用した場合、JR西日本には米原までの分しかお金は落ちませんでしたが、一周すると上越妙高-福井県内、福井県内-米原間の収入が手に入ります。北陸新幹線ルートを認知させることにより、将来の北陸新幹線福井県内延伸時に利用者を増やす狙いもあると思われます。
(参考:福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/economics/74023.html)

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