羽田-富山・小松間の航空機、冬ダイヤは維持
北陸新幹線が開業して以来、ライバルの航空機の利用は減っています。羽田-富山間の4~7月の利用者は前年比42.4%減の約16.4万人、販売額に至っては、新幹線に対抗して値下げした影響で57.5%も減っています。羽田-小松間のJALの4~6月の利用者は前年比32%減(7月は30%減)、ANAの4~7月の利用者は41%減です。そんな中、各航空会社から10月25日から2016年3月26日までの冬ダイヤが発表されました。
羽田-富山間については、とりあえず1日6往復の現状維持です。しかしこれは「執行猶予」状態であり、利用者が増えなければ、次の夏ダイヤ以降は、2往復以上減らすとのことです。減便を回避するためには、11000円以上の運賃で、月10500席(1便あたりにすると約30席)の利用者増加が必要だと運航するANAは考えています。なお、ANAはビジネス需要にこたえるため、午前中の富山発着便を増やし、冬季でも雪の影響を受けにくいように、着陸の可否を低高度で適切に判断することのできる、新しい機体に統一します。
羽田-小松間についても、JAL、ANAともに1日6往復ずつ、合計12往復を維持します。6往復のうち2往復が261席のボーイング767、残りの4往復が165席のボーイング737を使用するJALはこの減少度合いを想定の範囲内としているものの(このままの減少度合いなら次の夏ダイヤでも減便はしないようです)、それより落ち込みの幅が大きいANA(6往復すべてをボーイング737で運航)は、次の夏ダイヤ以降、減便を考えているようです。便数を維持したければ、単価の高いビジネス客を中心に、4~7月の利用者の1割程度(4000~4500人)増やさないといけないようです。
ただ、これまでの傾向からも明白な通り、新幹線で東京と2時間程度で結ばれると、航空機が撤退します。いったん飛び出せば速いものの、市街地に空港を置くことができず、搭乗に時間がかかるからです。航空機が撤退するのは自然の流れであり、無理に維持する必要はないでしょう。
(追記1)
JALの植木社長は10月9日に石川県庁を訪れ、羽田-小松間について2016年夏ダイヤ、冬ダイヤにおいても、6往復体制を維持することを谷本知事に表明しました。
(追記2)
羽田-富山間については、搭乗率は8割にまで増えましたが(10、11月の数字)、団体観光客が多いためにそれなりのお金(特割以上)を払っている利用者数に換算した数字では5割弱となり、厳しい状況は続いています。
(追記3)
ANAの羽田-小松間は2016年夏から1往復減って、5往復になるようです。
(参考:中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2015082002100013.html、http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2015082002100011.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/local/ishikawa/news/20151009-OYTNT50363.html、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151130-00040621-kitanihon-l16、北國新聞ホームページ http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm)
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