新函館北斗駅前に屋台村
当分の間の北海道新幹線の終着駅、新函館北斗。今は何もないところですが、駅前に地元経済界が出資して、ホテルなどの複合ビルを建設するようです。
複合ビルは鉄筋コンクリート6階建て。1階部分は北斗市が買い取り、土産物売り場などの物販や飲食コーナー、交流スペースを置きます。2階から上は、客室100室のホテルとレストラン、温浴施設などが入る予定です。総事業費は約20億円で、2015年中に着工します。ホテルの運営を行うのは、東京に本社のある「ABアコモ」で、外国人などの利用を想定して、1室の定員を4人程度とします。
当初、新函館北斗の駅前にはJR北海道が約100室のビジネスホテルを建設する予定でしたが、建設資材の高騰などを理由に、採算が取れないとして撤退しました。今回の複合ビルの建設決定は、それを埋めるものですが、問題があります。開業に間に合わないのです。複合ビルのオープンは、開業から約1年後の2017年2月なのです。現在進出が決まっているのは、レンタカー会社7社とタクシー会社1社、それに道営住宅などで、まだ北斗市が開発した商業用地のうち半分以上は進出会社が決まっていません。函館の中心部から約20キロ離れ(しかも鉄道での接続はよく、途中下車の需要は見込めません)、利用者数が読みにくいからだと言われています。
そこで北斗市などが考えているのが、飲食店や土産物店などを集めた、屋台村の設置。幅5.6メートル、奥行き2.4メートルほどの大きさの店舗を17戸建設します。北海道は暖房を備えた休憩所を、北斗市はトイレのほかステージを用意します。屋台村は休日に営業し、実際の営業は民間に委託します。地元産の食材を使った料理を提供し、道南など北海道の名産品を扱うようです。事業費は北海道が約1500万円、北斗市が約3600万円の見込みです。
ただ、新函館北斗でインパクトを与えるのは、そんな屋台村よりも、584台分できる駐車場の無料化でしょう。当面の間は駐車料金が要らないのです。観光客はともかく、地元の人は函館駅前や五稜郭駅前に住んでいない限り、車でアクセスすることでしょう。同じく駐車料金が無料の木古内(300台分あります)との間で、函館市民の奪い合いが生まれそうです。特に木古内は、函館市民が使ってくれると、新幹線の停車本数が増えるという期待も出てきますから。
(参考:北海道新聞ホームページ http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0155538.html、http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/donan/1-0157200.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20150709-OYTNT50039.html、朝日新聞ホームページ(会員登録要) http://digital.asahi.com/articles/ASH785JN5H78IIPE019.html)
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