JR東日本、運賃を見直し?
6月23日、JR東日本の株主総会が東京都内で開かれました。
この株主総会では、安全面(4月12日に起きた山手線電化柱倒壊事故など)に関する質問などが出されましたが、私が注目したのは、運賃のゆがみに関する質問。東京-小田原間を通しで買うと1490円ですが、東京-横浜間、横浜-小田原間と分けて買うと1440円とむしろ安くなります。分割民営化以来、このような事例は散見されますが、なぜこれを是正しないのか、という質問です。
まずこのように、途中で分割したほうが安くなるようになったのかといえば、国鉄末期に私鉄と競合する区間(東海道線で言えば、東京-大船間)のみを利用する場合だけ、私鉄に合わせて安い賃率を採用したからです。さらに今回は該当しませんが、品川-横浜間など私鉄と並行する区間については、個別にさらに安い運賃を採用しています。
確かにこのような事態はおかしく、JR東日本も是正したいとは考えているようです。ICカード利用者には1円刻みの運賃を導入したこともあり、運賃そのものの大幅な見直しをしたいと考えているようです。
ただ、運賃の大幅な見直しは簡単にできることではありません。見直しをすれば、値下げになるところも値上げになるところも出てきます。実は、JRの本州三社は、消費税率絡み以外に値上げをしたことがないのです。お金が不足して値上げをしなければならない状況ならともかく、そうでない限り、いくら現行の運賃はおかしいとわかっていても、運賃の是正は難しいのかもしれません。
(参考:東洋経済ONLINE http://toyokeizai.net/articles/-/74396?page=3)
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Comments
金の不足といえば震災後電気料金の値上げで鉄道会社の経営にも悪影響が出ていると聞きます。
JRのみならず私鉄も運賃や定期の割引率などを見直すいい機会かもしれません。鉄道の運賃は安すぎる、との関係者の指摘はそこそこあるようですし、少し値上げになるくらいなら利用者も妥協するでしょう。どの辺りが妥協点になるかはかなり探りづらいですが。
Posted by: 日置りん | 2015.07.05 08:05 AM
日置りんさん、おはようございます。
* 金の不足といえば震災後電気料金の値上げで
以前にこういう記事( https://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2015/04/post-1f38.html )を書きましたが、値上げが必要なほどの状況かどうかはわかりません。
* 鉄道の運賃は安すぎる、との関係者の
大都市の通勤路線を除けば、鉄道の運賃は安いでしょう(幹線は特急料金でカバーしています)。地方のローカル私鉄よりも安いのに、アーバンネットワーク並みの新車を入れろ、もっと本数は増やせ、では誰がやっても経営できないのは明白です。
競争があるところで効果的な割引切符を設定できず、別に客が逃げてもよいような路線で赤字を垂れ流すような安い運賃でやっているいびつな運賃が、今の現状です。
Posted by: たべちゃん | 2015.07.05 11:10 AM